被写体の明るさの単位、EV値
ここでEV値について簡単にお話しておきましょう。
EV値とは「シャッター速度」「絞り値」「ISO 感度」と関係なく、被写体の絶対的な明るさを表すための指標。
「絞りF1.0、感度ISO100、露出時間1秒」で適正露出になる明るさを0EVとして、露出が何段分違うかを数字で表したものです。
星空撮影では主に2EVから-10EVくらいの範囲の明るさの被写体が対象になります。
この範囲を含む「ISO3200」の場合のEV値を、絞り値・シャッター速度ごとに表にしたのが上の図。
星空撮影の適正露出は?
星空の適正露出は、条件によって背景の明るさが大きく違うため、一概に正解というものはないのですが、簡単なガイドラインを作ってみました。
この表をめやすに、+3段から-3段くらいまで、露出を変えて何枚も撮ってみることをオススメします。
デジタルの写真は、何枚撮っても余計なお金はかかりません。とにかくたくさん撮って試してみることが、上達のポイントです。
まとめ
いかがでしたか。簡単なようで難しい「露出」。とても暗い被写体を対象にする天体撮影では、「マニュアル露出」で撮ることは避けて通ることができません。
カメラの「シャッター速度」「絞り値」「ISO感度」の3つの設定を、すばやく変更できるようにふだんから練習しておくことが大事です。
そんなときに役に立つのがトリセツです。お手持ちのカメラを登録して、使用説明書を調べて「マニュアル露出」のやりかたをマスターしておきましょう。
次回からは月のある風景の撮影方法を2回に分けて徹底ガイドします。 夕焼けや朝焼けの空に浮かぶ月は、星空ほどは暗くないので、ある程度カメラ任せでも撮ることができ、初めての方に最適な被写体です。 お楽しみに!
【連載】天体撮影のトリセツ
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日本唯一の?天文ファンのための全方位キュレーションサイト/その編集長。 天文ファン500万人化を目指して日々絶賛情報発信中。五感で感じる星空体験がモットー。天文宇宙検定2級。夢はベテルギウスの超新星爆発を見届けること。