解説:デジカメライター 荻窪圭
ギュイーン:CP+2018、富士フイルムブースです。こちらはX-H1というカメラですよね?
荻窪:はい、とうとうXシリーズに手ブレ補正がつきました。動画にも強いということで、新機軸として注目です。
ギュイーン:じゃあ、いってみましょう。
ギュイーン:CP+2018、富士フイルムブースにやってきました。新製品X-H1についてお話をうかがっていきます。よろしくお願いします。こちらのカメラは、どういったカメラなんでしょうか?
富士フイルム担当者:一番の大きな特徴は富士フイルムとして、初めてボディ内に手ブレ補正を入れました。
荻窪:キター!
富士フイルム担当者:皆さんからご要望が多かったんですが、なかなか満足できる画質でボディ内手ブレ補正を入れるのは難しいんですね。どうしてもセンサーを動かすことによって画質が落ちちゃうんですが、それを最小限に抑えるために長い時間をかけて技術開発しました。
それが、ようやくできました。画質を落とすことなくボディ内手ブレ補正を実現しました。それが一番の大きな特徴です。それと手ブレ補正が入っていますので、動画に強くなっています。
富士フイルム担当者:また、それに合わせまして、エテルナという新しいフイルムシミュレーションモードを入れました。私どもは、フイルムの色を再現することをデジタルカメラでやっておりまして、静止画ではベルビア、プロビア、アスティア等、かつてのリバーサルフィルムのシミュレーションモードを入れていたんですが、今度のエテルナは映画のフイルムを再現しました。
映画というのは1時間、2時間見ますので、あまり色が強すぎたり、コントラストが強すぎるとちょっと疲れてしまうということで、色彩度抑えめ、階調が柔らかい、これが特徴です。勿論静止画でもハイライトが柔らかく、シャドーが柔らかいので、今までとは違った表現ができるかと思います。
ギュイーン:手ブレ補正は、動画撮影中によく効くんですよね?
富士フイルム担当者:はい。そうです。
ギュイーン:他社製のカメラだと、「手ブレ補正が効きます」といっても動画モードの時には、ちょっと効きが悪くなったりということがありガッカリしてきたんですが、動画ユーザーにターゲットを絞ってきたんですか?
富士フイルム担当者:そうですね。かなり大きな面で動画の方に使っていただきたいなと思っています。今回の発表にあたって、多くのビデオグラファーさんにこのカメラを使っていただきました。その方々からボディ内手ブレ補正が凄いねと。
このカメラの良さは、エテルナも含めて、このカメラひとつだけで作品ができてしまう点です。後々のカラーグレーディングもなし、スタビライザーもなし、これだけで完結するというのが良さなんです。実際に使っていただいたビデオグラファーさんの声なので、間違いないと思います。
ギュイーン:では、組み合わせて使うレンズはどんなものがよいでしょうか?
富士フイルム担当者:そうですね、私どもで一番使っていただきたいのが16-55mmのレンズです。F2.8通しですので、ビデオグラファーさんにはちょうどいいかなと思っています。あとは単焦点レンズ。単焦点レンズは非常に自信をもって作っています。単焦点レンズの表現も動画などに使っていただきたいです。
荻窪:スチル系の新機能はどうですか?触ってみてシャッターがすごいと思ったんですけど。
富士フイルム担当者:先ほどご説明したエテルナをスチルでも使えます。あと全体的にがっちりしまして、最近増えてきた大きいレンズをつけても持ちやすくなったということで安定感が増しました。
それとシャッター。今まで「トグルスイッチ」だったのですが、今度は「ばね」タイプにしまして、自然な金属の弾力で押せるような感じです。シャッター半押しまでいって、そのまま押し込むとシャッターが切れるという感触のいいシャッターにしてあります。この深さをサービスステーションで後々変更することもできます。もう少し深くしたいとか、もうちょっと浅いほうがいいなというのも、お好みで調整できます。
荻窪:プロ向けですよね。撮った時にシャッターのショックがすごい少ない。それが感心したんです。
富士フイルム担当者:先ほどの手ブレ補正と同じで、手ブレ補正はセンサーを動かしますので、センサーを動かすときにシャッターに振動があってはいけないということで、ショックアブソーバーもきちっと作っております。
荻窪:個人的には露出補正ダイヤルがあったほうがよかったかなぁって気もするんですけれども。
富士フイルム担当者:そこは使われる方によって賛否両論です。
富士フイルム担当者:モニターのほうは通常のように上下のほかに、縦方向にも開きますので、スチルの方でローアングルの撮影とか、縦位置を撮るときとかは便利です。
富士フイルム担当者:外部レコーディングはこちらにHDMIの端子がありますので、こちらからLogデータを出力することも可能となっております。
ギュイーン:なるほど。ちょっといいなぁ。
荻窪:普通に街とかで楽しく写真撮る人はX-T2で、「ちょっと過酷な現場行くぜ」っていう人にはこっちかなってイメージ?
富士フイルム担当者:そうですね。ボディも今までより、2倍くらい強度を高くしていますので、そういったヘビーデューティーな使い方もしていただけると思います。
荻窪:どんなヘビーなとこ行って、無茶な姿勢で、崖から落ちそうになっても、手振れしない写真が撮れるみたいな(笑)。
ギュイーン:ちょっとその手ブレ補正の効きを、見せていただきたいんですが。
ギュイーン:一眼レフやミラーレスで映像を撮るには、ハンドヘルドで撮れるというのはすごく有利なんですよ。ストラップを首にかけて、こうやって固定して、これが…。いいね、いい。いい。
荻窪:あ、キレイ!滑らか!
ギュイーン:これが驚異のボディ内手ブレ補正。手持ちスライダーですね。素晴らしい。素晴らしい。ハンドヘルドでこれだけ撮れたら問題ないですね。 更に、映画用のフイルムの色が出るわけでしょ?最高じゃないですかこれ。すてきな笑顔を向けていただいて。いやぁ、いいですね!
富士フイルム担当者:おほめていただいて嬉しいです。
荻窪:お忙しいところありがとうございました。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。
トリセツ編集部 編集長。トリセツの広報としてプロモーション業務とメディア運営を手がける。また各方面でプロモーション、デザイン等の業務に携わっている。
2011年「ビデオデザイナー」を名乗り、YouTubeに動画投稿開始。歯に衣着せぬ関西弁のレビューとクオリティの高い編集が人気を呼ぶ。2015年、YouTube動画を通じて松岡宏行と出会いスイスイ株式会社の動画マーケティングディレクタに就任。