1年間、15回に渡って連載させていただいている「天体撮影のトリセツ」。
ボリュームが増えてきて「今すぐ天体撮影デビューしたい!」という方からは、「どこに何が書いてあるのかよくわからない!」というご意見も頂戴するようになりました。そこで今回は、これまでの連載の「目的別INDEX」をお届けしたいと思います。
今すぐ天体写真を撮りたい!
今まさに星空を目の前にしていて、後は写真を撮るだけという状態の貴方に。カメラをどんな設定にして、何に気を付けて撮ればいいのか。すぐに知りたい情報をまとめました。
撮影手順を確認したい
カメラの設定から撮影後の確認まで、だいたいこの手順で行えば大丈夫!
上記リンク「天体撮影のトリセツ【第六回】星空撮影の基本」より抜粋
手順 | 必要な操作 | 注意点 |
---|---|---|
1.カメラを設定する | ・記録画質をRaw+JPEGに。 ・長秒時ノイズ低減をOFFに。 |
・現地で行なうのではなく、事前に設定しておく。 |
2.機材を設置する | ・三脚を安定したポジションに立てる。 ・カメラを三脚に取り付ける。 |
・三脚を使用する場合は「手振れ補正」はOFFにする。 |
3.露出を設定する | ・絞り値を設定(F2.8。それより暗いときは開放)。 ・ISO感度を設定(ISO800〜3200)。 ・シャッター速度を設定(月のある風景の場合は自動露出(AE)でOK、星空の場合は15秒〜30秒が基本)。 |
・絞り値・ISO感度・シャッター速度のマニュアル操作を事前にしっかり練習しておくこと。
・自動露出(AE)の場合は「露出補正」の操作も練習しておくこと。 |
4.構図を合わせる | ・雲台とズームリングを調節して構図を合わせる。 | ・ズームレンズでの星空撮影の場合「広角端」が基本。 |
5.ピントを合わせる | ・明るい対象をフォーカス位置にセットしてシャッターボタンを半押し(AFの場合)。 ・または、ライブビューでピントリングを回して合わせる。 |
・一度ピントを合わせたら、MFモードにしておく。 ・ずれやすいのでピントは時々合わせ直すこと。 |
6.シャッターを切る | ・2秒セルフタイマーにしてシャッターを切る。 ・または、リモコンでシャッターを切る。 |
・ぶれないようにやさしくボタンを押すこと。 |
7.撮影した画像を確認する | ・カメラの再生ボタンを押して画像を表示する。 ・必要に応じて拡大表示、ヒストグラム表示する。 |
・画像再生、拡大表示の操作を事前に練習しておく。 ・ピント、露出、構図をチェック! |
露出時間の目安を知りたい(マニュアル露出)
撮影場所の明るさ別に露出時間を早見表にしました
暗い星空はマニュアル露出で撮ることが多くなりますので、この表を目安に前後何段階か撮影して露出時間を決めるといいでしょう。 レタッチでレベル補正(露出補正)ができるのであれば、星が流れない程度(露出時間30秒以下)で多め(1〜2段くらい)にかけるのがノイズを少なく撮るコツです。
ISO感度は、フルサイズならISO3200〜6400、APS-Cなら1600〜3200、4/3やコンデジならISO800〜1600くらいが目安です。
マニュアル撮影の方法を知りたい
マニュアル撮影と「シャッター速度」「絞り値」「ISO感度」については、こちらの記事を参照してくださいね!
ピント合わせの方法を知りたい
露出の設定以上に大事なのがピント合わせ。明るい対象の場合はオートフォーカスが使えます。
オートフォーカスが使えない場合は、ライブビューでモニタの像を拡大してピントリングを回して合わせます。
どちらも事前に練習しておくことをオススメします!
どんな機材でどんな写真が撮れるか知りたい!
星空を撮るにはどんな機材が必要なの?カメラ、三脚、小道具…。
基本的な天体撮影で必要になる機材のガイドはこちら!
満天の星に出会いたい!
星のよく見える場所を探したい
街中に住んでいて星空が良く見えない…。
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月明かりと薄明の影響を調べたい
月明かりの影響が少ない方が、星空をよりよく見ることができます。
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今見えている星空を調べたい
今どこにどんな星が見えているの?
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レタッチでキレイにするやり方を知りたい!
レタッチでどれだけ変わるかを知りたい
空を撮ってみたのはいいけれど…ネットで見るようなキレイな写真にならない…。
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レタッチのワークフロー(作業手順)を知りたい
カメラ付属のレタッチソフトでできる範囲で、天体写真をよりキレイにレタッチするための一連の作業手順のガイドです。これさえ読めば、貴方の写真が1ランクアップすること間違いなし!
ヒストグラムについて知りたい
あんまり小難しいことを考えなくても写真を撮ることはできます。しかし、「光」を扱う写真では、基本的な知識が少しだけあるだけで、さまざまな技術の取得がとても楽になります。その中の一つが「ヒストグラム」。ぜひ知っておきたいレタッチの知識を解説しています!
もっと本格的にやってみたい!
天体写真、楽しい!!星空最高!!
すっかりこの世界にハマってきた貴方に。さらに奥深い沼に沈んでみませんか?!赤道儀や天体望遠鏡、さらに本格的な機材と使い方のガイドはこちら!
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実はお手軽に触れることができる宇宙の世界をご紹介しています。
まとめ
いかがでしたか?
夏は夜でも暖かく、濃い天の川が見やすいので星空入門・天体撮影入門に最適なシーズンです。「天体撮影のトリセツ」で、ぜひ貴方も星空の世界を楽しんでみませんか?!
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日本唯一の?天文ファンのための全方位キュレーションサイト/その編集長。 天文ファン500万人化を目指して日々絶賛情報発信中。五感で感じる星空体験がモットー。天文宇宙検定2級。夢はベテルギウスの超新星爆発を見届けること。