【連載】iPhoneのトリセツ【第3回】

iPhone Xは従来のiPhoneより使いやすい? (2/2)

2018.07.29
トリセツ編集部/荻窪圭

2.FaceIDは指紋認証より便利?

iPhoneのトリセツ

従来のiPhoneはホームボタンがTouchID(指紋認証)を兼ねていました。Android機には指紋認証のセンサーを背面など他の場所に置いて対応するものもありますが、アップルは思い切って指紋センサーをなくして、FaceIDだけにしました。

これがなかなか優秀で、登録した顔を3Dデータにしているので、メガネをかけていても外していてもOKです。

ときどき認証に時間がかかることがありますが、そういうときはカメラ部分を見つめるようにするとよいでしょう。ただ、それでも顔認証がなかなか上手くいかないことがあります。

どういうときに失敗するのか。経験上、2つのケースがありそうです。

ひとつは、太陽の位置。

顔認証はカメラを使って行います。太陽がちょうど頭の後ろにあると(つまり太陽を背にしていると)、太陽からの強い光が邪魔をしてカメラがうまく顔を見つけられないようです。 暗いところが苦手と思いがちですが、実は暗い場所より(暗い場所はたいてい問題ありません。赤外線を照射してチェックしているからです)、太陽を背にした(つまりカメラに太陽光が直接当たるような)シチュエーションの方が難しいのです。

もうひとつはカメラと顔の距離。

特に近視の方、メガネやコンタクトを外していると、つい画面に顔を近づけてしまいますよね。そうしないと画面の文字が読めませんから。また、暗い場所だと本能的に「カメラに顔がよく写るように」と顔を近づけてしまいがち。

それ、アウトです。

なぜなら、カメラは顔全体を見てその人かどうかを判断しているからです。顔を近づけすぎるとカメラから顔の一部しか見えず、顔認証に失敗します。

顔認証に失敗して「パスコードで支払う」ボタンが出てしまった

顔認証は顔全体がカメラに写るように、30cmくらい離すとよいでしょう。

顔認証のシステムが優秀であることはわかりましたが、最も大切なのはセキュリティです。

よりセキュリティレベルを上げたい場合は、「Face IDを使用するには注視が必要」をオンにしましょう。オフにしているときより顔認証のヒット率は下がりますが、画面を見てないときはロックが外れなくなるので、オンにしている方がセキュリティレベルは高くなります。

これ、大事。

注視が必要は「オン」にしておきたい

また、顔認証は何回か失敗するとパスコードの入力が求められます。これはあきらめましょう。

さらに、マスクをしていると顔は認証されません。しょうがないことですが普段からマスクをしている方や、外出時にサングラスやマスクで素顔を隠す芸能関係の方はiPhone Xに向かないかも。

一方、指紋認証は手袋をしているとダメなので、マスクや手袋をよく身に着ける冬はどちらもつらそうです。

結論:顔認証自体はかなり優秀。うまくいかないと思ったら、カメラに近づきすぎてないか気をつけて。

3.「ノッチ」は邪魔?

iPhone Xが発表されたとき、例によって「ジョブズなら許さなかった」などと故人を勝手に引っ張り出して文句をいう人がまたもや出現して閉口したものですが、ジョブズも草葉の陰で苦笑しているかと思います。気に入らないならジョブズを引っ張り出さずに自分の言葉でいえばいいのに。

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背景が白っぽいと目立つ画面上部の「ノッチ」(俗称「切り欠き」)。 さてこの「ノッチ」、確かに美しくはなく、これが素晴らしいという人はいません。なぜか今年(2018年)に搭乗したAndroid機にノッチ付のものが増えていますが、そこまで真似しなくてもいいのにとは思います。

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写真アプリで撮影地表示をしたところ。こういう画面の使い方だとノッチが少し気になるかな

iPhone Xの場合、全面ディスプレイを実現すべく四辺すべての枠を同じ太さにしたいが、上部にはフロントカメラやそこに必要なセンサー類を迂回せざるを得なかった。そして、上下と左右で枠の太さを変える(たとえばiPhone 8は上下だけスペースがあり、上にカメラや電話用のスピーカー、下にホームボタンがある)よりは、ノッチをつけてでも全画面っぽい感じを残したかったと考えるのがいいでしょう。





このノッチが美しくないのでiPhone Xは論外、という人もいれば、使っていると気にならないという人もいます。

実際、ノッチのせいで見えるべきものが隠れるということはありませんから(ディスプレイ自体は16:9より細長いので、HD動画もノッチ部分を避けて再生すればOK)、個人的には違和感なく使えています。iPhone X対応アプリの中には、もうちょっとノッチ部分を考慮した画面デザインにしてくれよと思うものもありますが。

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動画再生時にノッチが引っかかることはない

ノッチがもう少し小さくなり、ノッチ両側に表示される情報量が増えるといいかな、とは思います。

結論:ノッチが使い勝手を落とすということはほとんどないけれど、こればっかりは使う人の趣味の問題かな。

以上。iPhone Xが他のiPhoneとは異なっていて、使ってみないと分からない3つのポイントに言及してみました。

個人的にはもう「ホームボタンのついてるiPhoneには戻れない」と感じています。

Face IDも将来的にはもっと正確にしかも高速になり、「持ち主本人が使用する場合にはロックの解除を一切意識させず、しかし他の人が使おうとすると確実にロックが作動する」ような自然なセキュリティを目指しているのかと思います。

まあ、ノッチはもっと小さい方がよいですけどね。



荻窪圭
【デジカメライター 荻窪圭】

老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。