2019年春の新製品シリーズ 第4弾は、フルサイズミラーレス一眼シリーズ最後の大物、パナソニックのパナソニック LUMIX S DC-S1です。
画素数を2420万画素に抑えたS1と4730万画素と高画素のS1R。どちらも魅力的ですが、価格面と高感度面でアドバンテージのあるS1を取り上げることにしました。
ボディはどちらも同じなので、S1Rを狙っている人も参考になるでしょう。
マウントから新しくした新シリーズである上に、パナソニックがフルサイズセンサーのカメラを出すのははじめてということで、伝えるべきことは山ほどあるのですが、今回は内容を絞って紹介しましょう。
の3本立てです。
その1:新しいマウントはどうなの?レンズは揃うの?
LマウントのLはライカのL
新しいマウントを開発したフルサイズミラーレス一眼は、ニコンにしろキヤノンにしろ、まだ専用のレンズは数本しか出ておらず、レンズラインナップが充実するにはまだ何年もかかりそうです。
でも、この2社には豊富な一眼レフ用レンズという強みがあり、どちらも純正のマウントアダプターを介して従来の一眼レフ用レンズを使うことができるため、しばらくは使い慣れたレンズを併用できるわけです。
老舗一眼レフブランドならではですね。
対して、パナソニックにはそういう資産がありません。レンズがまったくないところから新しいマウントを開発するか、それとも他社のマウントを採用するか。
パナソニックはドイツのライカ社と長年の協業関係にあったこともあり、ライカのミラーレス一眼用マウント「Lマウント」を採用したわけです。
その際、ライカとパナソニックに、カメラ用レンズのトップメーカーであるシグマを加えた3社で「Lマウントアライアンス」 を立ち上げました。
パナソニック自身でレンズラインナップを揃えるのは難しいことですが、シグマ社はすでにたくさんの優れたレンズを持っています。そこでシグマ社は、まず自社のレンズをLマウントに変換するマウントコンバーター「MC-21」を発売。シグマのSAマウントをLマウントに変換するコンバーターと、キヤノンのEFマウントをLマウントに変換するコンバータの2つを用意したことで、すぐに使えるレンズが一気に増えたのです。
特に、描写力に定評のあるシグマの明るい単焦点レンズを使えるのは大きいでしょう。
もちろんライカのレンズもあります(価格的にかなり高価なので生半可な気持ちでは買えませんが)から、レンズに関してそこまで心配する必要は無いでしょう。
とりあえず、今回使ったのはパナソニックの「24-105mm F4 MACRO O.I.S.」。このレンズは、24-105mmという一番使用頻度が高いレンズをサポート。防塵防滴で手ブレ補正も搭載しながら、なんと撮影最短距離が30cmという究極の標準ズームと言っていいスペックです。
これがあれば、しばらくは困らないでしょう。
24-105mm F4はハイエンドカメラの標準ズームレンズとして定着しつつありますが、ここまで寄れるレンズとなるとこれだけです。描写力も高く、便利すぎて困るレベル。
※本文内の価格情報は2019年5月22日時点でのAmazon.co.jpの価格です。
※本文内の価格情報は2019年5月22日時点でのPanasonic Storeの価格です。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。