解説:デジカメライター 荻窪圭
皆さま初めましてトリセツ編集部 編集長のエマークです。これまでトリセツの「話題のモノ」で様々な話題の家電を紹介してきましたが、特に話題の製品については今回のように動画や記事でよりわかりやすくレビューさせて頂きます。どうぞよろしくお願いします。
さて今回はオリンパスから昨年末に発売されましたコチラのOM-D E-M1 mark IIというミラーレス一眼カメラをチョイスしました。私も個人で発売してすぐに購入した非常に魅力的なカメラです。 E-M1 mark IIでは前任機のE-M1のコンセプトであった「高画質」「小型・軽量」「防塵・防滴性能」を進化させ、さらに「高速性」と「信頼性」を高めることでプロ機としても十分に使えるカメラに進化したかと思います。
今回解説頂くのはデジカメライターの荻窪 圭さんです。荻窪さんは初のデジカメQV-10からデジタルカメラを追い続け、OM-Dの初号機のE-M5から同シリーズは全て実際に使われ・レビューをされていたとのことです。荻窪さん曰く「ミラーレス機が1ステップ上がっていよいよプロが使えるところに来た」と総評されたE-M1 mark IIがどうプロ機へと進化したか?にフォーカスして魅力に迫っていきたいと思います。
外観&センサー
・E-M1から進化した外観について
エマーク:まずは外観から見ていきたいのですが、荻窪さんは前任機であるE-M1も所有されていたかと思いますが、E-M1と比べてE-M1 mk2はどのように進化したのでしょうか?
荻窪:E-M1より少し大きく・重くなりましたがプロで使う上での信頼性が上がっています。たとえばメディアスロットが2つになりました。たとえば同時に保存すれば万一メディアが壊れてももう一方は使えます。現場で撮影後に1枚を渡して1枚は自分用のバックアップということも可能になります。それとバッテリーが大きくなりました。ミラーレス機はどうしても一眼よりも電池を食いますが、こちらも実用性を考えて大きくなっています。
・センサー、画像処理エンジンについて
エマーク:ファインダーとか背面液晶ビューとかはどうですか?
ファインダーが他社ミラーレス機よりも見やすく、今回連写した時のブラックアウトも軽減されましたので、連写で撮影している時に追っかけているものを見失いにくくなりました。
・ISO、高感度耐性について。
エマーク:E-M1 mk2では20M Live MOSセンサー、画像処理エンジンTruePic VIII(8)(クアッドコア×2)という新しいセンサーと画像処理エンジンが搭載されましたが、どのような印象を受けましたでしょうか?
荻窪 :CMOSセンサーのメーカーも構造も変わり、画素数は増えたのに感度は同等もしくはむしろ良くなっています。また像面位相差AFの性能も大きく上がりましたのでAF性能も格段に良くなりました。
エマーク:このカメラって手ぶれ補正の性能のお陰で手持ちで長時間露光が結構使えますよね。ですのでISO感度をそれほどあげなくていいですよね。
荻窪:被写体が動いている場合もあるのでそのあたりはうまく使い分けると大丈夫だと思います。
手振れ補正
・ボディ内5軸手ぶれ補正について
エマーク:やはりE-M1 mk2の最大の特徴は5.5段分の手振補正だと思いますが、実際に使用してみてどのように感じましたか?
荻窪:前のモデルが5段でしたので0.5段だけに思えますが結構大きい差さんです。まず手ぶれ補正には2つポイントがありまして、1つ目は手のブレに合わせてセンサーを動かして手ブレを軽減する機構、2つ目はできるだけ手ブレそのものが起きないようになっているんです。たとえばミラーレス一眼でもシャッター幕が降りるとその微妙な振動が手に伝わって結果ブレてしまいます。E-M1 mark iiではフローティングシャッター構造というものを採用しており、シャッター幕の振動が手に伝わりにくくなっています。ですので実際に撮ってみると思ったように手ぶれ補正が効きます。さらにレンズ内に手ブレ補正がついているレンズを使うとさらに効果を上げることができますね。
・5軸シンクロ手ぶれ補正について
エマーク:たとえばM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100m F4.0 IS PROはレンズ内に手ブレ補正がついているので合わせた5軸シンクロ手ブレ補正として6.5段分補正が効くとなっていますね。
荻窪:実際にこの組み合わせだとむちゃくちゃ補正が効きます。シャッタースピードを5秒で手持ちで撮れるという話が出ていたんですが、それは嘘だろう思っていましたが実際に撮ってみると広角に限っては5秒止まります。
エマーク:止まりますよね!僕も何枚か撮ってみたのでご紹介したいと思います。レンズはレンズ内手ぶれ補正がなしのものを利用しました。まず広角でシャッタースピード3,5,10秒で試しましたがパット見では10秒でも使えるレベルでした。12-40mmの望遠でも同様のシャッタースピードで試しましたが、こちらは3秒であれば耐えうる写真となっていました。
エマーク: 荻窪さんも、作例があればお願いします。
荻窪:シャッタースピード4秒、絞りF8で撮った作例です。うまく絞ってあげると写真のツリーの頂点のように光に光芒が出てきれいになるんです。ただ絞り込むとその分シャッタースピードが落ちるのでいままでだと三脚必須だったんですが今回このカメラで手持ちで手ブレなく撮影ができました。
荻窪:これはうちの猫です!(笑)寝室で撮影したのでかなり暗い室内ですが、手持ちで鮮明に撮れました。
荻窪:これはスローシャッターでみんな撮りたくなる夜の噴水です。こういう水の流れを手持ちで撮影できますね。
エマーク:体感的に3~5秒なら手持ちで撮影できる感じでしょうか?
荻窪:広角なら大丈夫です。あとは体力と集中力です!(笑)
エマーク:私も思いました!(笑)体力以上に精神力、集中力だと。
荻窪:集中力が足りない人はだんだんうまく撮れなくなってしまいます。私もそうです(笑)。どうしても補正できるブレの幅があるので手ブレの度合いが大きくなると補正ができなくなってしまいます。
エマーク:まとめると広角であればシャッタースピード3~5秒であれば手持ちで撮影できるかと思います。あとは精神力、集中力ですね(笑)
E-M1 Mark II の特徴が沢山ありますので1度ではご紹介できませんでしたので、続きは後編をお待ち下さい!AF/AEや連写機能等について引き続き荻窪さんにご紹介頂きますので皆様お楽しみに。
合わせてご連絡ですが、2/23~パシフィコ横浜にてカメラの展示会CP+が開催されます。各社の新製品のカメラが一同に発表されるイベントで、トリセツでも特集を3/3に公開予定です。こちらの取材について引き続き荻窪さんとギュイーン徳川さんにもレポーターとして出演頂いていろんな新製品情報をお届けしたいと思いますのでぜひそちらも御覧ください。
オリンパス
E-M1 MarkII ボディ
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。
トリセツ編集部 編集長。トリセツの広報としてプロモーション業務とメディア運営を手がける。また各方面でプロモーション、デザイン等の業務に携わっている。