【連載】天体撮影のトリセツ【第八回】

レタッチで変わる天体写真

2017.10.22
トリセツ編集部/山口千宗

目に見えないものを撮る、深宇宙の撮影

オリオン座のバーナードループ|
EOS6D 85mmF2.8 ISO3200 2分(-9EV) 赤道儀で追尾撮影|
福岡県東峰村
オリオン座のバーナードループ
EOS6D 85mmF2.8 ISO3200 2分(-9EV) 赤道儀で追尾撮影
福岡県東峰村

最後に、いわゆる「天文マニア」のやっている世界をご紹介しましょう。
この分野は「星野写真」または「深宇宙(Deep Sky Object)写真」と呼ばれるものですが、目では見えない宇宙の姿をカメラの力を借りることで、とことんあぶりだそうというものです。

その特徴はコンポジットという手法。何枚も何枚も撮影した画像をソフトウェアで「重ね合わせる」ことで、街灯りやノイズに埋もれたわずかな光をあぶり出そうというものです。 詳しいことは全部略しますが^^;; 天体撮影のレタッチの奥深い沼の世界をごらんください

みずがめ座の惑星状星雲、NGC7293。星の一生の最晩年。|
α7S 530mmF5 ISO3200 30秒 (-5.33EV) 赤道儀で追尾撮影|
福岡県福岡市
みずがめ座の惑星状星雲、NGC7293。星の一生の最晩年。
α7S 530mmF5 ISO3200 30秒 (-5.33EV) 赤道儀で追尾撮影
福岡県福岡市

もうひとつ。 デジタルのレタッチ技術を駆使すれば、都会のど真ん中でも宇宙の神秘がこのとおり。
Before画像は「なんじゃい、これ?!」レベルなのですが、70枚の画像をコンポジットしてレタッチすればこの通り。
ここまでくると変態的なマニアの世界ですが、自宅のベランダからこんな宇宙の姿が撮れるなんて、すごくありませんか?!

まとめ

いかがでしたか? 今やデジタルの写真の出来ばえは、良くも悪くも、撮影そのものよりも撮影後のレタッチで決まってしまうほどになってきています。
なんでもかんでもコテコテで盛り盛りの写真を撮ればよい、というものでは決してありませんが、天体撮影でのレタッチの重要性を実感していただく意味で、今回ビフォー・アフターをフルコースでご紹介しました。

とはいえ、レタッチ技術は間口も奥も深い世界、実戦的な方法をお話しする前に、次回は少し回り道です。
次回第九回では、天体写真に限らず写真のレタッチをする上で絶対に必要になる「ヒストグラム」について徹底解説します!

今回ご紹介した作例の右上にあるグラフが「ヒストグラム」。次回の解説をお読みいただければ、これが意味するものがきっと分かるようになるはずです。お楽しみに!

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    すべてにリプライさせていただきたいと思います!



山口千宗
【天文リフレクションズ/山口千宗】

日本唯一の?天文ファンのための全方位キュレーションサイト/その編集長。 天文ファン500万人化を目指して日々絶賛情報発信中。五感で感じる星空体験がモットー。天文宇宙検定2級。夢はベテルギウスの超新星爆発を見届けること。