2:被写体が近いほどよくボケる
2番目の法則は、被写体との距離が近いほどボケる、です。
被写体と背景の距離は離れている方が背景が大きくぼけます。
同じレンズの同じ設定で撮った2枚の写真をどうぞ。
1枚目は、被写体が近くて背景が離れている場合です。背景が大きくきれいにボケてますね。
次は、被写体が遠くて、被写体と背景が近い場合です。背景はほとんどボケてません。
言葉だとわかりにくいので、図にしてみました。カメラと被写体は近い方が背景は大きくぼけるようになります。
たとえば人物を撮るときは、全身よりはバストアップの方が(カメラと被写体の距離が近づきますから)背景をボカしやすいわけです。
極端な話、ギリギリまで近づいて……たとえば数cmまで近づいて撮れば、iPhoneだって背景はボケます。
iPhoneで撮りましたが、この子猫のフィギュアは高さ3cmくらいです。背景がそれなりにボケてます。
さてこれとさきほどの焦点距離の話をくっつけましょう。
iPhoneのカメラは35mmフィルム換算だと28〜29mm相当ですが、実焦点距離は4mm弱です。すごく短い。
これをマイクロフォーサーズの14mmで撮ってみましょう。マイクロフォーサーズの14mmは35mmフィルム換算では28mm相当になるので、画角的にはiPhoneと同じです。そうなると、14mmと4mmの違いが効いてくるわけです。
次の写真がマイクロフォーサーズの14mmで撮った写真。
確かに、ボケ具合は全然違いますね。
さらに先ほどの「望遠にするほどよくボケる」法則に従って、マイクロフォーサーズのカメラを使って40mmの望遠にして撮ってみましょう。前後のボケがより大きくなりました。
というわけです。
実際の撮影距離はこんな感じです。ここまで近づくと前後がほわっときれいにボケてくれるのです。
前景・背景が大きくボケる写真を撮りたくなったら、被写体に近づいて望遠で撮れ、です。ただし、望遠だと最短撮影距離が長くなったりするので肝心のピントにはご注意を。
- ・大きくボカしたいときは近づいて撮れ。
- ・大きくボカしたいときは背景をできるだけ離せ。
- ・ただし近づきすぎるとピントが合わなくなるので気をつけろ。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。