初代OM-D(E-M5)からE-M1 Mark IIまでこのシリーズを使い続けている荻窪圭です。
はじめてE-M5を見たときは、「わざわざミラーレス一眼をレトロな一眼レフっぽくしなくてもいいのになあ」と、正直ちょっと否定的だったのですよ。でも仕事がら製品レビューで使ってみると、これがものすごく実用的だったのです。何より見やすいファインダー、コンパクトなボディ、超強力な手ブレ補正にすばらしい防塵防滴。
これはいつでもどこでも仕事をしてくれるめちゃ役に立つカメラじゃないか、と、すぐに自腹で購入したのです。
次に出た上位モデル「E-M1」でそれは確信に至り、以来、メインカメラとして働いてもらっています。
そんなE-M1もとうとう3代目。E-M1 Mark IIIの登場です。
お披露目の場となるはずだった「cp+ 2020」が中止となったのは残念ですが、一足早く製品をお借りできたので、さっそく使ってみたのでした。
というわけで、初代E-M1が一番好きだった荻窪圭です。
E-M1からMark IIになったとき、背面モニタがチルト式からバリアングル式になっちゃったんですよね。それがもう残念で残念で。
ただ、画質といい頑丈さといいデュアルスロット化といい、Mark IIの方が圧倒的に優れていたので、好みに合わないところはぐっとこらえて使い続けています。
ではMark IIIになってどうだったか。
Mark IIと見た目がほとんど変わりません。正直驚きました。
ただ、見た目って変えればよいものでもなく(ソニーのα7シリーズがそうであるように)、基本デザインにピシッと筋が通っていれば、継続できるところはした方がよいわけで、E-M1 Mark IIのデザインや操作系が定着したからこそのこのボディなのでしょう。これなら買い換えても買い足しても戸惑わずにすみます。
ぎゅっと握れるグリップ感は相変わらずよいですし、前後のダイヤルとボタンで基本操作はできちゃうのも便利な点です。
でももちろん細かな進化はしてます。
一番大きいのはAF用のスティックがついたことですね。AF枠をタタタッと動かしたいときは十字キーよりもこっちの方が便利です。実際、ここ数年のハイエンド機のトレンドです。富士フイルムなんてこれを採用すると同時に十字キーを廃しちゃいましたからね。
イメージセンサー自体は同じ(約2000万画素)ですが、画像処理エンジンが新しくなったのでサクサクと動作しますし、フラッグシップモデルのE-M1 Xで「画像処理エンジンを2つ搭載したからこそ搭載できた」と言われた重たい処理の機能も、一部が搭載されました。
技術の進化とともに洗練された今の時代に合わせたハイエンド機といってよい、派手な進化はないけど実用度がめちゃ上がったよい仕事をするカメラになってます。
と口でいってもしょうがないのでいろいろ撮りながら見ていきましょう。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。