【レビュー:静止画編】

見た目は変わらないがX-T3の進化っぷりが凄かった (2/3)

2018.10.17
トリセツ編集部/荻窪圭

そもそもX-T3ってなにもの?

そんなX-T3ってなにものなのでしょう。富士フイルムのXシリーズを知らなかった人は驚くかもしれません。

X-T3はファインダー部が上に大きく出っ張った、一眼レフ風デザインのミラーレス一眼。センサーはAPS-Cサイズです。

富士フイルム Xシリーズ FUJIFILM X-T3
一眼レフ風デザインで、中央上部の出っ張りにはEVF機構が入っています。

見た目はX-T2とほぼ同じ。ロゴがなければ一見ではわからないほどそっくりです。

なのに買い換えユーザーが多かったというのは特筆すべきこと。今使っているカメラが気に入っているからといって、新製品が出たら必ず買い換えるかというとそうではないからです。

たとえば、デザインやコンセプトが変わってしまったら、買い換えるかどうか躊躇しますよね。

同じシリーズでも製品によって電源スイッチの位置が違う、ダイヤルやボタンの配置が違う、大きさが違うという場合もあります。旧製品を使い慣れた人だと、そのほんの少しの違いが気になってしまい、「ちょっと触ってみてから買い換えるか考えよう」となります。

X-T3はボディも操作系も同じですからその心配はありません。その特徴は、メカダイヤルやレバーを多用した、伝統的なカメラの操作。レトロといってもいいのですが単なるノスタルジーではなく、カメラを知っている人には理に叶ったデザインです。

どのカメラにもある「撮影モードダイヤル」がありません。その代わり、シャッタースピードとISO感度と露出補正と絞りリング(これはレンズについてます)を組み合わせて自分で露出を決めます。

というとマニュアル系のカメラと思われがちですが、ISO感度をAポジションにすればISOオートになりますし、シャッタースピードをAポジションにすればシャッタースピードがオートになりますから、逆にわかりやすいのです。撮影モードを変えなくてもダイレクトにそれぞれをいじればOK。

これは素晴らしい点です。

富士フイルム Xシリーズ FUJIFILM X-T3
上面にはISO感度、シャッタースピード、露出補正の各ダイヤルが並び、ダイレクトにセットできます。

また、ドライブモード(連写とかセルフタイマーとか)や測光モード、フォーカスモードには専用のレバーがあります。

フォーカス位置は専用のスティックでさっと操作できます。

さらに前後に電子ダイヤルがあります。細かいことですが電子ダイヤルが少し固くなりました。今までは「カチカチッ」と気持ちよく回す各種ダイヤルに対して電子ダイヤルは「くるくるふにゃ」って感じで統一が取れていなかったのですが、X-T3ではそこが改善されたわけです。

富士フイルム Xシリーズ FUJIFILM X-T3
背面。電子ダイヤル(クリック付)やAF用のスティック(これが便利。Qボタンと位置が逆でもよかったくらい)が並び、グリップ時の親指を置くスペースもしっかり確保されています。

つまり、自分でカチカチとダイヤルを回してさっと撮るという撮影が気持ちいい人にはたまらないカメラなわけです。

もうひとつ、ファインダー(EVF)も大きくて明るくて見やすいですし、背面モニタは3方向チルト式。

使いやすい上下チルトは「縦位置ローアングル撮影時に不便」という欠点がありました。X-T3(T2から採用されましたが)は上下チルトに加えて、ドアのように右にも開きますので、縦位置ローアングルにも使えます。

これは富士フイルムならではの機能です。







富士フイルム Xシリーズ FUJIFILM X-T3
上下にチルトするのはあたりまえ。
富士フイルム Xシリーズ FUJIFILM X-T3
横にも開くので縦位置でのローアングル撮影にも対応します。どちらも光軸がずれないのはよいところ。

かといってX-T2と全く同じではありません。

今回、(他社のカメラはほとんど採用しているので今更感はありますが)タッチパネルが採用されました。ただ、タッチパネルのレスポンスはそれほどよいわけではありません。残念ながら、ここはまだ改善の余地があるでしょう。

タッチパネルのレスポンスや使い勝手は得意なメーカーとそうじゃないメーカーが分かれてる感じがあります。


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荻窪圭
【デジカメライター 荻窪圭】

老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。