操作感が一番良かったのは?
操作感となると個人差が大きいわけで、その人はどんな撮影モードで撮ることが多いのか、どんな被写体をメインに撮るのか、などなどで変わってくるので個人的な感想だと思ってください。
グリップして構えたときの感触やボタン・ダイヤル周りの使い勝手で一番印象がよかったのはニコンのZとパナソニックのS。
ニコンのZ 6/Z 7は小ぶりですが、グリップはほどよい深さで握りやすく、ボタンやダイヤル類も(マウント脇のFnボタンが押しづらい以外は)非常によくできていて、ストレスなく操作できました。
パナソニックのS1/S1Rも好印象でした。
これはもうボタンがめちゃたくさんあるのですが、配置がよく考えられているので、わかっちゃえばすごく使いやすいのでした。
パナソニックはこのクラスのカメラを作るのははじめてですが、なんだかんだいってミラーレス一眼を10年作ってきた蓄積が機能や使い勝手に感じられます。
逆に、初心者向きの親切さではキヤノンのEOS RPですね。これはEOS Kissの上位モデルか?と思ったくらいでした。たいていの作業はモニタ+タッチパネルでできてしまいます。
AFと連写性能で選ぶと?
デジタルカメラの速さってAF速度や連写速度に加えて、操作時のレスポンスや再生の速さなど、さまざまなところに影響しますが、とりあえずAF性能と連写性能を見ましょう。
まあこれはソニーのα9の圧勝ですね。さすがスピードモンスター。
もともと速かったのですが、2019年春のアップデートで「リアルタイムトラッキングAF」にも対応。夏には動物瞳AFにも対応する予定ですし。
さらに、α9だけの高速なCMOSセンサーによって電子シャッター時の歪みも少なく、最高1/32000秒のシャッタースピードでサイレント撮影ができるとか、最大秒20コマでAF追従連写をしてくれるとか、速さが必要な撮影をしたい人にはピカイチの性能です。これはすごい。安くはないですけどね。これぞミラーレス一眼、ってカメラです。
続いてニコン Z 6の秒12コマです。
AFといえばパナソニックのS1/S1Rの「人体・動物認識」AFも要注目です。これはよくできています。
ちなみに、α7IIIとα7RIIIはすでに4月のファームウェアアップデートで動物瞳AFに対応済みです。
AF速度や追従性能ではα9ですが、暗所でのAFではキヤノンのEOS Rに軍配が上がります。
非常に暗い場所で撮ろうとすると、他社のカメラがAFに時間がかかったり迷ったりする中、EOS R/RPはさっと合います。
都市部の夜や灯りの付いた室内くらいならどのカメラでもよいでしょうが、さらに暗い場所(それこそ街灯が少ない夜の公園とか)だと優秀です。さすがデュアルピクセルCMOSセンサーですね。
画質重視で選ぶと?
今回、4000万画素以上のモデルは3台。やはりこれらの画質はワンランク上です。ディテール描写にも優れてます。
実際に撮影してみて「これはすごいかも」と感じたのは、パナソニックのLUMIX S1Rです。絶景を撮るのが目的ならこれがよいかと。
次いで、ニコンのZ 7とソニーのα7RIIIでしょうか。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。