シングルカメラでここまでできる!
Pixel 3の特徴は、突出したハードウェアを持たなくてもソフトウェアが賢くなることでスマートフォンは進化していきますよ、と見せてくれるところ。
その代表がカメラです。
見ての通り、デュアルカメラ全盛期においてシングルカメラでの登場となりましたが、これが賢いのです。
ポートレートモードにすると背景をぼかした写真を撮ってくれるのですが、それのできがかなりいい。
Pixel 3は背景をぼかした写真とそうじゃない元写真の両方を残してくれるので、これらを比べてみましょう。
シングルカメラとは思えないクオリティできれいに背景だけぼけてます。AIが被写体を判断して前景と背景をうまく分けているおかげです。
メインカメラはシングルですが、インカメラはデュアル。
インカメラ時は「友達と撮りたい」「自分と背景を一緒に撮りたい」というニーズがあるため、超広角カメラと広角カメラの2つを使い分けられるのです。
シンプルかつニーズをしっかり捉えたカメラ機能といっていいでしょう。
もちろん、背景をぼかすのは人物以外でもOK。タップしたところにフォーカスが合います。
もうひとつ、夜景モードにも注目。
手動で夜景モードにしなければならないのは残念ですが、夜景モードを使うと複数枚連写してきれいに合成することで、ハイライトが飛びづらくシャドウもつぶれにくいダイナミックレンジが広い夜景を撮ってくれます。
シングルカメラでも賢い処理をすることで高画質な写真を撮れるというのがポイントです。
また、画像を解析して何が写っているか調べたり、文字を読み取る「Google Lens」も搭載。
今はカメラから「その他」を選ぶ必要がありますが、将来はもっと自然に使えるようになっていくでしょう。
ARを使った「Playground」機能も注目。
写真にキャラクターを被せるのですが、ちゃんと画像にあったサイズ、位置、明るさでキャラクターを自然に置いてくれます。
「使う人に優しく」は最近のスマートフォンに求められるもの。
Pixel 3は暗くなると自動的に「読書灯」モードに。輝度を落として画面を少し赤っぽくすることで、寝る前に薄明かりの場所で使うとき見やすくしてくれます。また、Digital Wellbeing機能も搭載。どのアプリをどのくらいの時間使ったかなどを確認することができ、使いすぎないよう注意してくれます。
おサイフケータイ機能も日本で使うスマートフォンとしては欠かせないところでしょう。
ひとつひとつの機能や性能という面で突出しているわけではありませんが、全体のまとまりの良さや使いやすさはさすがGoogle。
当然、Googleのクラウドサービス(Googleフォトへのバックアップ、Googleドライブ、Googleアシスタント、GoogleドキュメントやGoogleカレンダーなど)との相性も抜群ですから、Googleサービスを日常的に使っている人にもオススメ。
Pixel 3が表しているのはGoogleが考えるイマドキのスマートフォンの雛型であり、使い勝手面でも性能面でも安心して使える「最新のOSを搭載したベーシックだけど高性能な端末」、あるいは「多機能ではないけど高機能な端末」といっていいかもしれません。
※本文内の価格情報は2019年1月17日時点でのGoogleストアの価格です。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。