リアルタイムトラッキングAFの追従性能はめちゃ秀逸
さて、カメラ性能の話。。
α6400はAPS-Cサイズセンサーを搭載したEマウントのミラーレス一眼です。画素数は2420万画素で、425点の像面位相差AFセンサーを持っています。要するに、画面上の425点にAFポイントがあって、そのどこででも快適なAFが可能です。
このあたりはα6500と同じですが、AFはより高速に進化しています。α6500は最速で約0.05秒ですが、α6400は約0.02秒……えっと、速すぎてどのくらい違うのかさっぱり分からないレベルですからまあこの辺は「めちゃ速くて快適」と思ってOKです。
で、今回のAFは速いだけじゃなくて賢いというのがポイント。
多くの人はフォーカスを合わせるとき、カメラ任せの「オートエリアAF」をメインに使うかと思いますが、そのときのヒット率が高くなっているように感じました。
オートエリアAFがこちらの求める場所と違うときは、タッチパネルを使って目的の被写体を指示すればよいのですから話は簡単です。
さらに、瞳AFも進化して「リアルタイム瞳AF」になりました。相手が動いていても、瞳にAFが追従するのがポイントです。
人を撮るとき、瞳にピントが合っているかどうかは超大事。もうちょっと顔を明るく撮ってくれてもよかったかな(おまかせオート時は露出補正ができないのがちょっと残念)。
さらに、「リアルタイムトラッキングAF」がスゴい。
これは「自動追従AF」のことで、指定した被写体やカメラがメインの被写体と判断したものを自動的に追い続けてくれる機能です。それ自体は多くのカメラに搭載されているのですが、α6400はすごく精度が高くて一度捕まえた被写体への食いつきがいいのです。AF-Cモードにすれば、こっちへやってくる被写体にピントを合わせ続けてくれるので、ピンボケがぐっと減ります。
これは使っていてかなり感心したので、ちょっと検証してみました。ターゲットは「プラレールアドバンス」。プラレールの半分だけ使う小さな車両で、小さい分、自動追尾が難しいのです。
ちゃんと追いかけてくれました。
緑の枠がリアルタイムトラッキング中の印。ちゃんと車両のフロント部分を捕まえているのがわかります。
試しに隣に新幹線を置いて連写したのですが、それに惑わされずにちゃんと雷鳥にピントを合わせ続けているのがわかります。
常用できるレベルですね。
では最後にいろんな被写体を撮りつつ画質やレンズの話をしましょう。
まずα6400で撮るのは人。瞳AFは速くて瞬時に捉えてくれるので、桜と一緒に記念写真、的なもののみならず、振り返った瞬間的な写真も得意。
逆光時などはちょっと顔を明るめに補正したくなりますが、発色やディテール描写は問題なし。さすがデジタル一眼、の写りです。
風景は特にコメントすることはないですね。色も階調もしっかりしていて、暗部が浮きすぎることもありません。
夜景もなかなか。ボディ内手ブレ補正はありませんが、手ブレ補正付レンズを使えば通常の利用では問題ありません。手ブレしそうならISO感度を上げればいい、って感じです。
α6400をレンズキットで購入する場合、16-50mm(広角に強いエントリー向け標準ズーム。薄くて携帯性が高くて低価格の電動ズーム)のパワーズームレンズキットか、それに55-210mm(エントリー向けの望遠ズームレンズ)を加えたダブルズームレンズキットか、18-135mmの高倍率ズームレンズキットか、になります。
デザインで考えれば18-135mmの高倍率ズームキットがいいでしょう。レンズのデザインもボディに合っています。16-50mmは一世代前のデザインですから。
クオリティも上々で、ボケも55-210mmよりきれいです。ただ、広角がちょっと弱いのと、撮影最短距離が45cmとちょっと長めです。
16-50mmはクオリティはあまり高くありませんが、薄くて軽く近距離の撮影もそこそこ得意なので、料理の撮影や自撮りをする人にはよいですね。
ダブルズームレンズキットの望遠レンズは210mmまでいけますから、かなりの望遠撮影を楽しめます。
桜に止まったメジロを210mmで。もうちょっとプラスの補正をかけてもよかったか。クオリティはそこまで高くありませんが軽量望遠ズームとして便利。
まあ、携帯性重視・自撮りもする・テーブルフォトをよく撮るならパワーズームレンズキット、広角から望遠まで幅広く撮りたいなら18-135mmの高倍率ズームレンズキットがおすすめでしょうか。
そして、別途高画質な単焦点レンズを1本用意しておくと、撮影の幅が広がってよいでしょう。今回はFE 55mm F1.8のフルサイズ用標準レンズも使ってみました。
やっぱ一番のウリはAFかな
さらに何か付け加えるとすれば、USB充電対応で便利(ただ、microUSB端子のままだったのは残念)、NFCやQRコードを使ってスマートフォンともすぐ接続、ボタンやダイヤル類は少ないけどそこはカスタマイズでカバー、というところでしょうか。
最後にさらっとまとめておきましょう。
- APS-Cサイズセンサーならではの高画質
- ボディがコンパクトで携帯性が高い
- リアルタイムトラッキングAFがバツグンによい
- 背面モニタの可動範囲が広くて自撮りもOK
- どのレンズキットにするかは悩むかも
というところです。
フルサイズミラーレス一眼が話題の昨今ですが(それを引っ張っているのがソニーのα7シリーズだったりもするわけですが)、フルサイズは価格がワンランク上がりますし、レンズも大きく重くなりますから、APS-Cサイズの手頃なミラーレス一眼に目を向けてみるのもおすすめ。
中でもα6400の賢くて速いAFの快適さは、初心者から上級者までみながその恩恵に授かれる要注目ポイントであるといえましょう。このAF、欲しい。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。