やっぱトリプルカメラと新カメラアプリでしょう
で、本命はやはりカメラ。
11 Proはトリプルカメラですからね。
従来の26mm相当広角カメラと52mm相当望遠カメラに、13mm相当超広角カメラが加わりました。ちゃんと0.5x→1x→2xと倍々で変化するところがよいですね。超広角から望遠まで撮れるようになったわけです。
超広角カメラの搭載は昨秋あたりからのスマホのトレンドなので、搭載してくることになんら不思議はないわけですが、これがあると全然違います。
ざっくりとこんな感じです。
超広角カメラはとりあえず「目に映ってるものを全部記録してやろう」っていうもの。部屋の様子、広い風景などなど。
広角になればなるほど端っこは歪んで写るので、狭い部屋で記念写真を撮るなんてときには、なるべく真ん中あたりに入り込むのがよいかと思います。
真正面から撮るより、遠近を強調するようなパースを付けて撮ると、超広角ならではの写真が撮れるのでおすすめです。
超広角カメラのメリットはもうひとつ、パノラマ撮影でも生きてきます。パノラマ撮影時に「0.5x」、つまり超広角カメラを選ぶと、上下の画角を広く撮れるので、より広い範囲を写せるのです。
超広角カメラならではのいろんな撮影を楽しむのもよいです。あと将来の話も半分はいってますが、広い範囲を捉えるからこそ可能になる画像の解析とか、ARのようにカメラの写っている世界に情報を加えたり重ねたりするときも、超広角の方が実用的です。
現状でも広い範囲を記録する超広角は自撮りが楽にできたりと、スマホ向きだと言えます。
さらにアップルはプラスαを追加してきました。
これが面白い。
広角カメラで狙うと、その外側にうっすらと超広角で捉えた画像を足してくれるのです。実際に撮る範囲より広い範囲を見ながら撮れるので、構図を決めるときの参考になります。
望遠カメラで撮ったときはその外側にうっすらと広角で捉えた画像を足してくれます。
で、その外側の画像も一緒に記録してくれるので編集時に傾きを直したり構図を直したりするとき、その外側を利用できるのです。
複数のカメラで同時記録しているわけですね。
将来、これを応用したいろんな機能が作られそうです。
超広角カメラによるもうひとつのメリットは背景をぼかすポートレートモード。
今までは「広角と望遠」だけでした。なのでポートレートモード時は、2xの望遠カメラをメインにするしかなかったわけです。
でも超広角カメラが搭載されたことで、「広角と超広角」で背景をぼかす写真を作れるようになりました。これは朗報。
よりいろんなシーンで背景ぼかしを楽しめます。
全体に画質も安定してきりっとした解像感が高い写りになりました。極端な補正や色づけはしない好ましい画作りの路線は維持しています。
新機能として、暗い場所ではナイトモードでイマドキの夜景を撮れるようにもなりました。露出を変えながら複数枚撮影して合成することで、明るくて華やかな夜景を撮る機能ですね。
AFもより高度で正確になりました。
インカメラは画素数が上がり、広角になりました。
どれも超朗報です。
まあ正直にいって、今回のiPhone 11 Proは「買い」です。
指紋認証から顔認証に切り替わってホームボタンがなくなったiPhone Xから新世代のiPhoneになった……と考えるのが普通ですが、個人的には、実は「新世代iPhoneのはじまりは11 Pro」なんじゃないかという予感を感じています。
5Gまで買い換えを待つという人もいるかもしれませんが、少なくともTouchIDのiPhoneを使っている人には、これに買い換えることをおすすめしたいと思います。
※本文内の価格情報は2019年9月30日時点でのApple Storeでの価格です。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。