【レビュー】

あらゆるシチュエーションで仕事をこなす優秀なE-M1 Mark III

2020.03.22
トリセツ編集部/荻窪圭
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キットレンズは「M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO」

E-M1 Mrak IIIにはレンズキットも用意されています。キットレンズは「M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO」。35mm判換算で24-80mm。プロやハイアマチュア向けの標準ズームレンズですね。基本はこれ。

E-M1 Mark III
12-40mm F2.8を装着したE-M1 Mark IIIを構える。

とても寄れて非常に便利なレンズです、といきなり肉テロ。

美味しいステーキでした!
美味しいステーキでした!zoom

12-40mmは望遠端でもぐっと寄れます。このくらい寄れれば日常使いには十二分でしょう。

340mm(35mm換算80mm相当)で梅の花にぐぐっと寄りました。フォーカスも狙い通りで完璧。
40mm(35mm換算80mm相当)で梅の花にぐぐっと寄りました。
フォーカスも狙い通りで完璧。zoom

続いて、E-M1 Mark IIIならではの写真と行きましょう。夜の京王線です。

実はこれ、シャッタースピードが1.3秒。ISO200でF5.6で撮りました。しかも望遠端の40mm。もちろん手持ち。ブレてません。

レンズを40mm相当にセット。SO200でシャッタースピード1.3秒を手持ちです。感度を抑えられるのでノイズもなくて写りもつややか
レンズを40mm相当にセット。SO200でシャッタースピード1.3秒を手持ちです。
感度を抑えられるのでノイズもなくて写りもつややか。zoom

これはすばらしい。

E-M1 Mark IIIで強化された点のひとつがEボディ内手ブレ補正性能。もともと手ぶれ補正の強さがウリのひとつだったのですが、Mark IIIではさらにブレなくなりました。

静止した被写体が対象ならこの超強力手ブレ補正を使って低ISO感度ならではの滑らかな写真を手持ちで撮れるのです。

続いて人を撮ってみましょう。

緑道の歩行者用と自転車用の色分けを活かそうと真ん中に立って貰いました。モデル:長谷川実紗
緑道の歩行者用と自転車用の色分けを活かそうと真ん中に立って貰いました。
モデル:長谷川実紗zoom

雨が降りそうな空模様だったのでちょっと沈みがちですが、そこはしょうがないですね。

今回は顔検出と瞳検出のレベルが上がったとのこと。いち早く瞳検出機能を持っていたのでそれを強化したわけですね。かなり横顔に近くなってもちゃんと瞳を捉えてくれています。

E-M1 Mark III
強化された顔検出と瞳検出。
かなり横顔に近くても認識してくれます。複数の顔を見つけたときにセレクトする機能も。モデル:長谷川実紗
かなり横顔に近くても認識してくれます。複数の顔を見つけたときにセレクトする機能も。
モデル:長谷川実紗zoom

これは素晴らしい点です。AFの賢さは今後どんどん要求されていくでしょう。

続いて、「神レンズ」ともいわれる12-100mm F4 PROにレンズを交換。F4通しの高倍率ズームながら仕事で使えるレベルなのがよいところ。高倍率ズームレンズは価格を抑えた便利ズームとして設計され、描写力がちょっと落ちる製品が普通でしたから、これが出たときは驚きました。

E-M1 Mark III
12-100mm F4.0 IS PROを装着。12-40mmよりちょっと太くて長い。

渋谷スクランブルスクエアの屋上から撮った新国立競技場を広角端と望遠端で。望遠端で狙っています。冬にしては空気が淀んでたので今ひとつシャープではありませんが、これはもう天候のせいであったカメラは悪くありません。

画素数は約2000万画素。

12mm(35mm判24mm相当)の広角端で。高倍率ズームにしてはディテールも周辺画質もしっかりしていて使えます。
12mm(35mm判24mm相当)の広角端で。高倍率ズームにしては
ディテールも周辺画質もしっかりしていて使えます。zoom
晴れてるように見えて意外にどよんとしてるのが東京。100mm(35mm判換算の200mm相当)で撮った新国立競技場。
晴れてるように見えて意外にどよんとしてるのが東京。
100mm(35mm判換算の200mm相当)で撮った新国立競技場。zoom

続いてバリアングル式モニタを開いて、花壇と同じ目線で葉牡丹を撮影。バリアングル式モニタはローアングル撮影時に横に開いてからアングルを調整するという2ステップが必要になること、画面と光軸がずれること、裏返しにパタンと閉めてしまってモニタ見ようとして慌てがちなことなどから個人的には嫌いなのですが……ちなみに初代のE-M1はチルト式でした。

E-M1 Mark III
モニタは引き続きバリアングル式。ローアングル撮影はこのようにして行います。
100mm(35mm判換算の200mm相当)で撮った葉牡丹。よい発色と描写力です。
100mm(35mm判換算の200mm相当)で撮った葉牡丹。
よい発色と描写力です。zoom

AFは像面位相差AF。クロスタイプのAFセンサーが121点あります。追尾AFを使って走ってくる電車を狙ってみました。

走ってくる電車はC-AF+TR(追従AF)でしっかり捉えられます。
走ってくる電車はC-AF+TR(追従AF)でしっかり捉えられます。zoom

連写もAF/AE追従で約15コマ/秒と非常に高速です。

ファインダーもE-M1 Mark IIと同じですが、もともとレスポンスはよく大きくて見やすかったので実用上の問題はありません。

ついでにいえば、シャッタースピードもメカシャッターは1/8000秒までですが、電子シャッターに切り替えると1/32000秒まで上げられます。

電子シャッターにさっと切り替えられるのがミラーレス一眼のよさですが、電子シャッターならではの高速シャッタースピードをフォローしている機種はそう多くありません。その点、E-M1 Mark IIIはミラーレス一眼ならではのよさを楽しめます。

そしてこの12-100mm F4といえば手ブレ補正内蔵レンズ。ボディ内手ブレ補正と連動して、さらに補正効果(なんと7.5段分!)が上がります。

Webサイトでは手持ちで「4秒」までいけるようなことが書いてあります……まあ、広角端だとなんとかなるかも、というレベルで、わたしがあれこれ試したところでは、3.2秒までは高確率で止まりました。4秒だとブレちゃう率が上がる感じ。

なのでこんな写真を「手持ち」で撮れます。夜景革命といっていいくらい。

深夜の交差点で、車のフロントライト・テールランプを手持ちで。3.2秒でF7.1です。。
深夜の交差点で、車のフロントライト・テールランプを手持ちで。3.2秒でF7.1です。zoom

今まで手持ちで夜を撮るには「絞り込むのを諦めて開放で撮る」「絵が多少荒れるのは覚悟でISO感度を上げて撮る」の2択だったのですが、F8まで絞って手持ちで撮るという選択肢ができたわけです。

さらに、星空専用の星空AFモードもあります。星空に限らず、真っ暗なとこにある点光源(ただしある程度の遠景)でも使えます。AFロックボタンを押すと働いてそこでフォーカスが固定されるので、いろんなシーンで便利です。暗い背景に点光源ってフォーカスが合いづらいので、星空AFを使うとよいのです。


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荻窪圭
【デジカメライター 荻窪圭】

老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。
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