実は、わたくしごとではありますが、最近、台所のレンジフード(要は換気扇です)とガスコンロ(それもビルトイン)を一気に交換したのですよ。
いやもうそれが面白かった。
何しろ15年使っていましたから。レンジフードとガスコンロ。
そもそものきっかけはレンジフード。いつも通りぶん回していたら突然、ぐわんぐわん!ぐいんぐいん!ぼわんぼわん!ってな調子で異音を発し始めて、一旦止めて回し直しても異音は止まらず。イオンじゃなくて異音なので困る。
そのまま使い続けるとうるさいのみならず、いつか火を噴くんじゃないかと不安になるくらいで、これは買い換えねばなるまいという結論に達しました。
何しろ15年。一般的に10年経ったらリプレースを考えていいそうだから、ちょうど頃合いでもありまして。
すると妻が「レンジフードを買い換えるならガスコンロも一緒に換えたい」と言い出したのです。
確かにガスコンロもすでに15年選手。妻いわく「とろ火を放置してしまう“うっかり事故”がこわい。最新型なら自動で消火してくれたり、鍋を乗せないと着火しないものもあるらしいから、そういうコンロにしたい。最新モデルなら掃除もしやすい」とのこと。確かに一理あります。
いざ東京ガスのショールームへ
そこででかけたのが新宿にある東京ガスのショールーム。「実物を見ないとしょうがないよね、全モデル展示してあるとこがいいよね」、ということで、レンジフードとガスコンロが豊富に展示されており、細かい説明も受けられる場所を選んだのです。そしてあれこれ説明して貰いまして、目が点になりました。
電化製品は、結構追いかけているので、今買い換えればどういうことができるようになる、というのはある程度想像がつくのだけど、ガス製品ってノーマークだったのですよ。 天板はめちゃツヤツヤできれいだし、液晶パネルまでついているヤツあるし。
グリルが何やら高度な調理機構になっているし。魚を焼くために発達したこのグリルは、今となっては汎用の「グリルオーブン」へと進化しておりました。網に乗せて焼く以外にも様々な調理が可能になっていたのです。
さらに、妻が言っていたような機能もしっかりありました。鍋を乗せていないと着火しないとか、鍋を持ち上げると火が自動的に弱くなるとか。
しかし実のところわたしと妻が一番重視したのは、ハイテクなことよりも安全性と掃除のしやすさでした。
うちは妻が料理好きだし、わたしも普通に料理を作るので、細かい機能よりベーシックなところをしっかり抑えたかったのです。
ところがなんと、安全性と掃除のしやすさを兼ね備えた機種はハイテク満載のハイエンド機だったのです。
結局選んだのはこの2点。
決まったら、気が変わらないうちに工事の予約をするだけです。
工事の人がやってきた
購入と設置をお願いしたのは東京ガスのライフバル。あらかじめキッチンをチェックして見積を出してもらい、工事を依頼。
当日は工事の様子をガン見させていただきました。テキパキとバラしていきます。
まずレンジフードを取り外して、送風口の位置とサイズを確認、新しいものに交換します。
猫が何事かと見守っております。
続いてビルトインガスコンロ。これを外し、ガス管の取り付け位置が変わるため穴を開けました。
交換自体は非常にシンプルな作業でした。
にしてもツヤツヤしていてきれいですな。さすがガラス天板。
そして新しいキッチンの完成です。
新しいレンジフードは、「オイルスマッシャー」という機能を搭載しています。回転する円盤によってファンへのオイル付着を防ぎ、オイルガードという部位に溜めてくれます。掃除がすごく簡単です。
また24時間常時運転機能を持っているので、部屋の中を常にゆっくり換気してくれます。これはありがたい。
「デリシア」と「クリーンecoフード」を使ってみる
では使ってみましょう。
「クリーンecoフード」の常時換気運転をさっそくオン。
続いてガスコンロの試用開始。
電源スイッチを入れます。ガスコンロに電源スイッチって不思議な感じですが、いかんせんハイテク仕様なので。
火力調節つまみは押すと飛び出る仕組み。これで自動的に火が付き……つかない!
