E-M1Xはマニュアルが立ってすごい
と、E-M1 Xの超絶なところを望遠中心で見てきました。
ここからは普通にカメラとしてチェックしましょう。
ボディは約997g。つまり、ほぼ1kg。
ちなみにフルサイズセンサーのパナソニック DC-S1が約1017gです。
ですが、縦位置グリップがつき、バッテリーも2個内蔵した重さです。バッテリーを2個搭載すると、撮影可能枚数は約870枚(CIPA基準)ですから、ミラーレス一眼としては十二分な持ちといえます。
操作系はE-M1 Mark IIを継承していますが、ボディが大きい分配置できるボタンが増えました。ISO感度やWBに専用ボタンがつくなど、ハイエンド機ならではの操作を実現しています。
グリップ部のISOボタンと背面のWBボタンはうれしいですよね。
さらに、マルチスティック(要するにAF枠を動かすためのスティック)がつき、操作性はよくなりました。
個人的には、ドライブモードやAFモードに専用のレバーを割り当てて、すばやく変更できるようにして欲しかったと思いますが、E-M1系に慣れている人には問題ないでしょう。
縦位置で構えるとこんな感じ。顔が完全に隠れちゃってます。
モニタはバリアングル式でタッチパネル搭載。
バリアングルなので自撮りもできますが
「まあこれで自撮りする人はいないよね」
「いや重いけど重量バランスがいいので意外とイケますよ」
というので撮ったのがこちら。
えっと、まあ、あまりそういう使い方をする人はいないでしょうが。
このときにつけていたレンズが、12-200mm F3.5-6.3というカジュアル系の高倍率ズーム。24-400mm相当で撮れる割に軽くてお買い得な便利レンズです。E-M1XよりはE-M10やPENにおすすめのレンズです。
さて、縦位置グリップがあると、ちょっと持ちかえるだけで安定した縦位置撮影ができるのはありがたいところ。
縦位置+バリアングルモニタでガクアジサイをローアングルで狙ったのがこちら。
シャッタースピードはメカシャッターで1/8000秒、電子シャッターだと1/32000秒まで上げられます。
ISO感度は200から25600まで。
ISO4000でもこんな感じですから、被写体にもよりますがけっこう使えます。
前述したように手ぶれ補正も強力ですから、暗いときはシチュエーションに応じて、手ぶれ補正を活かしてISO感度を落とすか、被写体ブレを防ぐためにISO感度を上げるか、柔軟に対応したいところです。
いっそ、「手ぶれ補正がんばれISOオート」と「被写体ブレしたくないISOオート」が選べるとよいですね。
撮影機能は豊富ですが、撮影時の細かい設定はOKボタンを押すと出てくるこのメニューで。ここでタッチパネルを使って項目を選ぶこともできます。細かく調整できるので便利。
またカスタマイズ機能も豊富。
よく使う機能はボタンに割り当てておきましょう。できることが多すぎて、どのボタンに何を割り当てたか忘れちゃうのが難点です。
なにしろプロ向けなので、それぞれのプロが自分好みのセッティング、画作り、使い勝手を実現できるようカスタマイズの幅が多いのです。
なにしろ、久しぶりに「立つマニュアル」を見ましたもの。
こんなに分厚いマニュアルを持ち歩くのは大変なので、そんなときこそ「トリセツ」をどうぞ(ってここで宣伝してもアレですが)。
まあプロ向けの速くて速くて頑丈なカメラで、特に望遠系に強い(望遠になるほどレンズをコンパクトにできるマイクロフォーサーズが有利になりますから、ボディが大きくても機材全部を合わせるとそうでもないのです)ので、万人向けではありませんが、プロにもユーザーが多いE-M1のフラッグシップとしてこういうカメラも必要なのです。
過酷な現場で撮影する人はぜひ。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。