宇宙や天体に興味を持ち始めたら、欲しくなってくるもの。
それは天体望遠鏡。
三脚に乗せられた白く長い筒、先端には輝く大きなレンズ。これを覗いたら、いったいどんな世界が見えるのだろう?なんだかワクワクしてきませんか?
天体望遠鏡は、カメラの世界と同様さまざまな製品と楽しみ方があります。カメラよりはちょっと敷居が高いかもしれませんが、金額的には大きくは変わりません。エントリークラスのカメラ1台分くらいの予算があれば、貴方も天体望遠鏡の世界を覗き見ることができるんです。もちろん、カメラの沼同様、乗用車一台分くらいをつぎ込むことも簡単ですが(笑)。
これから数回、この天体望遠鏡の世界についてお話ししたいと思います。
天体望遠鏡って何がスゴイの?
では、「天体望遠鏡」は何がスゴイのでしょうか。
遠くにある小さなものが大きく見える
乱暴に言い切ってしまうと、天体望遠鏡とは「肉眼では小さくて見にくい遠くの物体を、すごく大きく見るための道具」です。その点で、超望遠レンズを装着したカメラや双眼鏡とは、全く違うレベルにあります。この「どのくらい大きく見えるか」を表す尺度を「倍率」といいますが、天体望遠鏡の場合、入門用の安価な製品でも最高100倍クラスは普通。本格的なものだと300倍、500倍くらいまではじゅうぶん可能(*1)。
(*1)やみくもに倍率を上げても像が暗くボケるだけで、機材と対象に応じた最適な倍率を選ぶ必要があります。
上の画像は、カメラのファインダーや天体望遠鏡の像を、スマホで撮影したもので、実際に眼で見た映像とほぼ同じもの。カメラは400mmの望遠レンズですが、ファインダー像の大きさはせいぜい倍率10倍の望遠鏡程度の大きさしかありません。
ところが、天体望遠鏡ではそれよりもはるかに大きな倍率で対象が見られることがわかります。
天体望遠鏡はカメラレンズとは桁違いに拡大して見ることができる器械なのです。
大きなレンズでより多くの光を集めることができる
もう一つは、天体望遠鏡のシンボルでもある「大きな対物レンズ(または反射鏡)」。
人間の眼は最大でも直径7mmの大きさしかなく、それよりも多くの光を取り込むことができません。天体望遠鏡なら大きなレンズで多くの光を集めて、眼に送り込むことができるのです。
この「どのくらい多くの光を集めることができるか」を表す尺度を「集光力」といいます。入門用に多い口径70mmの対物レンズの場合、人間の眼の100倍の光を集めることができます。多くの光を集めることができるほど、暗い星まで見ることができますし、倍率を高くして見ることができます。
天体望遠鏡は対物レンズの口径が大きいほどよく見える、と覚えてください。
日本唯一の?天文ファンのための全方位キュレーションサイト/その編集長。 天文ファン500万人化を目指して日々絶賛情報発信中。五感で感じる星空体験がモットー。天文宇宙検定2級。夢はベテルギウスの超新星爆発を見届けること。