コントローラーを握りしめ、ラジコンレースに熱中したあなた。
おもちゃのロボットやプラモデルが本当に動き出さないか、夢想したあなた。
そんな少年時代を過ごしたあなたが大人になった時、自分で動かして遊べる戦車型のロボットが出たと聞いて、買わない選択肢はあるでしょうか。
筆者の主人は、かつてお小遣いをせっせとタミヤに課金していました。そして大人になった今、大人買いしてしまったのです。中国・民生用ドローンの最大手メーカーDJIから、2019年6月12日に発表・発売された、戦車型ロボットRoboMasterS1を。
「面白そうだろ!」と、RoboMasterS1の紹介動画 を見せられた時、「確かに面白そうだけれど…税込64,800円?!高すぎるよ」と反対しました。けれど主人はこう言い募るのです。
「DJIというドローンの最大手のメーカーが、満を持して出す新製品が、ドローンじゃなくて戦車型のロボットなんだよ。これだけでも期待値が高いだろ。それに、これは教育用の学習キットなんだよ。自分で組み立てることでロボット工学を体験できるし、Scratch対応だからプログラミングをかじることもできる。子どもにとっても、間違いなくいいよ」
主人はデバイスエンジニアなので、妙に説得力があります。2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されることもあり、ロボット教室やプログラミング教室は、今や小学生に人気の高い習い事です。小学生の娘や幼稚園児の息子が、こうした習い事のかわりに、家庭で学べて楽しめるなら…と、購入に踏み切りました。
さて、実際はどうだったのでしょう。さっそくレビューをしてみましょう。
組み立て時間は、約2時間30分!46個のパーツを組み立てるモジュラー設計
まず届いた箱の大きさにビックリしました。想像よりも大きい…!そして大小合わせて46ものパーツに分かれています。(ネジなど細かいパーツは含まず)主人は、設計図の書かれた説明書に目を通しながら言いました。
「これは…時間かかるぞ」
そして黙々と一人で作り始めました。子どもと組み立てるんじゃないんかーい!内心突っ込みましたが、さすがに4歳・6歳の子どもは、足手まといになるのでしょう。ある程度のところまで説明書の通りに組み立てていき、パーツを設置してネジで留めるといった簡単な作業になってから、子どもが参加しました。おそらく小学校高学年以上であれば、最初から親子で組み立てられると思います。
また、組み立て方を紹介する動画 もあるので、腕に自信がない方は、動画を見ながらチャレンジしてもよさそうです。
組み立てている中で、特に面白い構造だったのが、タイヤ部分です。1つのホイールに対し、12本のメカナムホイールローラーを取り付けることにより、前進・後退・旋回はもちろん、一般的なラジコンでは不可能な横移動も可能に。全方向移動を実現しました。
ちなみに速度は、前進で3.5m/秒、後退で2.5m/秒、横移動で2.8m/秒。プログラム教育で使われるロボットと比較すると、圧倒的な速さで、機動性も抜群です。
またRoboMasterS1の上部には、AIやプログラム、映像処理などを同時にサポートするインテリジェントコントローラーと、FPVカメラを搭載しています。FPVとは、ドローンの空撮ではお馴染みの、一人称視点機能のこと。カメラで撮影した映像を、スマホやタブレットでリアルタイムに見ることができます。
カメラにmicroSDカードを挿入すると、写真とフルHD: 1920×1080 30pの動画を撮影可能。microSDカードを使わない場合も、HD: 1280x720 30pの動画を撮影できます。
またカメラの下部には、ゲル弾や赤外線ビームを発射するブラスターを搭載。バトルモードでRoboMasterS1を楽しむ際に、ゲル弾の発射音や反動で臨場感を演出します。ちなみに、ゲル弾は安全性を重視し、無毒性のものを使用。数ミリの粒状ものを4時間以上水に浸してBB弾サイズになったものを、ブラスター内に装填して発射します。
こうして組み立てていくこと、約2時間30分。自分の手でゼロから構築することに、達成感がありますね。わが家の場合は、途中で子どもが参加したので、完成までに多少時間がかかりましたが、慣れている人であれば、もっと短時間で組み立てられるでしょう。
そして完成して、あらためて実感しました。日本のリビングで遊ぶには、大きすぎることに。RoboMasterS1の大きさは、幅240×奥行320×高270mm、重さは約3.3kg。
購入するまで気づかなかったのですが、通常のラジコンが屋外の未舗装路でも遊べるのに対し、RoboMasterS1は基本的に屋内使用もしくは、屋外でも舗装路が推奨されています。わが家のリビングで走らせてみたのですが、ソファーや家具にぶつかりそうでヒヤヒヤ…。そこで友人マンションの広い共有スペースをお借りして、走らせてみることにしました。
※本文内の価格情報は2019年8月15日時点でのAmazon.co.jpの価格です。
主婦目線でコスパのいい家電探しが大好きなアラサー。家電屋の近くを通りかかると店内に吸い込まれがち。好奇心旺盛で、新作はとりあえず触ってみたい人。