AIの効果を感じられる?
今回新たに搭載された「Neural network Processing Unit(NPU)」は、通信とクラウド処理に頼らずに、端末内だけでAI機能が使えるようになるものと考えればいいでしょう。外注していた作業を内部で対応できるようになったようなものなので、全体的にとても高速になるのがポイントです。その恩恵はカメラ、操作のレスポンス、バッテリー持ちに感じられます。
カメラでは、AIにより自動的に、文字、フード、舞台、青空、雪、ビーチ、犬、猫、夜景、日の入り/日の出、植物、ポートレート、花の13シーンが検出され、そのシーンに最適な設定で撮れるようになりました。つまりカメラを向けるだけで、瞬時に誰でもベストな色になるということです。ただし構図は人が決めなくてはならないので、確実に「写真が上手になった」といわれるかどうかはわかりません。しかし、空の青は青く、木々の緑は瑞々しく、ご飯は美味しそうになるので失敗は減るでしょう。
これはNPU搭載効果ではないかと特に感じるのはバッテリー持ちです。バッテリーそのものは4000mAhと変わらないのですが、Mate 10 Proに変えてから1日の終わりに「あれ、今日まだ充電してないな」と思うことが増えました。内部的に賢く動作を制御して無駄をなくし、節電してくれているのだと思われます。AIというと人としゃべる機械をイメージしがちですが、こんなところでも活躍してくれるのだ、と感じられて面白いですね。
そのうちフロントカメラの美肌処理も人種、性別、年齢を瞬時に判断して、男性はむしろシブみを加え、女性は年齢に応じた美肌効果を適用し、全体の絵として自然に見えるようにしてくれるかもしれません。そんな風に考えるととても未来的な機能です。
その他に嬉しいところと不満点
Mate 10 Proに限らず、HUAWEIのダブルレンズ搭載スマートフォンすべてに言えることですが、被写体との距離に関係なく背景をぼかせるところは大きな魅力です。撮りたい部分にギリギリまで寄りながらも、その背景は綺麗にぼかす。今これができるスマートフォンのカメラはなかなかありません。
あとは、買ってすぐ使える準備がなされているという配慮が嬉しいですね。専用のケースが付属しているのであわてて買わなくて済みます。また、出荷用とはいえ、わざわざ剥がす必要性を感じないくらい、ゴミも気泡もない完璧な保護シールが貼ってあるので、購入したらケースを装着してすぐ使えます。
あまり褒めすぎると怪しまれるので、不満点も述べておきましょう。それはストレージが128GBで、外部のメモリカードが使えないこと。写真や動画はクラウドストレージに保存して消せば、という考え方もありますが、好きな写真や動画はローカルに置いておきたくなるものなのですよね・・・・・・。
おそらくこの端末を持つと、シャッターを切る回数が猛烈に増えるはずなので覚悟が必要です。もちろんいざというときのために、クラウドストレージへのバックアップも大事ですので、くれぐれもお忘れ無く。
いやほんと、年末ギリギリの購入でしたが、スマートフォンとしても、カメラとしても優秀で、ベストバイとしたHUAWEI Mate 10 Proのご紹介でした。
今はクリスマスシーズン。Mate 10 Proはライトが綺麗にまる〜くボケます。こんな写真が撮りたい!という方はぜひお試しください。
IT関連やモバイル、家電、ヘルスケアジャンルを中心に執筆するフリーライター。ガジェットと料理写真をこよなく愛する。健康関連情報も大好物で睡眠改善インストラクターの資格も取得。主な著書に「iPhone仕事便利帳―1台を使い倒す300の活用法」