iPhone 11 Proで削られたもの改善されなかったもの
今回はざっと、内部のどのチップがどうしたとかこうしたとかそういうテクニカルな話は一切飛ばして、実際に使ってみた感想を中心にざっくり書いてみたんですが、最後に3つ、今回のiPhoneで新たに追加された機能と、削られた機能と、改善されなかった機能の話をしたいと思います。
追加されたのは、NFCタグを読む機能。簡単にいえば、SuicaやPASMOやnanacoやEdyやその他Felicaを使ったカードの情報を読み取る機能が付きました。ICカード以外のNFCタグも規格が合っていれば読めるはずです。
それを利用するアプリは付属しないので、App Storeからサードパーティのものをダウンロードする必要はあります。
わたしが使ってみたのは「Japan NFC Reader」というもの。これを立ち上げてカードにかざすと、その内容を読み取ることができました。
これ、モバイルSuicaがトラブって使えなくなり、財布に入っていたView Suicaカードにチャージしてなんとか切り抜けたときのですね。
まあわたしはモバイルSuicaのみなのでアレですが、カード型の非接触型ICカードを使って買い物や交通機関を利用している人は残高チェックなどに使えます。
削られたのは「3D Touch」。使っている人でも「なにそれ?」って人がいるだろうけど、つまり画面を押す強さを検知してそれで操作をするというインタフェース。強く押すか弱く押すか触れるか。
長押しでもいいんだけど、強さだと瞬時に判断できるのがよかったのですが、なかなか定着しなかったようです。
個人的には次の3つのケースでよく使っていました。
ひとつはロック画面からのカメラの起動。カメラアイコンを強く押すとすぐカメラが起動したので便利だったのです。
2番目はTwitterなどでURLを強く押すと瞬時にそのページがポップアップする機能。
3番目はカーソル移動。文字入力時に、画面を強く押すとカーソル移動モードになり、指の動きでするするとカーソルを動かせたのでした。
1番目と2番目は長押しで代用され、3番目はスペースキー(空白キー)を長押しすることでカーソル移動が可能になります。
3D Touchについては、慣れればなくなっても特に困らないといえば困らないわけで、よく使っていた人は頭に入れておきましょう。
最後は改善されなかった機能です。
それはカメラのシャッター音。残念ながら今回も鳴ります。
カメラ付ケータイが登場したとき、盗撮抑止の名目でシャッター音を消せないようにして以来、「日本で発売される端末はシャッター音を消せない」ようになってます。中国や韓国メーカーのSIMフリーの端末も日本で発売しているモデルは音がなります。
もはや、シャッター音が必ずするメリットよりもデメリットの方が大きくなっていると思う次第ですが、止めることができないならせめて音を小さくしてくれないかと思うわけで、HuaweiやGoogleなどの端末はiPhoneよりずっとシャッター音が小さくてあまり気にならないのですが、iPhoneのシャッター音は相変わらず大きいのです。連写するとけたたましいレベル。静かな場所での撮影が憚られるくらい。
そろそろ見直してくれないかなと思っております。
でもまあ総合的に買ってよかったiPhoneです。他にもアップデートで追加される機能もありますし、少なくとも、前モデルのiPhone XSを買ったときよりは今回の方が満足感がある感じなので、迷っている人はさっさと買いましょう。
おすすめは、わたしが買った11 Proです。11や11 Pro Maxはちょいとデカいですし、11は液晶、11 Pro系はOLEDというディスプレイ性能の差も見逃せませんから。
※本文内の価格情報は2019年9月30日時点でのApple Storeでの価格です。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。