小さくて軽くてシンプルですべすべしてて超高性能なカメラがあったら、まあ誰でも欲しくなるのではないかと思います。
それがソニーのDSC-RX100M7(RX100VII。以下、RX100M7と書きます)。
2017年に出て史上最強コンデジといわれたとかいわれなかったとかよく知らないけど、RX100M6の後継機です。いや、ソニーの場合、旧モデルも現行モデルとしてラインナップされますから、後継機というよりは上位モデルといった方がいいかも。
相変わらず見た目はほとんど変わっていませんが、中身が2019年度バージョンになったと思ってよいでしょう。
このシリーズの特徴は、オーバースペック上等の超高性能な最先端の技術を投入しつつ、それを感じさせない小さくて軽くて丸くて親しみやすいボディという不思議なバランスにあります。
高性能なコンパクトカメラが欲しい人も、親しみやすく小さなコンパクトカメラが欲しい人も、両方のニーズを満たすという怖ろしいシリーズということですね。
さらさらボディに8.3倍ズーム搭載
RX100M7は従来のRX100シリーズ同様、ボディはすべすべさらさら。ぎゅっと握るグリップ部もフラットですべすべなので、つい手が滑って落としそうになります。
もうこれは伝統ですね。このすべすべ感がよいのですが、実用性重視なら、貼り付けるグリップを使いましょう。純正品も出ています。
そんな平らなボディの真ん中にツァイスのレンズ。
RX100M6と同様、高級コンパクト機の代名詞である1型センサーを採用しつつ、レンズは24-200mm相当の8.3倍と高倍率で、重さはなんと302gです。
高級コンパクト機は大きなイメージセンサーを搭載する上にクオリティも要求されるので、どうしても大きく重めになりがちですが、ここまで小さく収めているのは感心です。
24mmと200mmの写りの差はこんな感じ。
撮影最短距離は広角側でレンズ前8cm、望遠側で約1mですが、実はおすすめは50〜60mm相当の標準域。広角端から少しズームしたくらいのところ。
近接撮影をするならこのくらいのズーム域が一番使いやすいと思います。
とまあ、小さくて軽くて広角で、風景を撮ることも望遠で大きく撮ることもぐぐっと被写体に寄って撮ることもできる超便利コンパクトなのですが、その最先端技術っぷりを発揮するのはそこではありません。
速さと賢さです。
まずAFが速くて賢い。
オート時はリアルタイムトラッキングAFがオンになっています。撮りたい被写体を指でタップすると、ずっとそれを追いかけてくれます。そういう機能自体は他のカメラも持っているのですが、RX100M7は捕捉能力が高い。
一度捕まえたらしっかり追ってくれるので、動くものを撮るときに力を発揮します。
実は一眼レフよりミラーレス一眼の方がマニュアルフォーカスに向いているのですね。
で、撮ってみました。比較的コンパクトなのにF1.1という大口径で低価格ですから、写りも原始的なオールドレンズと変わらないかなと思いきや、なかなかよく写っています。もうちょっと収差が強く出るかな、不自然なボケになるかなと思ったのですがなかなかいい具合です。
しかも、AF追従で秒20コマの高速連写ができます。あっちこっちへ動いている相手でもちゃんとピントを合わせながら連写できます。
さらに新しく1回シャッターを押せば秒90コマの超高速で7枚撮ってくれるワンショット連続撮影機能も装備。超高速で動いている何かの瞬間を捉えたいときに使います。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。