【第二章】天体撮影のトリセツ【第三回】

ポータブル赤道儀の使い方 (1/3)

2018.03.25
トリセツ編集部/山口千宗
昇る夏の銀河。大分県奥日田にて。
Canon EOS 6D+SIGMA 24mm F1.4 Art F2.2 120秒 ISO3200  ポータブル赤道儀「ポラリエ」使用
昇る夏の銀河。大分県奥日田にて。
Canon EOS 6D+SIGMA 24mm F1.4 Art F2.2 120秒 ISO3200 ポータブル赤道儀「ポラリエ」使用
ポータブル赤道儀の画像はハメコミ合成です。 zoom

前回、「ポータブル赤道儀」を使用すれば、1日1回転する星の動きに合わせて「追尾」し、露出時間をより長くすることができるというお話をしました。 天の川をより濃く撮ったり、望遠レンズで大きく撮ったり、暗いレンズでも明るいレンズに負けない画質で撮ったりすることが可能になるのです。

今回はその「ポータブル赤道儀」の使い方をビクセン社の「ポラリエ」を例にお話ししましょう。

ビクセン 星空雲台ポラリエ

ビクセン 星空雲台ポラリエ 参考価格:33,584円(Amazon.co.jp、2018年2月20日現在)

操作は非常にシンプル。カメラボディのような形状はカメラバッグへの収まりもよく、赤道儀デビューにはイチオシの製品です。筆者も愛用しています。

※写真中のカメラ、三脚、雲台などは別売です。


ポータブル赤道儀の設置方法

OLYMPUS EM-5 12mm(換算24mm) F3.5 ISO1600 固定撮影|
明るさ・周辺減光はレタッチで補正しています。
右の「専用プレート」はBORGのアングルプレート35VP(ブラック)【3235】
左の自由雲台はケンコーFP-100PRO。

次項で詳しく説明しますが、ポータブル赤道儀は約35度傾けて設置する必要があります。したがって、上の図のように三脚に、約35度傾けるためのパーツを取り付け、その上に赤道儀を設置するような形になります。

一番簡単な方法は、上の図の左のように自由雲台(カメラ雲台)を使用して設置すること。カメラ用にもカメラ雲台を使用するので、合計2個のカメラ雲台が必要になります。

このカメラ雲台にはカメラ+赤道儀の重量がかかるため、それに耐える強度をもったものを使用します。

自由雲台を1個しかお持ちでない場合は、上の図右のようなパーツを使用する方法もあります。カメラ雲台よりもずっと軽量で、機材の背丈が短くなってより安定するメリットがあります。

メーカーによっては微動装置の付いた専用架台が用意されている場合もあります。予算に余裕があればそういったものを購入するのも一手です。

大事な「極軸合わせ」

ポラリエの場合、内蔵されている「傾斜計」を使用して撮影地点の緯度をもとに設定することも可能です。
ポラリエの場合、内蔵されている「傾斜計」を使用して撮影地点の緯度をもとに設定することも可能です。

ポータブル赤道儀を使う上で一番大事なことは、回転軸(極軸)を地球の自転軸と平行に設置すること。

これを「極軸合わせ」と呼びます。

極軸が大きくずれてしまうと、星の動きを正しく追いかけることができなくなります。(後でも触れますが、広角レンズを使用した数分程度までの露出時間であれば、極軸合わせがアバウトでもさほど問題ありません。)

日本の場合、自転軸は真北の方角、地上から35度ほど(その土地の緯度と等しい角度)上のところにある「天の北極」を向いています。

ポータブル赤道儀の回転軸の中心がその方向を向くようにするのですが、その方法をいくつかお話ししましょう。



山口千宗
【天文リフレクションズ/山口千宗】

日本唯一の?天文ファンのための全方位キュレーションサイト/その編集長。 天文ファン500万人化を目指して日々絶賛情報発信中。五感で感じる星空体験がモットー。天文宇宙検定2級。夢はベテルギウスの超新星爆発を見届けること。