全天球カメラは、前後に2つの魚眼レンズを持つ、1回のシャッターで上下前後左右360度全てを撮れるカメラのこと。2013年に誕生したリコーのTHETAが先鞭を付けました。それまではプロ向けの機材や、1台のカメラで角度を変えながら何枚も撮影してパソコンを使って1枚につなぐしかなかったのです。
そんなマイナーな存在だった全天球カメラも、YouTubeが対応したことやVRが流行したこともあってVR的に楽しめる全天球動画を撮れるカメラへと主戦場が変わり、各社が個性的なデザイン・機能の製品を投入してきました。
携帯性が高くて全天球画像をさっと撮れるカメラ、全天球動画で遊ぶカメラ、アウトドアで激しい動きを全天球で記録するカメラなどどれも個性的です。
そんな中から代表的なモデルを集めてみました。
リコー THETA V
見た目はそのままで中身一新の全天球カメラの代名詞。画質もレスポンスもトップレベル
薄いボディにシンプルな操作は健在。画質の向上や4K動画+空間音声への対応が目立つが、何よりスマホへのWi-Fi転送が3倍速くなったのが嬉しい。快適さが違う。
※本文内の価格情報は2017年11月15日時点でのAmazon.co.jpの価格です。リコー THETA SC
手頃な価格でピュッと全天球写真を撮れる廉価版全天球カメラ。初音ミクバージョンも
THETA Vの約半額ながら、イメージセンサーは同じ。動画機能は抑えられているが、静止画をさくっと撮るならこの価格差はうれしい。スマホとの連携で凝った撮影も。
※本文内の価格情報は2017年11月15日時点でのAmazon.co.jpの価格です。ハコスコ Insta360 ONE
全天球動画で遊ぶならこれ。楽しむ機能満載で、バレット撮影もライブストリーミングもすぐ
ひもをつけてぶん回してバレット撮影、iPhoneに直付けしてライブストリーミング、4Kで撮ったVR動画を編集してフルHD動画に、などもっともユニーク。ただiPhone専用。
※本文内の価格情報は2017年11月15日時点でのAmazon.co.jpの価格です。GoPro GoPro Fusion
アクションカムの大定番GoProが全天球カメラ界に初参入。4Kを超えた5.3Kも
GoProが満を持して投入する全天球アクションカム。5.3Kの高解像度で撮れる他、安定化機構でぶれも補正。あとから任意の視点で編集する機能で新しい映像作品も。
※本文内の価格情報は2017年11月15日時点でのgopro.comの価格です。コダック PIXPRO 4KVR360
真っ白な四角いボディで全天球。出自がアクションカムなので苛酷なシーンでも大丈夫
元々は魚眼レンズがついた半球のアクションカム。後ろにもカメラをつけて全天球動画に対応したが、フロントカメラだけでも録れるので魚眼の超ワイドと全天球を使い分けOK。
※本文内の価格情報は2017年11月15日時点でのAmazon.co.jpの価格です。サムスン Galaxy Gear 360
目玉っぽいデザインが可愛いVRカメラ。グリップがついているので手持ちで気軽に撮れる
Samsungの製品だが、他社のAndroid機やiPhoneにも対応。手でも持ってカジュアルに4K(24fps)VR動画を楽しむカメラだ。
※本文内の価格情報は2017年11月15日時点でのAmazon.co.jpの価格です。ニコン KeyMission 360
全天球ながら水深30m耐衝撃2mの頑丈さがウリ。苛酷な場所で4KVR動画を撮れる
ゴツいためつなぎ目の不自然さは残るがその分アウトドアで活躍。リモコンや各種マウントのアクセサリーも充実しており、いろんなところに取りつけて4KVR動画を撮りたい人に。
※本文内の価格情報は2017年11月15日時点でのAmazon.co.jpの価格です。まとめ
体験してみないとわかりづらい全天球カメラですが、スマートフォンと組み合わせれば誰でも簡単に楽しめます。
全天球カメラで撮った写真や映像は、ぐるぐる回して楽しんだり、GoogleストリートビューのひとつとしてGoogle Mapsに公開したり(実は誰でもできるのです)、VRスコープにセットしてVR体験を楽しんだり、一部を切り取って写真として使ったり、1本の動画として編集したりと楽しみ方はさまざま。
従来の写真とも動画とも違う新しい体験をしてみましょう。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。