ソニー、ニコンに続いて、カメラ界の巨人キヤノンから登場したフルサイズミラーレス一眼「EOS R」。みんなが気になる「EOS R」です。
新しいマウントのカメラですから、ボディ編とレンズ編にわけて、それぞれの特徴をみていきましょう。
EOS Rボディ編 - EOS Rはどんな人に向いている?
「EOS R」はキヤノン初の「フルサイズミラーレス一眼」。
そのボディはソニーのαやニコンのZに比べると少々大きめ。その代わりグリップはしっかりしています。大きすぎず小さすぎず重すぎず軽すぎずというカメラとしてほどよいサイズ感です。
また、丸みを帯びたファインダー部のでっぱりとグリップ部の強く傾斜したシャッターボタン、グリップ上と背面の2つの電子ダイヤルは、誰が見ても「EOS」だよねというデザインを継承しています。
一方、全体の操作系は、一眼レフをベースとしながらもミラーレスらしいテイスト(特に同社のEOS M5)が強く出ています。
撮影モードダイヤルはありません。MODEボタンを押して後ろダイヤルを回すと撮影モードが変わる仕組み。現在のモードはモニタ以外に、上面にある液晶パネルでも確認できます。
一眼レフのEOSではさまざまな機能に専用ボタンやレバーが用意されていましたが、EOS Rはボディが小さいこともあり、ダイレクト操作は減っています。その代わり、M-Fnキーを押すと、後ろダイヤルで変更するパラメーターをセットし、前ダイヤルで変更するという機能がつきました。
便利ですが、すばやい操作には向きません。
しかし、レンズに「コントロールリング」、背面の上にタッチ式のM.Fnバーが新たに追加され、EOS Rならではの操作系も提案されています。
M-Fnバーはタッチ式のため不用意に触ってしまうことがあります。そのため人によって評価は分かれそうですが、このあたりは熟成を重ねて改良されていくでしょう。
EOS Rの操作系は、総じて、シビアな現場で使うには冗長なところがあって不満点もありますが、ミドルクラスのカメラとしては悪くないかと思います。
タッチパネルの反応もよく、多くの画面でタッチ操作が可能なのはよい点。
AF枠の移動が面倒なのは難点ですが、そこはタッチAFやタッチパッドAF(タッチ&ドラッグAF)を使って解決してくださいということでしょう。
AFは速くて快適です。特に暗所でのAFが秀逸。かなり暗い場所でもAFが働いてくれます。夜の撮影が多い人にもよし。
非常に暗い夜の住宅街で見つけた猫をISO25600で撮ってこれです。フォーカスもさっと合いました。
ファインダーはEVFで大きくてくっきりした見映え。最高峰とはいえませんが、光学ファインダー命だった一眼レフユーザーもこれを見たらEVFも悪くないかな、と思えるレベルにはなっています。
背面モニタはバリアングル式です。
注意したいのはバッテリー周り。
USBを使って本体内充電するには、充電器側が「USB-PD」規格に対応している必要があります。現在市販されているモバイルバッテリーやUSB出力のACアダプタにはまだUSB-PDに未対応のものが多くありますから、本体内充電を純正のアダプタ以外で行うときはUSB-PDに対応した製品で、なおかつ実際に充電可能かどうか試す必要があります。
※本文内の価格情報は2018年12月18日時点でのAmazon.co.jpの価格です。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。