画質も機能も完成度が高いG99
ではここからはさくさくと撮りまくりましょう。
イメージセンサーはマイクロフォーサーズで2030万画素。G8より上で、おそくらGX7MK3と同じものでしょう。
そしてボディ内手ブレ補正搭載。手ブレ補正機構を持たないレンズ(オリンパスやシグマのレンズとか)でもOKです。
さらにパナソニック製のレンズ内手ブレ補正搭載レンズと組み合わせると、両方の手ブレ補正を連動させる「Dual I.S.2」が働いてさらに強力になります。特に望遠レンズで威力を発揮します。
次の例は163mm(326mm相当)で1/15秒というスローシャッターの手持ち。レンズは「LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm/F4.0-5.6」で古い電動ズームレンズで「Dual I.S.」(つまり2じゃない)までの対応なのですが、しっかり止まっています。このレンズ、軽くてコンパクトなので気軽に望遠撮影したいときに重宝します。
AFはもちろん瞳認識付き。
残念なのは、G9 Proが搭載する「人体認識」に未対応な点。画像処理エンジンの違いでしょうか。いずれこのクラスにも人体認識や動物認識が搭載されて欲しいと思います。
AFはコントラスト検出AFですが、パナソニック独自の空間認識技術と高速駆動で非常に高速。
AF固定で秒9コマ、AF追従で秒6コマの連写が可能です。
ISO感度はISO200から最大で25600まで。
動物園の暗い室内でISO12800撮影に挑戦してみました。室内の動物を撮るときはフラッシュ厳禁、AF補助光もオフ、が鉄則です。
超高感度がどうかは被写体にもよるという感じですが、ISO12800が必要な環境でもAFはちゃんと(AF補助光なしで)効いていましたし、実用度は高そうです。
まあ総じてホワイトバランスの安定度を含めて写りの安定感はなかなかのもの。
どかっとまとめて作例を挙げていきましょう。
モニタはバリアングル式なので、さまざまなアングルで撮れます。
さらに、パナソニックのカメラはさまざまなフォトスタイルやエフェクトを持っています。フォトスタイルは通常の撮影モードで色のテイストを決めるもの。クリエイティブエフェクトはもっと突っ込んで、アーティスティックなデジタルフィルタをかけるもの。
特にモノクロ関係が充実していて、フォトスタイルの「L.モノクローム D」はなかなか風合いがよくてお気に入りです。
という具合。
動画は4K動画まで対応。手ブレロックをオンにすると手持ちで撮るときにより強力に手ブレ補正をしてくれます。
スマホとの連携はBluetoothとWi-Fiの両方に対応。使い勝手は良好です。
残念なのは、USBですね。USB充電できるのはよいのですが、端子が「microUSB」端子なのです。今は新しい「USB Type-C」端子が主流になりつつあるわけで、この先何年も使うカメラですから「USB Type-C」を採用して欲しかったなと思うわけです。
G99は、中級クラスの手を出しやすい本格派ミラーレス一眼という感じです。
が、LUMIXならではの4Kフォトやフォーカスセレクト、豊富なシーンモードもあるので、いろんな撮影を楽しみたい初心者やデジタルならではの表現をしてみたい人にもおすすめ。
まあ、カメラっぽいスタイルで本格的な撮影を楽しめるミラーレス一眼が欲しいならこれは非常によいでしょう。機能や性能のバランスもいいし、使い勝手のバランスも良好です。特筆すべき個性があるわけではありませんが、幅広く安心して使えるので多くの人におすすめできる名機といえましょう。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。