話題の新製品はフルサイズミラーレス機ばかりだし、オリンパスもE-M1Xなんて大きなフラッグシップ機も出すし、もっと手頃で扱いやすいミラーレス一眼は出ないのか、とお嘆きのみなさま、パナソニックはマイクロフォーサーズも忘れてはおりませんでした。
世界初のミラーレス一眼「G1」を継承する、「G99」の登場です。
最初にその位置づけをちょっと解説。
G1は光軸上にEVFを搭載するスタイルのミラーレス一眼。その後、G2、G3と進化し、2018年にG9 Proが出ました。ただ、G9はスタンダードモデルだった従来の「G」とは違い、「Pro」と名が付くとおり、ハイエンド仕様のカメラに進化したため、価格も性能も重さも頑丈さも上がってしまいました。
そのためプロ筋には人気なのですが、趣味として楽しみたい人にはちょっとヘビー。
そこに出たのが、ミドルクラスのG99なわけです。
G9 Proの弟分にして、G8の後継機。
定評あるG9のよさを加えた操作系とG8の手軽さのいいとこどりをした完成度の高いカメラです。
オリンパスでいえば、E-M5シリーズ、富士フイルムでいえばX-T30あたりでしょうか。
G99は安心して使える超スタンダードミラーレス
G99のよさはなんといっても使い勝手。操作系はG8をベースに上位機のG9が合体。だからボタンやレバーは多めですが、自分であれこれ設定してイメージ通りの写真を撮りたい、その場に応じたセッティングにさっと変えて撮りたい、という中級以上を目指す人には超使いやすいはずです。
まず、細めで深いグリップはしっかりと握れて安定感があります。
グリップの形状はシャッターボタンの下がいい感じにえぐれていて、ここに右手中指をひっかけられますので非常に安定します。
このグリップはたまりません。
そしてシャッターボタンの周りに前電子ダイヤル。G8と同じですが、人差し指を少し動かすだけですぐに回せます。
続いて、上から見てみましょう。
後ろ電子ダイヤルオン中心にあるボタンはカスタマイズ可能。
左肩にはドライブモードダイヤルがついてます。
シャッターボタンの手前にあるWB、ISO感度、露出補正の3つ並んだボタンはG9 Pro譲り。
このボタンは微妙に高さが違っていたり、ISO感度ボタンにポッチがついていたりと、ファインダーを覗いたまま手探りで操作しやすくする工夫がなされています。
そして背面。
特筆すべきはフォーカスモード切り替えレバーがここにあることですね。グリップした状態で親指を伸ばすとすぐ切り替えられます。
G8やG9やS1と同様、背面のデザインがよく考えられていて、フォーカスモードを親指で切り替えられるのは便利。Fnとあるボタンや十字キーはフルカスタマイズ可能です。
またG8では十字キーのみだったのですが、G99ではG9と同様コントロールホイールがつきました。
AF枠を移動するスティックはありませんが、ファインダーを覗いているときは背面モニタをタッチパッドとして使うことができる「タッチパッドAF」が搭載されています。感度といい使い勝手といい非常に優秀なので、それを使えばOKです。
カメラ任せでフルオート(iAモード)で撮るのがメインという人にはボタンが多くてややこしいと思われるかもしれませんが、細かいセッティングをしたい人にはよいボディデザインです。
キーやレバーのカスタマイズの幅も広いので自分好みのセッティングもできます。
※本文内の価格情報は2018年6月27日時点でのAmazon.co.jpの価格です。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。