外観は同じだが中身は一新の高速高性能化がうれしい
さて話を戻しましょう。
新製品が出たのに買い換える気にならない場合の話ですが、続いて、マイナーチェンジで中身があまり変わってないというケースがあります。それだったらわざわざお金を払って買い換えたいとあまり思いませんよね。
X-T3は見た目的にマイナーチェンジっぽいので、そういう傾向があるかと思いきや、中身は進化を遂げています。
見イメージセンサーも画像処理エンジンもグレードアップし、中身はより高性能になっているのです。
イメージセンサーはAPS-Cサイズながら画素数はちょっと増えて2610万画素。増加は200万画素程度なのでまあ気にするほどではありません。
違うのは
- 裏面照射型になった
- 像面位相差センサーが像面全体に広がって構図のどこにあっても使えるようになった
- 像面位相差センサーが暗所に強くなった
ことです。
同時に内部の処理も速くなりました。
で、何が起きたかというと
- AFがより速くなった
- 連写がより速くなった
- 電子シャッターで高速に動く被写体を撮ったときの歪みが減った(減っただけで歪まないわけじゃないので注意)
わけです。
さらに、電子シャッター時に1.25xクロップ(中央部の1600万画素相当分だけを使う)と組み合わせると、AF追従で秒30コマという長高速連写が可能になりました。
要するに「速い」ってことです。
メカシャッター時は秒11コマで最高1/8000秒、電子シャッター時は秒20コマ(1.25xクロップ時は秒30コマ)で最高1/32000秒となりました。
望遠レンズで撮ってみましょう。
では秒30コマの連写に挑戦。
コサギが水中の小魚を捕まえて食べる瞬間です。
電子シャッター時はプリ連写(シャッターを半押しした時点で撮影を開始し、全押ししたらその直前の写真も記録してくれる機能)が使えますから、シャッターチャンスにより強くなりました。
一連の連写写真から何枚かピックアップして見ましょう。
秒30コマという超高速だからこそ捉えられる瞬間があるということです。
より速いAF、より高速な連写撮影をしたい人にはよいですね。
顔検出や瞳検出も強化されました。
画作り面は、富士フイルムならではのデジタルっぽくない写真を撮ることができる階調や発色を維持。解像感と色の良さはかなりのものです。
いろいろと撮ってみたのでどうぞ。
さらにフィルムシミュレーションにX-H1で採用された「エテルナ」を追加したり
ダイナミックレンジ調整機能をつける(ハイライトとシャドウの両方を調整してくれる)などより凝った画作りが可能になってます。
さて話を戻して3番目に行きましょう。
新製品が出ても、値段がぐっと上がっては買い換えを躊躇するのが普通です。
X-T3はボディが20万円弱。X-T2の発売時の価格は17万円くらいでしたから、値上がり幅は少なめ。
富士フイルムのフラッグシップモデルX-H1が約24万円ですから、それに比べると割安感すらあります。X-H1よりコンパクトで軽いですし。
ただ、X-H1のウリだった「ボディ内手ブレ補正」や「フェザータッチシャッター」はX-T3には搭載されていません。X-T3のコンパクトなボディに手ブレ補正ユニットを入れるのは難しいかもしれませんが、いつかは実現して欲しいものです(X-T5くらい?)。
X-T3はカメラ好きならチェックすべし
X-T3は完成度が高かったX-T2をさらにブラッシュアップし、2年間のトレンド(タッチパネルやBluetooth対応)もしっかり取り入れて、優れたミラーレス一眼に仕上がりました。
気軽なスナップも、ポートレートも、ガチな作品も、スポーツや動物も撮れるし、カメラをいじることが趣味の人もダイヤルをカチカチ回すことができて幸せという、よいカメラです。なお、連写を楽しんでるとバッテリーがすぐ無くなるので、モバイルバッテリー(USB充電できるため)か予備バッテリーは忘れずに。
これで、2019年発売予定の16-80mm F4のズームレンズが出ればもっとおすすめ度はあがりますね。
※本文内の価格情報は2018年10月16日時点でのAmazon.co.jpの価格です。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。