この違いがわかるか!?【Webサイズ編】
EOS Kiss M + キットレンズ
トップバッターはEOS Kiss M。
撮影はカメラを三脚に固定しただけの30秒露出のお手軽撮影。「赤道儀」は使用していません。
撮影した場所は福岡県中部の山間地。条件がよければ普通に天の川が見える、九州の平均レベルの撮影地です。
今回は若干もやっぽくて今一つの条件だったのですが、それでも低い位置にある夏の天の川をはっきりとらえることができました。
天体改造EOS6D + 単焦点24mmF1.4
こちらはフルサイズのEOS 6Dで。Kiss Mと比較して星が少し小さい(シャープ)ことがわかるでしょうか。天の川のモクモクも、よりディテールが豊かです。
でも…この違いがわかるのは、それなりの経験者だけでしょう。
スマホの画面では、「画質」という意味では差はほとんど見られないのではないでしょうか。
違いを感じるのは主に「天体改造」による天の川の色の違い、特に点在する「赤いボツボツ(散光星雲)」の色でしょう。
ノーマルEOS 5DMarkIII + 単焦点24mmF1.4
天体改造していないノーマルのフルサイズEOS5D MarkIIIの場合。こちらは色味がKiss Mとほとんど同じ。
PC画面なら、星のシャープさや天の川のディテール、シャドウのノイズの乗り方が明らかに違うことがわかりますが、それでも少し目を離して「Web鑑賞距離」にしてみると、差はわからないかもしれません。
この違いは…わかる!【等倍拡大編】
EOS Kiss M + キットレンズ
今度は等倍拡大です。
こちらはEOS Kiss M。Web画質ではわからなかったシャドウのノイズが実はかなり大きかったことがわかります。
30秒露出なので星が流れているのは仕方ないのですが、周辺部の流れ方がややいびつ。これはレンズの「収差」のせい。
天体改造EOS6D + 単焦点24mmF1.4
こちらはフルサイズのEOS 6D。
星の色は豊かでシャープ、シャドウのノイズも少ない。確かに違いますね。
いや、相当に違いますね。。でも、これが一緒だったら困りますよ…。
この理由は主に2つ。ひとつはレンズの明るさ。もうひとつはセンサーの面積です。
使用したレンズの明るさを表す「F値」は3.5と2.8。2/3段、1.6倍ほど違います。センサーの面積の違いは2倍ほど。合わせて約3.2倍の総光量の差があるのです。
限界的に暗い被写体を撮る天体撮影の場合、センサーの性能が全く同じなら(実際のところ、ほとんど変わらないはずです)、画質は総光量で限界が決まってしまいます。物理的なこの違いからは逃れることはできないのです。
でも、考えてほしいも2つあります。一つは価格差。このセットの場合、ざっくり「3倍」ほど違います。
もうひとつは、この違いは拡大しないと感じられないということ。大サイズのプリントにすると歴然とした違いがあるのですが、SNSにアップしてカジュアルに楽しむ範囲なら大きな違いは感じられないことでしょう。
その上で、どちらを選ぶか。それはあなたの楽しみ方次第なのです。
日本唯一の?天文ファンのための全方位キュレーションサイト/その編集長。 天文ファン500万人化を目指して日々絶賛情報発信中。五感で感じる星空体験がモットー。天文宇宙検定2級。夢はベテルギウスの超新星爆発を見届けること。