なんと「左コンロ、鍋を置いてください」と怒られてしまいました。
上に鍋なりなんなりを置かないと着火しない安全仕様なのです。
珈琲を入れることにして、コーヒーポットに水を入れてごとくに置き、再度挑戦。自動的に中火で火が付きました。
その瞬間、レンジフードのファンが回り出し、同時にライトがパッと点くではないですか。いやあ、レンジフードとコンロの連動って知ってはいたけど、ファンが回るのみならずライトまで点くとは。
ライトもLEDで明るくて見やすいのが15年前と段違いなところ。
火を強くするとレンジフードのファンも自動的に弱から中になります。かなり連動度が高くてびっくり。
これだけならハイテクガスコンロは言い過ぎですが、なんと、つまみの下にパネルが隠れているのです。このパネルから、温度調節やタイマー、オート調理が可能となります。
オートメニューで「湯沸かし」を選ぶと、沸騰時に音声で教えてくれるだけでなく、自動的に消火まで行います。
この「湯沸かしメニュー」、湯を沸かすだけっていうと単純だけど、珈琲を淹れようとポットをかけたまま他の作業をはじめて忘れちゃうことがしばしばあるわたしにはとてもうれしい。ひどいときには「あ、お湯を沸かしてたの忘れてた」と慌てて見に行ったら、湯が蒸発して半分くらいに減っていたなんてことも。それが防げるだけでも価値有りなのです。我が家はとても重宝しています。
沸騰するとちゃんと音声で教えてくれるので、気づかずにお湯が冷めちゃった、ということもありません。
何しろ「火を使う」場所ですから、音声やブザーで細かく教えてくれるのはありがたいものです。
オートメニューには他にも、麺をゆでる、ゆでもの、煮物、ハンバーグ、焼き餃子など内容別に何パターンか用意されています。
タイマーも、30秒前にブザーが鳴るだけでなく、設定時間になると火が消えるので別途キッチンタイマーを使うよりずっと安全です。温度の調整もできます(ただし130度から220度まで)。
長く調理していて温度が上がりすぎると、自動的に火を弱めるなど安全性が重視されています。でも、ちょっと鍋を持ち上げるたびに火が弱くなったり、強火で調理したいのに自動的に温度調節されては困る、というときのために「あぶり・高温炒め」モードも。これをオンにすると(最長60分まで)、旧来のガスコンロのように使えます。
料理に自信がある人は「こんなにたくさん機能なんていらない」と思うかもしれないけど、ちょっとわたしが感動したグリル調理の機能を聞いてください
両面焼きグリルを使ったいろんな調理が簡単にできるのです。例えば付属のココットを使うなら、材料を入れ、パネルのココットメニューから料理を選んで点火すればOKというのはすごく簡単。
グリル調理中って中の様子がわかりにくいので、ある程度自動でやってくれるとすごく楽なのです。
網で魚を焼く際も、途中でひっくり返さなくていいし、焼き加減を気にする必要もありません。
残り時間が表示されますから、それをチェックしながら他の調理をできるのも便利。焼き加減も完璧でした。
個人的に「デリシア」の真骨頂はグリル調理である、と主張したいと思います。
なんと、最新のガスコンロはスマホとつながるのだった
いやあ、15年もするとガスコンロもハイテク化して使いやすくなるのですねえ、で話を終えようかと思いきや、ひとつ面白い機能が隠れていたのです。
いや、隠しているわけじゃないんだけど、ショールームで機能の説明を受けているとき、そんな話まったく出なかったので想像もしなかったのです。
それがこれ。
設定画面をあれこれ見てて発見した機能です(その前に、トリセツで説明書をチェックしておけよ、というツッコミはご遠慮ください)。
なんと「スマートフォン登録」。
そんな面白そうな機能を見つけたら、即座に登録ですよ。
スマホで専用アプリの「DELICIAPP(デリシアプリ)」をダウンロードし、さっそくBluetoothでペアリング。これでガスコンロとスマホがつながりました。なんて未来っぽい。
これで何ができるのか。
さすがにスマホから着火したりはできません。安全性の問題がありますから。できるのはオンライン上にあるレシピの取得とレシピデータの送信。
「DELICIAPP(デリシアプリ)」を起動すると、たくさんのレシピが表示されます。そこから作りたい料理を選び、材料を用意します(買い物リストまで作ってくれる)。
今回は、鶏肉をココットで焼いてみることにしました。
アプリに書かれたとおりに準備をし、ガスコンロにセットしたら、レシピをガスコンロに送信。あとは着火(つまみを押すだけですが)すれば、自動的に調理してくれます。
ガスコンロにはじめから用意できるレシピは限られているし、インタフェース上、複雑なこともできません。でもスマホの画面なら、写真も載せられますし、細かい手順も書けますし、材料の詳細もわかりやすく表示できます。
そして、なんといってもオンラインでレシピをどんどん増やせるのがいいところ。
調理中はちゃんと残り時間がスマホとコンロの液晶パネルに表示されます。
残り4秒!
