【第二章】天体撮影のトリセツ【第五回】

天体望遠鏡が欲しい(2)選び方 (3/3)

2018.05.20
トリセツ編集部/山口千宗

さらに「本格的」に天体望遠鏡を楽しむ(ご予算10万円前後)

もっと予算があるので、もっといいものが欲しい。そんなあなたは何を選べばいいか?実は「その上」になると、急に選択が難しくなってきます。

実際のところ、5万円以上になってくると「定番」というべき天体望遠鏡はとても少ないのが現状。使う側にどの程度の経験があるかや、何が主目的なのかによっても選択肢が変わってきます。また「セット品」での販売が少なく、自分で架台・鏡筒・付属品をセレクトする必要も出てきます。

そこで今回はある程度の前提をおいて、目的別のスペシャルコースをピックアップしてみました。

もっとよく見える望遠鏡を!EDレンズ仕様

ポルタII
架台は定評あるビクセンの「ポルタII」。
EDレンズ使用の口径80mm屈折望遠鏡のセット品です。

シュミット SWポルタIIセット BKED80鏡筒+ビクセン ポルタII経緯台

※本文内の価格情報は2018年5月15日時点でのアストロ&バードショップシュミットの価格です。



※リンク先の「アストロ&バードショップシュミット」は秋葉原近くの天体望遠鏡・双眼鏡・バードウォッチング機材の専門ショップです。

カメラファンにとっては高級望遠レンズに採用されている「EDレンズ」はおなじみのことでしょう。天体望遠鏡でも「EDレンズ」を使用することで、飛躍的に性能を高めることができます。

ご紹介するこのセットは、入門機としての簡単な操作性はそのままに、鏡筒をEDレンズ使用の高性能なものにしたショップオリジナルのセット品です。お値段は税抜およそ9万円と若干張りますが、光学性能は圧倒的に向上しています。

筆者も最近これとおなじもので見る機会がありましたが、たいへんコスパの高い高性能な望遠鏡です。

ただし、接眼レンズが1個しか付属しないので買い足しが必要。1万円前後で手頃なものが手に入ります。


望遠レンズとしても使える天体望遠鏡

BORG
BORG(ボーグ)の製品は各パーツがシステム化されていて、多彩な組み合わせが楽しめるのが特徴。
俗に「ボーグ沼」と呼ばれることも。

BORG 55FL天体フルセット 6156

BORG 55FL天体フルセット 6156 販売価格:162,900円

※本文内の価格情報は2018年5月15日時点でのamazonの価格です。




BORG(ボーグ)ブランドは、天体望遠鏡としても、バードウォッチング用の望遠鏡「デジスコ」としても有名。ご紹介するこの望遠鏡は、口径55mmの「フローライト(蛍石)」レンズを使用した高性能・小型軽量タイプ(総重量2.5kg)で、実売税抜12万円弱。

口径と倍率はやや小さいですが、別売のカメラアダプタを使用すれば高性能な望遠レンズとしても使用できます。高倍率で惑星を見るような用途にはあまり向いていませんが、マニア心をくすぐる独自の世界を築いています。


天体写真を撮りたい!自動追尾赤道儀

ボーグ

スカイウォッチャー EQ3 GOTO赤道儀+BKP130鏡筒セット

※リンク先の「スコーピオ」は名古屋市内の天体望遠鏡専門ショップです。



宇宙の彼方にあるさまざまな天体を写真におさめる。そのためには本格的な「赤道儀」が必要になってきます。赤道儀があれば、目的の天体を自動的にモーターで追尾して、長時間の露出も可能になります。

ご紹介する望遠鏡は、そんな目的のためのコスパ重視のシステム。実売税込11.5万円。「自動追尾」が可能な赤道儀と、小型の「ニュートン式反射望遠鏡」のセット品。コンピュータ制御での対象の「自動導入」も可能になっています。

使いこなすには、機械の調整や操作・天体の知識・デジタル写真の画像処理の知識など、さまざまなノウハウと経験が必要になってきますが、どっぷりと天体写真の世界に足を踏み入れる「入り口」ともいえるシステムです。


最新の電子技術・WiFi+スマホで自動導入

口径は6インチ(150mm)と大きく、80mmクラスとは一線を画す見え方です。
さらに大口径の製品もラインナップされています。

セレストロン NexStar Evolution 6 CE12090

※本文内の価格情報は2018年5月15日時点でのamazonの価格です。


天体望遠鏡を使う上で一番難しいのが対象の導入。ご紹介するこの望遠鏡は、その操作をコンピュータによる制御で自動で行ってくれます。しかもWiFiで接続したタブレットやスマホから操作が可能。

別売のオプション「スターセンス・オートアライン」を追加すれば設置も全て自動。鏡筒は実績のある「シュミットカセグレン式」。大口径の望遠鏡を高いコスパで実現しています。

税抜実売20万円弱と若干お値段は張りますが、最新の電子技術が詰まった製品です。



専門ショップを訪ねてみよう

さまざまな天体望遠鏡ショップ。
大小様々な天体望遠鏡を取りそろえた天文ファンの聖地です。

天体望遠鏡を購入して「本格的に」初めてみたい方にぜひオススメしたいことがあります。それは、まず専門ショップに足を運んでみること。どのくらい大きいのか?どのくらい重いのか?どんなバリエーションがあるのか?実際にモノを自分の眼で見るまでわからないことがたくさんあります。

現在「天文リフレクションズ」では全国の天体望遠鏡ショップの訪問記事を連載しています。こちらもぜひ参照してみてくださいね!



まとめ

いかがでしたか?

「コンデジよりも安い」1万円から、高級デジタル一眼カメラが買える20万円くらいまでで、オススメの天体望遠鏡をご紹介してみました。ここでご紹介した以外にも、世の中には様々な天体望遠鏡があります。

この記事をお読みになって「よし!天体望遠鏡を買ってみようか!」という気持ちになられたら、ぜひお近くの天体望遠鏡ショップか家電量販店の天体望遠鏡売り場をのぞいてみてください。また、ハッシュタグ「#天体撮影のトリセツ」でご質問いただくのも大歓迎です!

次回は、天体望遠鏡の世界を疑似体験していただけるような「使い方」についてお話しする予定です。

お楽しみに

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山口千宗
【天文リフレクションズ/山口千宗】

日本唯一の?天文ファンのための全方位キュレーションサイト/その編集長。 天文ファン500万人化を目指して日々絶賛情報発信中。五感で感じる星空体験がモットー。天文宇宙検定2級。夢はベテルギウスの超新星爆発を見届けること。