フルサイズらしい写りを楽しめる、EOS PRその他の作例
次は風景を撮ってみましょう。
これも35mm F1.8で撮っています。もうちょっとこってりと色が乗ってもいいかな、もう少しアンダーで撮りたいかなとは思いますが、その辺はお好みで。
このレンズは明るくて寄れますから、料理にも最適。
マクロを活かして、ネコ好きにはたまらないピンクの肉球。
暗所でのAFに強いのもEOS R/RPのよさです。
夜のツツジもこのとおり。
続いて、標準ズームともいえる、24-105mm F4をつけてみましょう。
ちょっとスペックの話も。
イメージセンサーはフルサイズで約2620万画素。キヤノン得意のデュアルピクセルCMOSなので、AFも高速です。暗所でもちゃんと合うのがよい点です。
ボディ内手ぶれ補正はなし。これは残念な点ですね。
シャッタースピードは最高で1/4000秒。電子シャッターを使うサイレントモードもありますが、基本的にはメカシャッター。
電子シャッターを自在に使えるのはミラーレス一眼のメリットなのですが、そういう飛び道具的な撮影機能は持たず、カメラとしてベーシックなところを追求しています。
連写は約秒5.0コマが最高。この辺はエントリーモデルの連写性能という感じです。
ISO感度は最高でISO40000.拡張感度としてISO51200と102400も設定できますが、さすがにISO40000まであげちゃうときついかな。ISO12800くらいまでに抑えておきたいかなと思います。
動画は4Kで24fps(UHS-IでUHSスピードクラス3以上のSDXCカード使用時のみ)、フルHDでは60fpsで撮れますし、ステレオマイク端子もついています。
フルHDで撮る分にはけっこういけそうです。
コストパフォーマンスは最高の携帯性抜群カメラ
過酷な撮影(雨の中とか連写しまくりとか一瞬の勝負とか)には向きませんが、日常や旅行時や何かのイベントでフルサイズらしいきれいな写真を撮りたい、という人には最適です。初心者にも親切なのがうれしいところ。
でも、初心者向けのズームレンズがないのは残念なところです。35mm F1.8はフルサイズを満喫するにはよいレンズですが、やはり「軽くて安くて手頃な」ズームレンズは欲しいでしょう。現行のズームレンズは高性能、高画質なものの、いささか重くて高価なのです。
まとめると
- EOS RPはフルサイズミラーレス一眼の中ではコストパフォーマンス最高
- 上位機のEOS Rに比べるとコストダウンの跡は見えるけど、その分、お求めやすい価格なので納得
- フルサイズミラーレス一眼を気楽に持ち出したくなる軽さと持ちやすさ
- Kissの親切さを取り入れたわかりやすさ
- でも初心者向けの軽くて廉価なズームレンズがない
といったところです。
コストパフォーマンスに優れたよいカメラなのは確かなので、オートで気軽にフルサイズEOSの画質を楽しめるデジタル一眼が欲しい、と思ったら検討してみるべきでしょう。凝った撮影もできますから、軽いフルサイズ一眼が欲しい中級者の方にもよいでしょう。中級以上の、もっと本格的に撮りたい、過酷な撮影もするかも、という人はEOS Rをおすすめしたいかな。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。