【連載】カメラのトリセツ〜基礎から理解するカメラ講座〜【第2回】

35mmフィルム換算ってなに?

2017.09.03
トリセツ編集部/荻窪圭

マイクロフォーサーズとAPS-Cサイズと35mmフルサイズの関係

「35mmフィルム換算」の焦点距離をより意識しなければならないのは、コンパクトデジカメよりもレンズ交換式カメラ(いわゆるデジタル一眼)でレンズを選ぶときでしょう。
今、デジタル一眼として使われているイメージセンサーのサイズは、次の3つが主流です。
ひとつは35mmフルサイズ。35mmフィルムと同じサイズのセンサーなので、35mmフィルム換算をしなくてもOkです。 ふたつめは、デジタル一眼としてもっとも普及している「APS-Cサイズ」のセンサーです。

フルサイズとAPS-Cの比較
左が35mmフルサイズ、右がAPS-Cサイズのセンサーです。面積で約半分になります。

APS-Cという名前も今となっては元の意味を知らない人の方が多いでしょう。
APSというのは1996年に登場した、35mmフィルムより一回り小さな新しいフィルムの規格です。 実はこの規格、短命に終わりました。普及する前に、カメラがデジタル化してしまったからですね。 でも当初のデジタル一眼レフで使われたセンサーサイズがAPS規格のCサイズに非常に近かったので、APS-Cサイズとして名前だけ残ったのです。

マイクロフォーサーズはデジタル一眼の新しい規格として策定されたサイズで、オリンパスとパナソニックが採用しています。 APS-Cよりさらに一回り小さな4/3型センサーを採用しています(だからフォーサーズ)。

フルサイズとマイクロフォーサーズの比較
左が35mmフルサイズ、右がマイクロフォーサーズのセンサーです。

APS-Cサイズの場合、レンズの焦点距離の約1.5倍(キヤノンの場合はちょっとセンサーが小さいので約1.6倍)が35mmフィルム換算の焦点距離になります。
マイクロフォーサーズの場合はレンズの焦点距離の2倍が35mmフィルム換算の焦点距離になります。
たとえば、35mmフルサイズの24mmと、APS-Cサイズなら約16mm、マイクロフォーサーズなら12mmが「同じ画角」となります。

フィルム時代のレンズ
フィルム時代の24mmのレンズ。24mmと書いてあります。


先ほどと同じようにスペック表から見てみましょう。 まずはニコンのAPS-Cサイズセンサー用のレンズです。ニコンはAPS-CサイズセンサーをDXフォーマット、35mmフルサイズのセンサーをFXフォーマットと呼んでます。 焦点距離16-80mmのズームレンズですが、35mm判換算で24-120mmの画角に相当すると書いてあります。

ニコンの16-80mm F2.8-4.0 DXのレンズスペック
ニコンの16-80mm F2.8-4.0 DXのレンズスペック

続いて、マイクロフォーサーズのレンズです。パナソニックの12-60mmレンズですが、35mm判換算で24-120mmと書いてあります。

フィルム時代のレンズ
パナソニックのLEICA 12-60mm F2.8-4.0のレンズスペック

35mmフィルムの24-120mmと同じ画角のズームレンズを使いたい場合、APS-Cサイズセンサーのカメラでは16-80mmのレンズを、 マイクロフォーサーズセンサーのカメラでは12-60mmのレンズを使えばOkというわけです。

フィルム時代のレンズ
マイクロフォーサーズの12-60mmのレンズ(LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.)です。 レンズにしっかり「12-60」と書いてあります。

ちなみに、35mmフィルムカメラの世界では焦点距離50mm前後を標準、24〜35mmくらいを広角、74mm〜120mmくらいを中望遠と呼んでます。
24〜120mm(APS-Cサイズのカメラなら16〜80mm、マイクロフォーサーズなら12〜60mm)のズームレンズは広角から中望遠まで1本で済ますことができるため、1本あると非常に重宝します。


  • ・APS-Cサイズのレンズの画角は35mmフィルム換算で約1.5倍になる。
  • ・マイクロフォーサーズのレンズの画角は35mmフィルム換算で約2倍になる。


荻窪圭
【デジカメライター 荻窪圭】

老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。