そして完成です。
これは簡単すぎ。
単純なところで、目玉焼きトーストなんてのもあります。朝食に目玉焼きトースト調理中。
料理の基本がわかっていれば、ちょっと材料を変えたアレンジも簡単です。
今までそういうレシピ利用調理は「電気を使った調理器具」の独壇場かと思い込んでいましたが、ガスでもできるのだなあと感心。
凝った料理のみならず、もっと「基本の料理」レシピを充実させれば、火を使った料理に慣れていない人への料理入門としても発展させられるのではないでしょうか(料理初心者は、火を通しすぎたり、逆に火の通りが甘かったりしますから)。
まとめ
最新のレンジフードとガスコンロのコンビは強力
- 着火すると自動的にファンが回り出し、ランプが付きます
- 火を止めるとランプが消灯し、数分して(タイマー設定から調整可能)ファンが止まります
- 24時間常時換気機能あります
- 火力と連動して風力調整してくれます
最新ガスコンロは安全!
- 鍋を置かないと火が付きません
- タイマーをセットすると自動的にその時間で消えます
- 音声やブザーで教えてくれます
- コンロから鍋をあげると自動的に火が弱まり、そのまま放置すると消えます
最新ガスコンロは賢い!
- 湯が沸騰したらブザー(音声)で呼んだ上で火が消えます
- 温度を130度から220度の範囲で自動調整してくれます(温度が上がると自動的に火を弱めてくれます)
- 料理玄人には「あぶり・高温炒め」モードで柔軟に対応できます
最新ガスコンロはグリルがすごい
- グリルプレートや付属のココットで、焼き魚だけでなく様々な料理や揚げもののあたためにも使えます
- 別売りの専用ダッチオーブンを使えばさらに料理の幅が広がります
- 今までのガスコンロでは難しかった素材を活かしたた料理を簡単にできます
最新レンジフードとガスコンロは掃除が簡単
これは写真でどうぞ。オイルパネルとともに、ディスクとオイルガードを拭き取るだけ
ガスコンロも汚れる部分である「ごとく」を外して拭くだけなのでお手入れしやすく、今までに比べると格段に後始末が簡単です。これはすばらしい。
最新ガスコンロはスマホにつながる
- 専用アプリから、コンロで調理可能なレシピを追加できます
- レシピの買い物リストも表示してくれます
- スマホからも調理の残り時間を確認できます
以上、安い買い物ではなかったのですが、15年の間にキッチンのガス周りも進化したのだなあと感心。考えてみれば、家電が進化してガス器具はそのまま、なんてことはないわけで、ノーマークだっただけに余計おどろいた次第です。
頻繁に買い換えるものではないけれども、一度買ったら10年は使うもの。そろそろ買い換えたいなと思ったら、次の10年間、使っていて楽しいものを選ぶことをおすすめします。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。