【連載】天体撮影のトリセツ【第五回】

天体撮影の機材

2017.09.24
トリセツ編集部/山口千宗

カメラとレンズでどのくらい違うの?

夏の大三角と天の川。|左:EM-5 +12-50mmキットレンズ 右:EOS5DMarkIII+シグマ24mmF1.4
夏の大三角と天の川。
左:EM-5 +12-50mmキットレンズ 右:EOS5DMarkIII+シグマ24mmF1.4

実際問題、カメラとレンズでどう違ってくるのでしょうか。

上の写真は、同じ日に撮影した天の川です。露出時間は同じ。
左はセンサーサイズが小さい1世代前のM4/3で、レンズもやや暗いキットズーム。
右はフルサイズ一眼に明るい高性能の単焦点レンズ。お値段も重さも2倍以上違うカメラです。

どちらが好きですか?
専門的には明らかに右の方がノイズが少なく細かなところまで解像しています。ガチ勝負にはなりません。
でも、左も星空らしくて悪くないと思いませんか?

たかが機材、されど機材。手持ちの機材の良さを生かして活用することが、一番幸せになれます^^

天体撮影の必須アイテム・三脚

星空を撮るためには、カメラのシャッターを数秒〜数十秒開けっ放しにしなくてはなりませんので、ぶらさずに撮影するための三脚は必須のアイテムです。

筆者が使用している主力の三脚。|地上に柵などの障害物がある場合はある程度高さがあるものが便利です。
筆者が使用している主力の三脚。
地上に柵などの障害物がある場合はある程度高さがあるものが便利です。

天体撮影用には、頑丈である程度の高さ(自分の背丈くらい)まで伸ばせるものが理想ですが、お値段と取り回し(重量)との兼ね合いになります。
天体撮影の場合、最低でも耐荷重1.5キロ以上、できれば耐荷重2.5キロ以上のものを選びたいものです。

耐荷重5kg、重量2kg。アルミ製でやや重いですがコスパの高い三脚です。
VANGUARD 三脚 Alta+ 263AP 3段 中型 3ウェイ雲台 アルミ製
ASIN B002CZORRS

このスペックなら安いものなら5000円くらいからありますが、アルミ三脚なら2万円出せばかなりしっかりしたものが手に入ります。
カーボン三脚は同じ強度ならより軽量になり持ち運びには便利なのですが、お値段がずっと高く(ざっくり倍以上)になるのが悩ましいところ。

カメラ側の三脚ネジ穴

カメラを三脚に固定するためには、カメラ側に三脚ネジ穴が必要です。一部のコンデジやスマホ以外はたいてい付いているのですが、念のため確認しておきましょう


ちなみに・・・三脚なしでも撮れないことはありません。 車のボンネット・ベンチのイス・石柱など、安定した場所にカメラを置いて、ぶれないようにセルフタイマーで撮るのです。 でも微妙な構図調整は難しいので、緊急避難的な使用法です^^


そのほかの小道具

撮影に必用な小道具

カメラ・レンズ・三脚があればとりあえず撮影はできますが、そのほかにもぜひ準備したい・あると便利な小道具をご紹介しましょう。 これらについては、必要になった時点で揃えていきましょう。

赤色点灯モードのライト

星空を撮るのは夜。星がよく見える郊外の場合、周辺はかなり暗いです。
カメラを操作するにも安全のためにも、足元・手元を照らすライトは必須。
スマホ内蔵の「懐中電灯」で代用できなくもないのですが、頭に装着して両手が自由になるタイプが便利です。

また、明るすぎるライトは、暗闇に慣れた眼を刺激してしまうだけでなく、同じように星空を楽しみに来た人たちの邪魔になってしまいます。
暗闇に眼が慣れれば、かなり弱い光でもカメラの操作はできるものです。明るすぎない、眼に優しい「赤色」点灯モードのあるものを準備しましょう。

アプリ・ビクセン・ナイトビジョンライト
赤色モードのライトがない場合は、このスマホアプリが便利です。
画面が赤く光るだけのものですが、光量調整もできてなかなか使えます。

やや高価ですが、天体望遠鏡メーカーの作った光量調整可能な、眼に優しい赤色モードの付いた本格的なヘッドランプ。

リモコンシャッター

シャッターを押す際にカメラがぶれないように、リモコンでシャッターを切るアイテムです。
前回お話しした「2秒セルフタイマー」を使用すれば特に必須ではないのですが、連続撮影・インターバル撮影もできるリモコンはあると便利です。
純正品よりもずっと安い中華製もいろいろ出ています。

予備電池

1〜2時間のお手軽撮影であれば電池の予備はなくてもだいじょうぶですが、寒い時期や遠出しての撮影の場合は予備電池を持参するのが無難です。
最近の中華製サードベンダー製品はUSB充電器付属のものがあり、非常時にはモバイルバッテリから充電できるので便利です。

ヒーター

昼夜の温度差の大きな春・秋など、夜露の降りやすい時期にはレンズに夜露が付いてしまいます。
レンズに夜露が付くと星がぼやけて滲んで写ってしまい、撮影どころではなくなってしまいます。
しかも、一度夜露が付き始めると、拭き取っても拭き取っても、くもりが取れることはほぼありません。

夜露が付かないようにする対策は、ヒータ・カイロなどでレンズをほんの少し暖めること。
上の写真のような専用のUSB給電型ヒーターも販売されていますが、厳冬期でなければ「使い捨てカイロ」をレンズに巻くのが一番簡単な対策です。
服に貼り付けられるようなシール型になっているものがおすすめ。

こちらは少しお値段は張りますが、天体望遠鏡メーカー製の露よけヒーター。

双眼鏡

直接写真撮影とは関係ないのですが、小型の双眼鏡が一つあると星空やお月様などをさらに楽しむことができます。 安いものは数千円程度から入手できるので、まずは無理のない価格の軽めのものを選ぶと良いでしょう。



山口千宗
【天文リフレクションズ/山口千宗】

日本唯一の?天文ファンのための全方位キュレーションサイト/その編集長。 天文ファン500万人化を目指して日々絶賛情報発信中。五感で感じる星空体験がモットー。天文宇宙検定2級。夢はベテルギウスの超新星爆発を見届けること。