天体撮影の世界にようこそ。「天文リフレクションズ」編集長の山口です。
前回の連載第三回では「月のある風景」を撮る4つのチャンスと、そのチャンスがいつかを知るために重要な「月齢」と「薄明」についてお話ししました。
今回は、月のある風景の実戦的な撮影手順についてのお話しです。
ロケーションとタイミング
月のある風景を撮るには、まず場所探しから。
身近にある、西または東の視界がよく開けているロケーション(場所)を探してみましょう。
星空の撮影とは違って、明るい街中でも大丈夫。
都市部なら「ベランダ」「マンションの踊り場」など、野外なら「公園」「河川敷」「見晴らしの良い展望台」など。
特にオススメなのが東西に走る道路の上の「歩道橋」。建物が高くても、道路沿いでは谷間になって視界が開けていることが多いのです。
月がどの場所から昇ってくるかを確認するためには、方角を知る必要があります。
方角を調べるには、スマホのアプリが便利です。天体撮影、特に昼間のロケハンには必携のアプリでしょう。
iPhoneなら最初から入っていて「Siri」で一発起動、音声ガイダンスのありがたみを感じる瞬間です^^
Androidはアプリをインストールする必要があります。このアプリに限らず、お好みのものをどうぞ。
ロケーションが決まったら、月がほどよい高さと位置で西の空か東の空にあるタイミングを狙います。
月の方角は季節によって違ってきます。三日月の場合、だいたい太陽のある方向なので、夏は真東よりも北側、冬は南側です。
バランスよく月が画面に入る高さは、50mmの焦点距離ならだいたい地平高度15〜20度くらい。
望遠になるほど、低い状態の月を狙うことになり、タイミングが難しくなります。
ロケーションと月の高さに合わせてレンズをズームして、いい感じになるポイントを探してみましょう。
西空の月は右下に、東空の月は右上に、それぞれナナメに移動していきます。
ざっくり1時間で角度にして10度ほど高さが変わってくので、月が地平高度20度になるのはだいたい月出没から2時間くらい。前回ご紹介したアプリ「日出、日入」を使って月の出没時刻を調べ、逆算して月が手頃な高さになる時刻をチェックしてておきましょう。
アプリ「日出、日入」
iOS版(AppStore)
Android版(Google Play)
日本唯一の?天文ファンのための全方位キュレーションサイト/その編集長。 天文ファン500万人化を目指して日々絶賛情報発信中。五感で感じる星空体験がモットー。天文宇宙検定2級。夢はベテルギウスの超新星爆発を見届けること。