【カメラメーカーのトリセツ】オリンパス編

PENとOM-Dでミラーレス一眼市場を開拓したオリンパス (1/2)

2019.02.24
トリセツ編集部/荻窪圭
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オリンパスといえば「マイクロフォーサーズ」。

オリンパスはいち早く主力モデルをミラーレス一眼にシフトし、PENとOM-Dの2つのシリーズでミラーレス一眼界を引っ張ってきました。

なぜPENとOM-Dなのか、なぜいち早くミラーレス一眼にシフトできたのか、2019年に創業100周年を迎えたオリンパスの歴史から見ていきましょう。

オリンパスの歴史

はじまりは「高千穂製作所」でした。大正8年(1919年)、顕微鏡の国産化を目指して設立した会社です。

そして1921年、商標として「オリンパス」が登録されました。海外で事業を展開するにあたり、高千穂は日本神話における天孫降臨の山であり、世界で神々の山といえばギリシャ神話のオリンポス山だ、ということで「オリンパス」と名づけられたそうです。

ちなみにオリンパスのレンズは「Zuiko」と名づけられていますが、これは「瑞光」のローマ字表記。「高千穂」や「瑞光」など歴史ある言葉がベースになっています。

最初のカメラは1948年の「オリンパス35I」。その翌年、社名を「オリンパス光学工業」としました。

オリンパスのカメラを一躍有名にしたのは、1959年に発売したハーフサイズコンパクトの「ペン」です。安くてコンパクトなカメラとして大ヒットしました。また、1963年にはレンズ交換式にした「ペン F」が誕生します。ペンシリーズは1981年まで続きました。

1972年には最初の一眼レフ「M-1」が発売されました。その後、M型ライカと名前が似ているということでライカからクレームがあり、OM-1に名前が変わっています。

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左はOLYMPUS PEN EED(1967年発売)、右はOLYMPUS M-1(1972年発売)。

このOM-1は世界最小最軽量を旗印に登場し、その使いやすさや携帯性から大ヒット。

その後、OM-2、OM-3、OM-4と進化しましたが、残念ながらAF化の波に乗り遅れてしまいました。

AF一眼レフとして新たに登場したのが1990年誕生のL-1。ただし、これは「レンズ一体型の一眼レフ」というユニークなカメラでした。一眼レフだけどレンズ交換ができなかったのですね。そのかわりズームレンズを搭載し、1台で何でもこなせるカメラとして話題になりました。

実はオリンパス最初のデジタル一眼レフもレンズ一体型。1997年のC-1400Lです。

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OLYMPUS C-1400 XL(1998年発売)。X-1400 Lの後継機。こう見えて一眼レフ。

まあ、この辺を一眼レフに加えると話がややこしくなるので、一般に「一眼レフ」といったときは「レンズ交換式一眼レフ」を指すわけですが、実はレンズ一体型の一眼レフもあるのです。

でも世の中的には「レンズ交換式一眼レフ」が求められていました。オリンパスは「OM」シリーズを持っていましたが、AF対応できてなかったので、そのままデジタル化してもダメ。

じゃあ新しいデジタル一眼レフならではの規格を作ろうということで、「コダック」と「オリンパス」が2002年に提唱したのが「フォーサーズ」です。今は「マイクロフォーサーズ」として知られてますが、「一眼レフ」用の「フォーサーズ」規格から始まったのですね。

「フォーサーズ」は「4/3」という意味。センサーサイズが「4/3インチ」であるところから来ています。

それが2003年です。他社の一眼レフより一回り小さなセンサーを使ったコンパクトで機動力が高いデジタルならではの一眼レフが作れるということでしたが、初代のE-1はけっこう大きくて本格的なカメラでした。

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2003年6月。OLYMPUS E-1発表会より。

フォーサーズには過去のしがらみがなく、フットワークの軽さもあったため、きちんと「規格化」され、複数のメーカーが賛同しました。

そのひとつがパナソニックで、実はパナソニックからも「フォーサーズ」の「デジタル一眼レフ」が出ています。

そして次世代を踏まえ、2008年に誕生したのがフォーサーズをミラーレス化した「マイクロフォーサーズ規格」です(「マイクロフォーサーズ」では長すぎるので、「MFT」や「m43」という略称も使われます)。

世界最初のミラーレス一眼がパナソニックから登場したのが2008年。その翌年にはオリンパスから「PEN E-P1」が登場しました。

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2009年6月。PEN E-P1発表会にて。宮崎あおいが手に持っているのがE-P1。
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E-P1には「Since 1959」と初代PENが発売された年が刻まれています。

かつての大ヒットシリーズ「PEN」の名を冠しての登場です。

これが宮崎あおいのCMもあいまって大ヒットし、ミラーレス一眼のトップメーカーに躍り出ます。

そして2012年にはファインダー(EVF)を搭載し、往年の一眼レフのようにファインダー部がとんがったトラディショナルデザインのミラーレス一眼を出します。こちらは往年のヒットシリーズOMの名を冠し「OM-D E-M5」と名づけられました。

OMシリーズがOM-4で終わっていたので、その次ということで「E-M5なのか?」と発表会で質問したのを覚えています。

かくして、オリンパスのミラーレス一眼は上面がフラットでコンパクトなPENシリーズと、一眼レフ風デザインのOM-Dシリーズの2本立てで展開しています。

どちらも初代モデルから強力なボディ内手ブレ補正機構を搭載し、手ブレ補正に関しては今でもナンバーワンといっていいでしょう。







マウント別にマイクロフォーサーズのラインナップを整理

一眼レフのフォーサーズはもう終了していますから、現行のマイクロフォーサーズのみのシンプルな表です。

その代わり、オリンパスとパナソニックの両方を入れておきました。

パナソニックのミラーレス一眼とパナソニックのミラーレス一眼(2019年に登場するSシリーズを除く)はどちらも同じマイクロフォーサーズ規格で、互いに互換性があるからです。オリンパスのカメラにパナソニックのレンズを付けることも、その逆も問題なくできます。

オリンパスとパナソニック以外にも、特に動画分野でマイクロフォーサーズマウントを採用している製品はありますがそれについては一般的なカメラとは異なるので割愛。

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ただし、オリンパスとパナソニックでは違いもあります。

ズームレンズの回転方向が逆です。オリンパスとパナソニックの両社のズームレンズを使いたい人は戸惑うでしょう。

両社とも、ボディ内手ブレ補正とレンズ内手ブレ補正を組み合わせてより強力な手ブレ補正を実現する機構(オリンパスは「シンクロ手ブレ補正」、パナソニックは「Dual I.S.」と呼んでいます)を開発していますが、これに互換性はありません。レンズとボディを連動させて手ブレ補正を使いたいときは、同じメーカーのレンズとボディを組み合わせる必要があります。この点は留意したいところです。




荻窪圭
【デジカメライター 荻窪圭】

老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。