【新連載】天体撮影のトリセツ【第一回】

天体撮影の魅力

2017.08.09
トリセツ編集部/山口千宗

天体撮影の魅力

肉眼ではほとんど色がわからない暗闇でしたが、カメラの眼で見ればこの通り。|
24mmF2.2 15秒 ISO1600 パノラマ合成
肉眼ではほとんど色がわからない暗闇でしたが、カメラの眼で見ればこの通り。
24mmF2.2 15秒 ISO1600 パノラマ合成

肉眼で見る満天の星の美しさは筆舌に尽くしがたいもの。
でも、実は人間の眼は、暗い光の色や細かな形を認識するのが苦手。
カメラの眼を通して見ることで、また別の星空の美しさが浮かび上がってきます。
肉眼では気がつかなかった、さまざまな光が織りなす、鮮やかな色彩のある世界をとらえることができるのです。

波照間島の旅での出会い。雲間からの南十字星。|
24mmF2.2 30秒 ISO3200
波照間島の旅での出会い。雲間からの南十字星。
24mmF2.2 30秒 ISO3200

星空の体験は、あなたにとってのメモリアル。
旅で出会った見知らぬ場所や見慣れたはずの日常の場所での星空体験。それは世界でたったひとつの自分だけの思い出をもたらしてくれるに違いありません。
そんな思い出を、カメラを使えば記録に残すことができます。それが大事な家族・恋人・友人と共にしたものであれば、なお一層の思い出となるでしょう。


天体撮影のいろいろな楽しみかた3選

「天体撮影」にはいろいろなジャンルがあります。
お手軽なものから、星のよく見える場所までお出かけして撮るもの、より本格的な機材を使うものまでさまざま。
それらを簡単に3つご紹介しましょう。


1、天体のある夜景の撮影

博多湾の明けの明星とおうし座のアルデバラン(右上)|
換算24mm(M4/3) F5 25秒 ISO200
博多湾の明けの明星とおうし座のアルデバラン(右上)
換算24mm(M4/3) F5 25秒 ISO200

都会や市街地では、なかなか本当に美しい星空に出会うことができません。
でも美しい夜景や、鮮やかな夕焼け・朝焼けはきっと誰もが目にしているはず。
「天体撮影」というとなんだか難しそうですが、一番お手軽でカンタンな撮影は天体のある夜景の撮影なんです。

空の青色と夕焼けの赤色が少し残ったいわゆるマジックアワーが一番のオススメ。
街灯りや空の光に埋もれないくらい明るい、お月様や惑星、明るい一等星が空の一カ所に集まる時期が狙い目です。


2、天の川の撮影

左から、夏・秋・冬の天の川|
24mm F2.5 30秒 ISO3200
左から、夏・秋・冬の天の川
24mm F2.5 30秒 ISO3200

星空撮影の一番人気は、なんといっても天の川の撮影。
星がよく見える場所まで出かけなければなりませんが、降るような星空の下で天の川を撮影できたその日から、あなたはもう星空の虜です。
実は天の川の撮影には、特別な機材はほぼ不要。カメラと三脚だけでも撮ることができるのです。


3、天体望遠鏡を使った撮影

左から、いっかくじゅう座ばら星雲、おおぐま座M81とM82、オリオン大星雲|
口径106mm焦点距離380mm天体望遠鏡、APS-Cデジタル一眼、ISO1600、赤道儀使用
左から、いっかくじゅう座ばら星雲、おおぐま座M81とM82、オリオン大星雲
口径106mm焦点距離380mm天体望遠鏡、APS-Cデジタル一眼、ISO1600、赤道儀使用

天体望遠鏡や長めの望遠レンズがあれば、さらに世界が広がります。
いろいろな専門的な機材と知識が必要になってきますが、写真だけでとらえることのできるこの世界は、一度とりつかれると抜け出せないほどの魅力があります。
人間の眼ではほとんどとらえることのできない、星空のさらに奥深くにある宇宙の神秘の姿を撮ることも、多くの天文ファンを惹きつけている世界です。

左から、火星、木星、土星|
口径203mm天体望遠鏡、M4/3デジタル一眼で撮影した動画より処理、赤道儀使用
左から、火星、木星、土星
口径203mm天体望遠鏡、M4/3デジタル一眼で撮影した動画より処理、赤道儀使用

私たちの住んでいる地球のお隣の月、地球の兄弟ともいえる惑星たち。
地球とは全く成り立ちの違う惑星は、想像を超えた神秘の世界。
これらも専門的になりますが、天体望遠鏡さえあれば、デジタルカメラやスマホで動画を撮影しそれを専用のソフトウェアで処理することで、このような画像を撮影することができます。



山口千宗
【天文リフレクションズ/山口千宗】

日本唯一の?天文ファンのための全方位キュレーションサイト/その編集長。 天文ファン500万人化を目指して日々絶賛情報発信中。五感で感じる星空体験がモットー。天文宇宙検定2級。夢はベテルギウスの超新星爆発を見届けること。