EOS Rレンズ編 - 最初の2本が素晴らしいチョイスです
さて、肝心の画質やレンズの話へといきましょう。
イメージセンサーはいうまでもなく35mmフルサイズ。画素数は3030万画素で5D Mark IVとほぼ同じ。残念ながら、ボディ内手ブレ補正システムはありません。今、ミラーレス一眼のトレンドはボディ内手ブレ補正に向かっているだけに残念です。
最初に用意されたレンズは4本。レンズキットはありませんから、EOS R用のRFレンズを使う方はどれかを選ぶことになるでしょう。
そのうち2本は30万円超えですから、一般人は「RFマウントならこんなすごいレンズも作れますよ」的な見せ球と思っていいでしょう。1本は50mmF1.2の超明るい単焦点、1本は28-70mながら全域F2のとんでもないレンズです。今回は50mmF1.2を使ってみました。
30万円越えの標準レンズ「RF50mm F1.2 L USM」
F1.2という大口径だけあって50mmなのに太い!
でも大口径なので背景がよくボケますし、暗いところでもOKです。
ごちゃっとした部屋の中で撮っても絞り開放なら背景が大きくぼけます。大きなボケは百難隠すといいますし(いわないけど)。
30万円を超えますのでそうそう買えるものではありませんが。
これ1本でたいていOKな標準ズーム「RF24-105mm F4 L IS USM」
キヤノンが優れているのは残り2本の普通のレンズ。
1本は標準ズームといっていい「24-105mm F4」です。今の標準ズームのトレンドをよくわかっている使い勝手がいいレンジです。
とりあえず、これ1本あれば普通の人は足りてしまうでしょう、というレベルです。
広角と望遠でこんな感じ。
ズーム全域でF4ですから、絞り優先AEも使いやすく安定した写りを期待できます。
フルサイズ用望遠ズームの割に寄れるのもいいところ。こんなカットもさっと撮れます。
太めのレンズで価格もそれなりにしますが、EOS Rにふさわしい万能レンズといえましょう。最初にこのレンズを持ってきたキヤノンはえらい。
マクロもいける最強スナップレンズ「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」
4本目のレンズは、これもまた超オススメです。
35mm F1.8という単焦点レンズですが、なんと「マクロレンズ」。正確にいえば「ハーフマクロ」といって、本格的なマクロレンズほど大きくは撮れませんが、実用上は十分です。
このくらい寄れます。
これだけ大きく撮れれば困らないでしょう。
F1.8でマクロ撮影すると、ピントの合う範囲が狭すぎて(ほんとに紙1枚レベル)、ほんのちょっとしか合わないというおそろしいことになります。
普通、マクロ撮影時はF4から8くらいに絞って使いますが、今回は「F1.8でもハーフマクロ撮影ができますよ」という例として。
ちょっとしたスナップにもOK。
キヤノンがうまいのは、価格や携帯性より性能を誇る2本のレンズで「ミラーレス機ならこんなレンズも作れるんだよ」と見せておきつつ、実際に買えそうなレンズには超便利なズームレンズと、スナップスナップからテーブルフォトまでこなす35mmのマクロレンズというの実用的な2本を用意したこと。
実際、この2本があればそれだけでしばらく戦えます。
他のレンズも使いたい、という人は当面はレンズアダプターを介してEFレンズを使いましょう。
EFレンズは超実用的なコントロールリング付マウントアダプターで
キヤノンの超豊富なEFレンズはEFマウントアダプターを介して利用することができます。
ちなみに、キヤノンからは「EOS M」というAPS-Cサイズセンサーを使ったミラーレス一眼が出ていますが、こちらとEOS Rのレンズの互換性は「まったくありません」。ちょっとややこしいですが、そういうものだと思ってください。
EOS Rで使えるのは一眼レフEOS用のEF/EF-Sレンズです。
EOS RでEFレンズを使うためのマウントアダプターは4種類出ていますが、オススメはコントロールリング付。
Fレンズには新たに「コントロールリング」という機構がついたのですが、このマウントアダプターにはそのリングがついているのです。簡単にいえば「EOS R用レンズにしかない新機能を、一眼レフEOS用の古いレンズでも使える」ってことです。
今回はハイエンドの望遠ズーム「EF70-200mm F2.8L IS III USM」をつけてみました。
このレンズをつけて撮ったのは……実は猫だけなんですが、さすがの写り。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。