ソニーの新型にして最高峰のミラーレス一眼「α9」。
控えめにいって「超弩級」のカメラでした。
今まで、ミラーレス一眼は一眼レフにはない良さを磨きつつ、一眼レフに負けているところを階段を一歩一歩上るようにステップアップしてきました。
ですが、α9はそのステップを一気に3段飛びくらいしてしまったのです。そのくらいインパクトのあるカメラです。
とにかく速くて気持ちいい。
シュッとピントがあってタタタタッと撮れます。
α9のデザインは、α7シリーズを踏襲しています。ここ数年のソニーは一度決めたデザインコンセプトをずっと変えない、という方針でいるのか、どれが新機種なのか見た目ではわからないくらい基本デザインは一緒(ディテールは毎回進化してますが)。
おかげで、デザインが古びません。これはすごいことです。
初代α7が登場したときに違和感を感じた中央部のとんがった頭も、見慣れてきて「このとんがり頭」があってこそのα7/α9だ、と思えるくらいになりました。
そういう見た目の特徴を維持し続けているのはすごいこと。
このとんがり頭はファインダーが入ってます。ミラーレス一眼なので光学ファインダーではなく、EVFです。
電源を入れて覗くと、大きくて鮮やかで見やすい。OLEDを採用しているだけのことはあります。
しかもレスポンスがいい。昔のEVFに比べると段違いで、ファインダーを覗いたまま被写体を追っても違和感がありません。
グリップもしっかりしていて、ファインダーを覗いて撮りたくなります。
ただ、重い。もっともα9自体は約673gと、同等クラスの一眼レフに比べると重いわけではありません。レンズが重いのですね。ミラーレス一眼はボディ自体は軽くコンパクトにできるのですが、レンズの大きさ重さは変わりませんから。
下の写真は24-70mm F2.8を装着したところです。プロ用のハイエンドなレンズです。
さて背面モニタはタッチパネル搭載で上下にチルトします。タッチパネルはタッチAFや再生時用。本当に必要な時だけ使ってねという仕様です。
α9のイメージセンサーは35mmフルサイズで、ボディ内手ブレ補正付。このサイズで5軸手ブレ補正がついているのはすごいことです。ただ補正能力はオリンパスにはちょっと及ばない感じです。その分、高感度に強いのでシャッタースピードはある程度維持して使うのがお勧めです。
このセンサーは2420万画素で新開発のもの。ソニー曰く「革新的なイメージセンサー」です。
確かに、イメージセンサーについて知識がある人ほどその性能にびっくりするはずです。
では使ってみましょう。
α9がスゴいのは常識を越えた速さ
メディアスロットは2つあります。ひとつはSDカード専用で、最新のUHS-II規格に対応しています。超高速連写や4K動画を撮る人はUHS-II規格のカードを使うといいでしょう。もうひとつはSDカードとメモリースティックDuo兼用スロットです。
電源はハイエンドモデルながら、USB充電対応。ソニーのカメラはすべてUSB充電に対応しているので便利です。USBアダプタなどを経由して充電します。
それらが完了したらレンズを装着して撮影。
オートでもすすっとピントが合い瞬時に撮れます。このスピード感の心地よさがいいところ。
SONY
ソニー α9 ILCE-9
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。