美肌+自撮りのライトなミラーレス一眼 E-PL10
今、観光地で一番見るカメラはiPhoneかAndoroid機ですが、ちょっと前まではオリンパスのPENをよく見かけたものです。
世界最初のミラーレス一眼はパナソニックのDMC-G1ですが、2番目に登場したのが実はオリンパスのPEN。
その大ヒットを受けて、エントリーモデルのPL1が登場。いつしか、主力モデルがPENからOM-Dにシフトしたため、今残るPENはPLシリーズのみになりましたが、シンプルなボディとお手頃な価格と簡単な操作で定番モデルとなっています。
PLはもともとPENのLiteモデルという意味で、バリバリのエントリーモデル。電子ダイヤルもひとつだけですし、上面を見るとダイヤルとダイヤル+シャッターと電源が並んでるだけと超シンプル。
iAUTOをベースにカメラ任せで気軽に撮るのが似合うといっていいでしょう。
レンズも薄型電動ズームの14-42mm。このレンズ、発売からかなりたつし、昨今のトレンドからして広角側がちょっと足りないのでそろそろリニューアルして欲しいとは思います。
正面から見るとこのシンプルさがよいですね。
EVFは持たず、背面モニタだけで撮りますが、ユニークなのはそのモニタ。チルト式なのですが、なんと上下にチルト。下に180°回転すると自撮りもできるのです。
気軽に持ち歩いてさっと自撮りもできるカメラということですね。タッチパネルで多くの操作ができるので自撮り時も扱いやすいのがポイント。
特に、カワイク自撮りするには少し上から撮るのがコツで、そうするとモニタはカメラの下にあった方が見やすいし、タッチシャッターもしやすいのです。
iAUTOモードにすると、「eポートレート」(要するに美肌機能)オンオフのアイコンが画面に表示されるのもPLシリーズならでは。デフォルトでほどよく美肌がかかるミラーレス一眼なのです(スマートフォンのビューティー機能ほど極端にはかからないので安心を)。
美肌をオンにしたポートレートがこちら。よく見ると肌が滑らかです。
さらに、iAUTOの威力ってことで、色鮮やかな赤い鳥居と青空。めちゃ鮮やかに撮れているのがわかります。
料理も鮮やかに撮れます。
そしてiAUTOだとちょっと思ったようにいい感じにならないなと思ったら、マニュアル系のモードにしてセット。
太陽光モードにして赤い照明の色を残してみました。
PLシリーズに似合うのはアートフィルター。絞りだ露出だISO感度だというよりは感覚的にフィルタで楽しむカメラだと思います。
PL10のタッチパネルは、全機能タッチ操作OKというレベルには達してませんが、iAUTOやアートフィルターといった機能はタッチパネルで操作できます。
そして公衆電話を「リーニュクレールII」で撮ったのがこれ。
なんか緑の公衆電話を見るとリーニュクレールで撮りたくなるのですよ。なぜかはしらんけど。
アートフィルターでもうひとつ、「ネオノスタルジー」。個人的に勝手に昭和フィルターと呼んでます。
通常の撮影モードとネオノスタルジーの2枚を連続でどうぞ。
初心者にはわかりづらい複雑な撮影機能も、「AP」モードで目的別に選べるような工夫もされています。これはよい点です。
PL10はエントリー向けの低価格機、とはいえオリンパスですからボディ内手ブレ補正はちゃんと搭載。E-M5 Mark IIIに比べると補正能力はちょっと落ちますが、日常の撮影なら十分な性能を発揮してくれるでしょう。
ただ、非常に残念なのは、いまだにUSB充電に未対応なこと。エントリー機ならばこそ、旅行時などに充電器を持っていかなくてもいいようにUSB充電に真っ先に対応すべきだと思うのです。
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E-M5 Mark IIIかPL10かどっち?
細身でコンパクトなレンズが豊富でボディもコンパクトなマイクロフォーサーズ。機動力重視のミラーレス一眼としては非常にバランスがよいデキで、実用性が高いのが良さ。
カメラが好きでしっかり撮りたい人はE-M5 Mark III。劇的な新機能がないのは残念ですが、性能的にはハイエンド機のE-M1 Mark IIに準じるので本格的な撮影にも対応しています。趣味のカメラっぽい見た目ながら、実用性が非常に高いカメラです。ガチで望遠レンズを振り回すにはグリップが弱いので別売りグリップをつけるか、素直にE-M1系を買うべきですが、ほとんどの人はE-M5 Mark IIIの方がよいでしょう。
対して、もっと気軽にミラーレス一眼を楽しみたい人、コンパクトカメラ感覚で使ってみたいエントリーユーザーにはPL10がよし。相変わらずUSB充電できないのは欠点ですが、エントリークラスでボディ内手ブレ補正を搭載してるミラーレス一眼はないのでそこが魅力です。
オリンパスのボディ内手ブレ補正は一度使うと手放せません。
日常的にカメラを楽しむならどちらもよい選択となりましょう。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。