「明るいレンズ」の威力
このカメラと標準ズームの組み合わせは、星空を撮るには若干の力不足は否めませんでしたが「Wレンズキット」のもう1本のレンズ「25mmF1.7」はなかなか強力です。上の作例は天の川中心部分を撮影したものですが、標準ズームの広角端とは見違えるような写りです。
「マイクロフォーサーズは暗い被写体にはあまり向かない」と言われることがありますが、この作例を見る限りエントリ一眼の入門作例としては、十分に満足できるレベルです。キットレンズの絞り解放F1.7でここまでの画質とは正直いって驚きました。焦点距離25mm(35mmフルサイズ換算50mm)の画角では天の川を広く捉えることはできませんが、LUMIXで星空を撮るならこのレンズは強くオススメできると思います。
「赤道儀」登場!
より高品質の星空を撮る手段として「ポータブル(コンパクト)赤道儀」を使うという方法もあります。
上の画像はポータブル赤道儀に搭載してはくちょう座を撮影しているところ。
重量級のカメラの場合、赤道儀もそれに見合った大型で頑丈なものを使用する必要がありますが、重量わずか400g弱のこのカメラの場合、一番小さなクラスでも無問題です。
ポータブル赤道儀を使用した作例。60秒露出しても星が流れず、キレイな点像で写るのがポータブル赤道儀のメリット。
明るいレンズと併用すれば、上級機と比較しても見劣りのない天体写真が撮影できます。
もうひとつ、細かいところですが重要なポイントとして、マニュアルモードで最長「60秒」までの露出時間が使えるのも、このカメラのメリット。いわゆる「高級機」であっても、メーカーによってはバルブ(B)モードで外付けのリモコンを使わないと、30秒を越える長秒露出ができない製品があります。星空など暗い被写体を撮る場合、これはとても残念な仕様です。フィルム時代の名残である「マニュアルモードの最長露出時間は30秒」に、いつまでも縛られないでほしいものです。
レンズをプラスワン!
明るいお値頃な超広角。サードベンダー製MFレンズ
「F1.7」という明るい単焦点レンズがレンズキットに含まれるLUMIX DC-GF90ですが、天の川を広く写し込んだ星空の風景を撮るには、画角の狭さがややネック。パナソニックの純正レンズは明るい超広角レンズのラインナップが豊富なのですが、価格は10万円を越えてしまいます。
※本文内の価格情報は2019年8月22日時点でのAmazon.co.jpの価格です。
そこでお値頃なレンズとして、こちらをご紹介しておきましょう。ズームレンズではありませんが、7.5mm(換算15mm)の超広角でF2.0と十分な明るさ。実売価格は7万円弱でこちらも決して安くはありませんが、重量も170gで、コンパクトなLUMIX DC-GF90とよくマッチします。
まとめ
いかがでしたか?
M4/3(マイクロフォーサーズ)の最大のメリットは小型軽量。 コンデジからのステップアップとしてこのカメラを手にされた方も多いのではないでしょうか。
正直いって、ガチで星空を撮るならやはりセンサーサイズの大きなカメラに利があります。でも、それは限界レベルでの違いを気にするような撮り方をするような場合だけです。
もっと手軽に・気軽に星空を撮るのであれば、M4/3(マイクロフォーサーズ)でも十分に楽しめることを今回の試写で実感しました。
ただし…気温の高い夏場のノイズは多いです。「輝点ノイズが多いなあ」と感じたらぜひ「長秒ノイズ除去」の設定をONにしてみてください。見違えるように画質が改善するはずです。
レンズ交換できるカメラを手にしたら、ぜひ星空を撮ってみましょう。あなたのカメラライフをさらに豊かなものにしてくれるはずです!
次回は同じくマイクロフォーサーズの「OM-D E-M10 Mark III」のレポートです。お楽しみに!
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日本唯一の?天文ファンのための全方位キュレーションサイト/その編集長。 天文ファン500万人化を目指して日々絶賛情報発信中。五感で感じる星空体験がモットー。天文宇宙検定2級。夢はベテルギウスの超新星爆発を見届けること。