いろいろなポータブル赤道儀
では、そんな「ポータブル赤道儀」にはどんなものがあるのでしょうか。
代表的な製品をいくつかご紹介しましょう。
ビクセン 星空雲台ポラリエ
操作は非常にシンプル。カメラボディのような形状はカメラバッグへの収まりもよく、赤道儀デビューにはイチオシの製品です。筆者も愛用しています。
※写真中のカメラ、三脚、雲台などは別売です。
ケンコー スカイメモT
スマホの専用アプリで操作する製品。「極軸望遠鏡」を内蔵し正確なセッティングが可能になっています。
※写真中のカメラ、三脚、雲台などは別売です
サイトロンジャパン NEW nano.tracker AS0005
400gと小型軽量。お求めやすい価格で追尾精度には定評があります。
※写真中のカメラ、三脚、雲台などは別売です。
「赤道儀」が必要になる分かれ目
「赤道儀がないと星は撮影できない」というわけではありません。最近のデジタルカメラは高感度なので、三脚に固定するだけでも、それなりに星空は撮影できます。そこで、どのぐらいの露出時間までなら赤道儀がなくても撮影できるのかを表にしてみました。
上の表で「遠目なら流れない」という「0.05mm」のずれ量は、ざっくりいってWeb画面で画像全体を見たときに流れがほぼわからないくらいの量です。
24mmの焦点距離なら約30秒まで。
これより長い時間露出したい場合には、赤道儀が必要になります。
また、焦点距離に比例してずれ量は大きくなります。「遠目なら流れない」基準でも、100mmの望遠レンズの場合はたった7秒の露出時間が限界。7秒ではさすがに暗い星空の撮影には無理があります。
望遠レンズを使いたいなら赤道儀はほぼ必須といえるでしょう。
「どこまでの流れをよしとするか」は、撮影の目的や撮影者の意図によっても変わってきます。画像を等倍に拡大しても流れないようにするには、もっと基準が厳しくなります。
上の表で「流れない」という「0.01mm」のずれ量は、センサーの画素2個分以下(フルサイズ2000万画素のカメラの場合)。24mmの広角レンズの場合でも、たった6秒しか露出をかけられないことになります。
まとめ
いかがでしたか?
赤道儀を使った撮影はこれまでマニアだけの世界でしたが、手軽に使用できる「ポータブル赤道儀」の登場でしきいが大きく下がりました。ポータブル赤道儀でさらに一歩進んだ星空の撮影にチャレンジしてみませんか?
次回は「ポータブル赤道儀」を使った星空撮影の実際と使用テクニックを解説する予定です。お楽しみに!
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日本唯一の?天文ファンのための全方位キュレーションサイト/その編集長。 天文ファン500万人化を目指して日々絶賛情報発信中。五感で感じる星空体験がモットー。天文宇宙検定2級。夢はベテルギウスの超新星爆発を見届けること。