E-M1Xは手持ちハイレゾショットがすごい
さらに、処理の速さを利用したすごい機能がつきました。
E-M1 Mark IIでは「ハイレゾショット」といって、手ブレ補正機構を使って微妙にセンサーをずらしながら複数枚撮影して合成することで「5000万画素相当」の写真を撮る機能がついていたのですが、E-M1Xではそれがさらに進化して、「手持ちハイレゾショット」が可能になったのです。
これはですね、連写するとどれだけ頑張っても人の手は微妙にブレることを利用した機能。電子シャッターを使って超高速連写を行い、それらのわずかな位置ずれを利用する合成方法で高解像度な写真を作る機能です。
で、撮ったのがこちら。たまたま若いゴイサギがじっとしていてくれたので、手持ちハイレゾショットで撮ってみたら、見事に「8160×6120」という超高画素な写真を作ってくれたのです。
でもまあこれだとわからないので、等倍表示して通常撮影時のカットと比べてみました。
300mmF4の手持ちでこれを撮れちゃうのですからおそろしい。風で動いた葉がちょっと不自然だったりしますが、そんなことどうでもいいくらい。ISO2500という高感度で(ちょいと暗かったもので)、5000万画素でこれだけディテールまでちゃんと撮れているのです。
左が通常の撮影。右がハイレゾショット。等倍で見るとこれだけ違います。ハイレゾショットは画素数が上がった上に、ディテールもしっかり出ています。
他にも連写プラス合成技として、従来の「ライブコンポジット」(連写+比較明合成で花火や車のテールランプなどをリアルタイムで確認しながらきれいに撮る)に加え、「ライブND」(NDフィルターをかけたときのような効果を連写+合成で作る)が搭載されました。
さらにE-M1 Xの特徴に「頑丈」ってのがありまして、もともとOM-Dのハイエンド機は防塵防滴は当たり前、豪雨の中もなんのその、という点で非常に信頼性が高いカメラだったのですが、E-M1 Xはさらに進化。
水が浸入しやすいメディアスロットもしっかり蓋が止まるようになりました。
水中で撮れるわけではないのですが、そうだな、たとえば海辺で撮影すると知らず知らずのうちに塩混じりの風でカメラに大敵の塩分が張り付いちゃうのですが、それを水洗いで落とせるレベルといっていいかと思います。
レビュー用に借りたカメラにシャワーを浴びせるのはちょっと憚られるので、テストはしていませんが。
縦位置グリップ一体型のデザインも、外付けのグリップよりも防塵防滴性能を高められるので、はじめから一つにしたと考えるといいでしょう。
そんな過酷な屋外環境に耐えうるフィールドワークのカメラですから、GPSも搭載しています。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。