もはや生活必需品と化したモバイルバッテリーであります。
外出先で、夕方くらいにiPhoneのバッテリーゲージが赤くなって、「やべっ20%切った」ってときに慌ててつなぐわけですが、そんなときなかなか充電されないとツラいですよね。モバイルバッテリーをつないだまま使う人もよく見かけますが、あれ、じゃまくさいし。
でも長時間充電してる時間はない。食事中の30分だけ、あるいは移動中の30分だけ充電したらどこまで復活するか。
これ、モバイルバッテリーによって違うのですよ。けっこう違う。
先日、モバイルバッテリーを最新のものに買い換えたら、なんと30分で50%復活したのです。
20%だったのが70%に。
ちなみにそれまで使っていたモバイルバッテリーでは20%が57%止まりでした。
けっこうな差ですね。
なぜそんなに違ったのでしょう。それは、iPhoneの充電能力をフルに発揮してくれるモバイルバッテリーを買ったからですね。
これから買うならUSB PD対応のバッテリーにすべし。
わたしが買ったのは、Cheeroの「Power Plus 5」です。ダンボーバッテリーなどで有名な安くて信頼できるモバイルバッテリーを販売している会社です。
これ、小さいながら10000mAhのバッテリーを搭載してます。容量がでかいわけです。わたしが今まで使ってたのが6700mAhなので、容量は約1.4倍になったけど、ボディサイズはちょっと大きくなっただけ。搭載しているバッテリーが大きいので少々重くはなりましたが、今やモバイルバッテリーを使ってUSB充電できる機器はiPhone(つまりスマートフォン)だけじゃないので、大容量の方が安心です。まあ1泊2日くらいの旅行ならこれだけでOKです。
でも、容量と充電時間は関係ありません。容量は容量です。
ではなぜ充電速度が違うのか。
このバッテリーをよく見ると端子が2つ。
ひとつはお馴染みの「USB Type-A」端子。めんどくさいので「USB A」としましょう。
こちらは従来のUSB充電で使います。ちなみに、iPhone XSを従来のUSB A端子経由で20%の状態から30分充電したら、59%にまで復活しました。USB PD経由だと70%まで復活しましたから、差が出てますね。
もうひとつは現在主流の「USB Type-C」端子。めんどくさいので「USB-C」とします。
このUSB-Cがこれからの標準端子。表裏関係なく挿せますし、従来のUSBは「片方がAタイプ」(こちらはホスト用)、もう片方が「Bタイプ」(こちらは機器用。モバイル機器では小型化したmicro-Bタイプが使われています)と別れていたのですが、USB-Cでは両方とも同じ端子が使えます。
今や、デジタルカメラもスマートフォンもその他のモバイル系機器も(iPhoneを除くと)USB-Cが標準。
ここ1年以内に出た機器はたいていUSB-Cです。そうじゃなければ、ちょっと認識が遅れてると思っていいレベルかも。
で、USB-Cを使った新しいUSB給電の規格が「USB PD」です。PDはパワーデリバリー。電源供給用の規格ということですね。
あまりにUSB充電がポピュラーになったので、それを使ってより大きな電力が必要な機器にも充電できるようにしましょう、どんな機器にもしっかり対応しましょうってことで標準規格が制定されたわけです。詳しく書くとややこしいので、それはまた別の機会に。
Power Plus 5はそのUSB PDに対応したモバイルバッテリー。USB PDは従来のUSB給電より大きな電力を供給できますから、それに対応した機器への充電だと高速になるわけで、iPhoneはiPhone 8以降が対応してますから、それを使うと充電時間がさらに短くなるわけです(ちなみにアップル自身はPD対応を謳っているわけではありませんし、USB PDの規格としてはUSB-C端子が必要なのですが、事実上、専用ケーブルを使えば充電できます)。
ではiPhone XSをUSB-C端子を使ってUSB PDで充電してみましょう。
まずiPhoneをUSB PDで充電するためのケーブルを用意します。アップル純正のものもありますが、今回はCheeroから新しく発売された「USB Type-C」と「Lightning」をつなぐケーブルを使います。
長さは1mと標準的。
そうすると、冒頭で書いたように、20%の状態から30分充電すると70%に。実に30分で50%充電できたのでした。
これは快適。冒頭で書いたように30分で50%充電してくれましたから。ここまで違うとは思いませんでした。これがiPhoneの真の実力だったかー、って感じ。
すばらしいですね。
USB-C端子を使った機器なら何でも高速充電できるかというと、機器側がUSB PDに対応している必要があるのでなんともいえませんが(そうじゃないときはそれなりの充電速度になります)、10000mAhの大容量でコンパクトという点だけでも、悪くない選択肢かと思います。
最近はUSB PD対応のデジタル一眼も出ていますし。
2つの端子を同時に使うこともできますから、ガジェットを多く持ち歩いてる人も安心です。
※本文内の価格情報は2019年6月18日時点でのAmazon.co.jpの価格です。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。