実は野鳥を撮るのも好きな荻窪圭です。ガチな野鳥撮影って「鳥貴族」といわれるくらい、機材がすごいのですよ。
500mmの望遠レンズにハイエンドのデジタル一眼に500mmの重いレンズをのっけてもビクともしない頑丈な三脚。
ちなみにキヤノンのEF500mm F4Lは100万円しますから。重さもレンズだけで3kg。シグマの500mm F4でも希望小売価格で80万円。そういう人はフラッグシップクラスの一眼レフを使ってたりしますから、三脚や他のレンズも込みで200万円コースだったりするわけです。
まあそこまでお金をかけないなら選択肢は広がります。F値が多少暗くてもOKなズームレンズになると、シグマの150-600mm F5-6.3のContemporaryラインが希望小売価格15万円とぐっと安く買えます。重さは1.9kg。
でもそこまでのガチ撮影組じゃない人、そこまでの体力と資力を尽くさなくても気楽に楽しみたい人におすすめなのがCOOLPIX P950。普通のコンパクトデジカメなのですが全然コンパクトじゃないのがウリ。何しろ1kgありますから。下手なミラーレス一眼よりデカい。
でもレンズがすごい。ボディのほとんどはレンズが占めてそうな太くて大きなレンズは、35mm判換算で24-2000mmの84倍ズーム。2000mm相当ですから超望遠どころじゃないわけです。まあ、イメージセンサーは1/2.3型と普及型コンパクトと同じものなので画質的にはデジタル一眼には及ぶべくもないわけですが、レンズ一体型で実売価格10万円以下で83倍ズームの超絶望遠を楽しめるというだけで価値があります。
では83倍ズームを堪能してみましょう。
基本はファインダーを覗いての撮影。上位機種(こっちは125倍ズーム!)やエントリーのミラーレス一眼と同等の0.39型で約236万ドットの有機ELパネルを搭載したEVFはなかなか見やすいですし、グリップもしっかりしているのでデジタル一眼のつもりでしっかり構えて撮ります。
広角端は24mm相当。こんな感じです。サイクリングロードを撮っているようなもんですね。
これを普通の超望遠クラスである400mm相当にすると。
さらに2000mm相当の望遠端までいくと、ここまで寄れます。脅威ですな。
レンズのF値は広角端でF2.8、望遠端でF6.5。イメージセンサーが小さいので感度を上げるとノイズは増えますから明るい昼間の撮影がおすすめ。
面白いのでこれを持って渋谷スクランブルスクエアの屋上へ上ってみました。そこから広角で見た東京タワーです。
ちょっとずつ望遠にしてみましょう。
すごい!
距離にして4km近く離れている上に、大都会なので空気が揺らいでいてピシッとは撮れませんが、このサイズは驚異的。
今度は新宿方面を見てみましょう。
原宿駅がここまでドアップに。しかも超望遠になると圧縮効果といって遠近感がなくなっていくのも楽しめます。
※本文内の価格情報は編集部調べの参考価格です。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。