M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
まずは中望遠の45mmF1.2から。
このクラスのレンズを使うとき、やはり被写体がふわっと際立つことと、背景がいかにきれいにボケるかが大事になります。ボケが汚いとそっちに目がいっちゃいますから。
しかもF1.2で撮ると、フォーカスの合う範囲が極端に狭くなるので、ピンポイントでフォーカスを合わせることになりますから、フォーカスが合ったところから滑らかにボケていってくれないと不自然な写真になっちゃいます。
そういう目でこちらを。
ぐぐっと寄って撮ってみました。よく見ると手前の目にしかフォーカスが合っていません。右目はすでにぼけているのがわかります。このくらいシビアになります。 単なる顔検出機能では間に合わないので、オリンパスのカメラは「瞳検出」で手前側の目にフォーカスを合わせてくれます。
そしてフォーカスが合っているところから徐々にぼけていっているのがわかります。すごくきれいで滑らかにぼけています。
この「ボケ味」がこのレンズのウリ。単に大口径なだけではありません。
日本人が「ボケ」にこだわるので「ボケ」がそのまま英単語「bokeh」になったくらい。
もうひとつ、ボケで重要なのが「光」。点光源がボケると大きな光の玉になります。これはきれいに出るとすごく印象的な写真を撮れます。
まずはクリスマスツリーの金色の玉にフォーカスを合わせてみました。背景のイルミネーションがふわっと大きな光の玉になってすごくきれいです。
普通、35mmフィルム換算で90mmとなると最短撮影距離が長くなるものですが、このレンズなら50cm(イメージセンサーの位置から50cm)まで寄れます。
もうひとつ、イルミネーションを背景にボカしつつ紅葉をアップで撮ってみました。
風が吹いていたので葉が揺れてすごく幻想的になっていますが、この幻想さをフォローするのが背景のボケ。中央付近の光(遠くのイルミネーション)がキレイに丸くぼけてます。「丸ボケ」といってきれいにふわっと丸くぼけるのはそのレンズの良さです。
マイクロフォーサーズでもこのレンズならすごくキレイなボケを楽しめます。予想以上にきれいにボケてくれるので、今までは撮れなかった写真も撮れます。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。