【レビュー】

懐かしさだけじゃなく遊びやすさも向上したゲーム機
メガドライブ ミニ

2019.10.06
トリセツ編集部/高島おしゃむ

番外コラム:“より綺麗に”を追求すればするほどお金がかかるレトロゲームの世界

ここで箸休めとして、レトロゲーム全般に関する話題に触れたいと思います。実は昨年の一時期、ひょんなことからレトロゲームにハマり、さまざまなハードやソフトを入手してきました。ゲーム機自体やソフトはさほど高いというわけではなく、ソフトにいたっては100円から入手できるものもあります。しかし、問題となるのはそこではありませんでした。

たとえば初代ファミコンや初代PCエンジンは、映像と音声出力にRFスイッチを使ってテレビと接続していました。アナログテレビ時代の代物ゆえに、もはや今どうやってそれを使えばいいのかわかりません。それ以降のハードではAV端子が一般化しましたが、最近のテレビやディスプレイではもはや見かけなくなりつつあります。

しかたがなくAV出力の映像をHDMIに変換するコンバーターを使用することになるのですが、1000円ほどで売られている安いコンバーターではアスペクト比の設定が行えず、画面が横に引き延ばされてしまいます。また、AV出力の映像はあまり綺麗とは言えないため、S端子ケーブルやRGBケーブル、D端子ケーブルなど、より画面を美しく出せるものに手を出すようになっていきます。これがまたびっくりするほどのお値段で取引されており、筆者はゲームキューブ用の純正D端子ケーブルを、なんと1万7000円も支払って入手したことがあります。つまり、レトロゲーム機は、より美しい映像で楽しみたくなると、その途端にお金がかかってしまうというわけです。

こうした苦労を経てレトロゲームを遊ぶことになるのですが、それを考えるとミニレトロゲーム機がいかにお手軽かわかると思います(笑)。

メガドライブ ミニ
オリジナルのハードも素晴らしい面はたくさんありますが、
ミニレトロゲーム機の魅力はやはりお手軽さと
豊富なソフトがワンパッケージになっているところにあります。

ついに幻の『テトリス』が正式にメガドライブ用ソフトとして収録!

最後に今回収録されている42本のタイトルの中から、特に注目の作品をピックアップしてご紹介したいと思います。

ダライアス

メガドラで『ダライアス』なんて発売されてたっけ……?と思ったら、なんとこちらはこのハードのために新規で移植してしまったという作品です。『ダライアス』といえば、3画面を使った筐体がゲームセンターで異様なオーラを放っていましたが、そのテイストをそのまま活かしつつ1画面分にアレンジして移植されています。

メガドライブ ミニ

テトリス

メガドライブの『テトリス』といえば、版権問題でカセットまで作っていたにもかかわらず販売が中止になってしまったという、いわくつきの作品としても有名です。当時のセガには、このメガドラ版テトリスのカセットが山のように積んであったという噂もありましたが、それがついに正式にメガドライブ用タイトルとして日の目を見ることになりました。

メガドライブ ミニ

実はこのメガドラ版『テトリス』ですが、すでにPS2用ゲームの『SEGA AGES 2500 シリーズ Vol.28 テトリスコレクション』にも収録されており、収録されるのは今回で2度目となります。いずれにせよ、本作が今回のラインアップに含まれているのは、『メガドライブ ミニ』のコンセプトである「歴史」を感じることができ、なかなか感慨深いものがあります。

SEGA メガドライブ ミニ

SEGA メガドライブ ミニ 参考価格:7,580円

※本文内の価格情報は2019年10月03日時点でのAmazon.co.jpの価格です。


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高島おしゃむ
【IT&ゲームライター 高島おしゃむ】

コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者やドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年よりフリーで活動中。XRやPCなどのIT系やゲームをメインに、年間120本以上の取材をこなしています。