【CP+2019レポート:第3回】オリンパス・シグマ・その他編 (3/3)

2019.03.17
トリセツ編集部/荻窪圭

ZマウントにEマウントレンズを装着するコンバーター?

各社のマウントアダプターを取り扱うK&F CONCEPTと焦点工房のブース。オールドレンズをミラーレス一眼で使う人には超お馴染みの会社ですが、そのブースの一角に製品を展示しているTECHART社がやってくれました。

なんと、ニコンのZマウントにソニーのEマウント用レンズを装着できるアダプター「TZE-01」。AFも効きます。

普通、ミラーレス一眼同士はマウントアダプターを入れるスペースがなくてアダプターを作るのは不可能なのですが、Zマウントのマウント系は55mmでEマウントは46mm、マウントとセンサーの距離を示すフランジバックはZマウントが16mmでEマウントは18mm。厚みで2mm、直径で9mmの余裕があるわけです。

にしても、よく作りました。

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試作品のマウントコンバーター。これをつけると……
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なんとニコンのZ 6/Z 7でソニーのレンズを使えました。
AFも動作しています。

試作品ではありましたが、触らせてもらったらきちんと動作していました。

2019年6月発売予定だそうです。まだ純正レンズが少ないZマウントシリーズで豊富なEマウントのレンズを使えるってすごいことです。

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たいへん意欲的なTZE-01。Zシリーズのマウント系が大きい故に可能な製品。
この狭いところでよく作ったなと思います。

時代はCFカードからCFexpress 2.0へ

記録メディアについても新しい動きが。

デジカメのメディアといえば、SDカードが主流で、ハイエンドの一眼レフはCFカードが採用されてきた中、ニコンはZシリーズでXQDカードを採用。パナソニックのS1もデュアルスロットの片方はXQDとなっています。

なぜXQDか。勝算はあるのか。

実は、次世代のCFカードである「CFexpress 2.0」で、メディアの規格XQDカードと同じになり、互換性が出てくるのです。

ニコンもパナソニックも、ファームウェアアップデートでCFexpress 2.0へ対応予定となっています。

その試作品がレキサーブースで展示されていました。

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レキサーブースにて、CFexpressの解説パネル。

CFexpressはType AからCまで3種類のサイズがあり、真ん中のType BがXQD互換となります。一番小さいType AがSDカードのライバルになるかどうかは不明ですが、Type Bに関してはハイエンド機の主流になりそうです。

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左がXQD、右がCFexpress 2.0 Type B。
カードサイズやデザインはまったく同じ。

CFexpressの良さは転送の速さ。もともとデータ転送が高速なXQDカードより更に速くなります。たとえば、XQDの時点で、撮影した写真をパソコンに吸い上げる速度が体感レベルで超高速になっているので、大量に撮影して処理をする現代のカメラマン、4K動画を撮影するクリエイターなど高速メディアが必要な人たちに朗報です。

三脚の1本がはずれて一脚になる2in1トラベル三脚登場

撮影用品として欠かせない三脚。ベルボン、SIRUI、スリック、バンガードなどいくつものブランドがブースを出していましたが、注目は最大手のマンフロット。正しくいえば、ヴァイテックイメージング社のブースで、その下にマンフロット、ジッツォ、さらにゴリラポッドで有名なJOBYが連なっています。

マンフロットで目に付いたのは、befreeの2in1モデル。

携帯性にすぐれたトラベル三脚ながら作りがしっかりしているため実用性が高いと大人気のシリーズですが、その「2in1」は3本ある脚のうち、1本をはずして一脚として使えるという代物。

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マンフロットの2in1 before

三脚を使うか一脚を使うか現地で判断できますし、一脚だけが必要な時は脚を1本だけはずして持って行けばOKですし、三脚として普通に使ってももちろんOK。1台2役を地で行く製品です。

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3本の脚の内、1本は着脱可能になっている。

これは最強の「最初に買うべき三脚」といえるかも。

befreeは初期モデルを使っていますが、毎年改良されラインナップが増える大ヒットシリーズになっていて何よりです。

目標の7万人にはわずかに届かず

他にも交換レンズメーカー、プリンター、モニター、撮影用品、ストロボなどの照明系など、非常にたくさんのブースが出ていました。主なものだけしか紹介できませんでしたが、全体としてこんな感じでした。

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交換レンズメーカー「タムロン」ブースで見つけた「レンズの花園へようこそ」吹き出し。

で、第1回の冒頭で書いた「目標7万人」は到達できたのでしょうか。

CP+発表による登録来場者数は4日間の合計で「69,615人」。

ちなみにこれは「登録来場者数」で、延べ人数ではないことに注意。ひとりの人が4日通ったとしても「1人」として数えていますから、会場での感覚としてはもっと大勢いた感じはします。

ともあれ、7万人にはわずかに届かず、残念でした。

ちなみに、2018年は68,111人、2017年は66,665人でしたから、スマートフォンに押されてカメラは売れていないと言われがちな昨今ですが、CP+の来場者は徐々に増えています。

2020年は2月27日から3月1日まで、同じくパシフィコ横浜で開催されます。お楽しみに。



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TZE-01
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荻窪圭
【デジカメライター 荻窪圭】

老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。