数ヶ月前のこと、知り合いの女子高生(というか単なる姪っ子ですが)がiPhoneを落として画面がバキバキになって、それはまあいつものことなのでバキバキがバキバキバキキになったくらいなのだけど、今回はとうとう起動すらしなくなり、カメラで撮った写真が見られなくなったーと騒いでるとその母親(というかわたしの妹ですが)からLINEが飛んできて、バックアップは?と尋ねると、何ヶ月も取ってなかったというわけです。ありがちといえばありがちだけど、悲劇ですね。結局、諦めたようです。
数日前のこと、行きつけのお店でiPhone Xを見せてたらバックアップの話になり、そこのオーナーシェフ(ちなみに美人です)もそういえばとってない、どうやるの? という話になったわけで、バックアップは大事、というお題目はみな唱えているものの、実践してる人は意外に少ないということがご近所調べでわかったわけです。
ふだん付き合いある人はそれなりにIT系のリテラシーを持っているのでバックアップは当然すぎるほど当然なのですが、実際のどのくらいの人がバックアップを取ってるのかというとはなはだ疑問なわけです。
そういう人たちに尋ねてみると、どうもバックアップは難しいと思っているもよう。
でも実は、めちゃ簡単なのです。こんな簡単ならやっとけばよかった、と99%の人が嘆くくらい簡単。
そもそもバックアップって何
iPhoneのバックアップとは、簡単にいえば、今使っているiPhoneの中身(パスワードとかアプリやOSの設定とかアプリとかデータとか写真とかビデオとか音楽とか受け取ったメールとかLINEとかその他もろもろ)を別の場所にコピーして保管しておくことです。
そうすると、
- iPhoneを無くした(壊した落とした置き忘れた盗られたその他もろもろ)とき、新しいiPhoneに対してバックアップの内容を戻してやれば、今まで使っていたiPhoneの状態をそのまま復元できるので、すぐ使えるわけです。復活のiPhoneです。
- iPhoneを買い換えたとき、新しく買ったiPhoneに対して古いiPhoneのバックアップを復元してやれば、今まで使ったアプリもホーム画面もメールも写真も今までと同様の形で、新しいiPhoneでも使い続けられます。
超便利です。パスワードも……セキュリティ上の問題があるので、ある程度は自分で処理しなければなりませんが、概ね以前のものを覚えていてくれるので簡単に新しいiPhoneに移行できます。アプリもその並びも同じように復元させてくれます。
iPhoneを買い換えても古いiPhoneで使ってた設定やアプリやデータはそのままですし、それまでに撮った写真もそのまま復元されます。なんて便利。
バックアップを取るのはもうiPhoneユーザーの義務といっていいレベルでしょう。
パソコンへのバックアップはおすすめしません
iPhoneのバックアップには2つの方法があります。
ひとつはパソコンとUSBケーブルでつないでバックアップを取る方法です。昔はこれしかありませんでしたから、今でもこの方法を勧める人がけっこういます。でもわたしはお勧めしません。次の2つの欠点があるからです。
欠点1:iPhoneとパソコンをケーブルでつながなければならないため、「マメにその作業をする」必要があること。パソコンを毎日必ず使うような人でないかぎり、iPhoneをバックアップするために電源を入れるって面倒なことはしなくなるでしょう。
よって、肝心なときに「古いバックアップしか残ってなかった」ということになりかねません。
欠点2:パソコンのストレージを消費すること。今やiPhoneの内蔵ストレージは少なくて64GB、多くの人は128GBを使っているでしょう。ちなみに、わたしのパソコンにバックアップされている「iPhone 6s Plus(128GB)」のファイルサイズは72.6GBです。128GB中72.6GBを使っていたわけですね。つまりパソコンの内蔵ストレージにそれだけの空き容量が必要なわけです。パソコンの内蔵ストレージをバックアップのために何10GBも使える人は限られてると思います。
次の図はわたしのパソコンのiOS機器バックアップフォルダ。歴代iPhoneやiPadのバックアップフォルダで、一番サイズが大きいのがiPhone 6s Plusで72.6GBありました。古いバックアップは消せばいいのだが、もし消さないで残しておくとこんな調子で増えていくのです。
よって、パソコンへのバックアップはそれなりにスキルがあり、パソコンのストレージをちゃんと管理できるパソコン慣れしている人にしかおすすめしません。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。