【レビュー】

富士フイルムのX-T4は2020年を代表する名機の予感

2020.05.31
トリセツ編集部/荻窪圭
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我々はボディ内手ブレ補正を待っていた

X-T4一番のトピックはなんといってもボディ内手ブレ補正。

富士フイルムはX-H1で初のボディ内手ブレ補正を実現しましたが、あのときは「手ブレ補正機構が大きいためコンパクトなX-Tシリーズに搭載するのは難しい」といわれました。

でも小型化に成功。しかもさらに補正性能が上がってるのです。

Xシリーズには手ブレ補正機構を持たないレンズが単焦点を中心にけっこうあるんです。ハイエンドズームの16-55mm F2.8も手ブレ補正を持っていません。

X-T4ならそういうレンズでも手ブレ補正が効きますから利用シーンはぐっと増えます。

ボディ内手ブレ補正の効きは、いろんな手ブレ補正搭載一眼を使ってきた感触からいうと、オリンパスのE-M1 Mark IIIにはちょっと及ばないけど、トップグループには入るという感じでしょうか。

シャッターが改良され、よりシャッターショックが少なくなったのもよい点です。気持ちよくシャッターを切れます。

というわけで、50mm F2を装着し、光芒をちょっと出すためにF8まで絞って手持ち撮影に挑戦してみました。クルマの通りがない深夜の真っ直ぐな道路です。0.6秒で……100%とはいきませんが、それなりにイケました。

50mm F2装着、中望遠シャッタースピード0.6。F8まで絞って撮影。
50mm F2装着、中望遠シャッタースピード0.6。F8まで絞って撮影。zoom

50mm F2(手ブレ補正を持たないレンズ)を装着し、中望遠でシャッタースピード0.6秒です。なんと手持ち夜景。光芒をちょっと出すためにF8まで絞って撮りました。すごい。

もう1枚は団地の駐輪場に止まっていたバイクを。

1/10秒。ホワイトバランスを新しく搭載された「雰囲気優先AWB」で。
1/10秒。ホワイトバランスを新しく搭載された「雰囲気優先AWB」で。zoom

こちらは1/10秒で夜の駐車場のバイク。ホワイトバランスを新しく搭載された「雰囲気優先AWB」にしているのでほんのり照明の色がかぶっています。

感度は最高でISO51200。ISO感度ダイヤルにはISO12800までしかありませんが、ISO感度ダイヤルを「C」ポジションにすると電子ダイヤルを使ってもっと上げられます。

シャッタースピードもメカシャッターは1/8000秒までですが、電子ダイヤルを併用することで1/32000秒(電子シャッターにした場合)まで上げられます。

メカダイヤルだけでは賄えない設定には電子ダイヤルで対応するというのがよい点ですね。

AFはより高速に。スティックやタッチAFで撮りたい被写体にさっと合わせればOKで、さらに、AF-C時にトラッキングAFを選ぶと、指定した被写体をきれいに追ってくれます。被写体追従性能はなかなかよいので動きものを撮るときに役立つでしょう。動物AFがないのは残念ですが、トラッキングさせればちゃんと顔を追ってくれました。

こちらへ歩いてくる猫をトラッキングAFで連写した中の1枚。きちんと追いかけてくれます。
こちらへ歩いてくる猫をトラッキングAFで連写した中の1枚。
きちんと追いかけてくれます。zoom

AF+連写の定番作例である、電車もいきましょう。

こちらは走ってくる電車を高速連写で。
こちらは走ってくる電車を高速連写で。zoom

キットレンズは2019年9月に発売されたXF 16-80mm F4。広角から中望遠まで賄える上に開放絞り値がF4固定で被写体にもけっこう寄れるという、超便利なミドルクラスのレンズです。

広角時の周辺部の画質劣化は気になりますが、日常使いのレンズとしては申し分ないでしょう。

富士フイルム X-T4
XF 16-80mm F4です。コンパクトで扱いやすいサイズで絞りリング付。
80mmの望遠端で花壇を狙ってみました。望遠ならではの圧縮感と発色がたまりません。
80mmの望遠端で花壇を狙ってみました。望遠ならではの圧縮感と発色がたまりません。zoom
寄れるので室内でも。焼きたてのパンです。
寄れるので室内でも。焼きたてのパンです。zoom

さらに富士フイルムのレンズで評判がいいのは数々の単焦点レンズ。小型軽量でシャープな写りを見せてくれます。先ほどの夜作例でも使った50mm F2がその代表です。

富士フイルム X-T4
コンパクトなのがうれしいXF 50mm F2

外出できなくても家の中で楽しめるお気軽中望遠としておすすめです。

50mm F2の単焦点レンズでうちの猫を。1/12秒というスローシャッターで。
50mm F2の単焦点レンズでうちの猫を。1/12秒というスローシャッターで。zoom

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荻窪圭
【デジカメライター 荻窪圭】

老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。
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