【2019年春の新製品デジカメ】

X-T30は見た目や操作系はアナログ風で中身は最先端のデジタルカメラだった (1/3)

2019.04.24
トリセツ編集部/荻窪圭
富士フイルム X-T30
ファインダーを覗いて撮影するのが似合うX-T30。
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2019年春のデジカメ新製品シリーズ、第2弾は富士フイルムのX-T30。

この春は注目すべき新製品がいっぱい出ているので、どういう順番でレビューしようかと悩んだ結果、小さい方からすることにしたのです。

今回の新製品はハイエンド系が多かった中、ソニーのα6400と富士フイルムのX-T30は手頃なサイズと価格で、実は狙い目なんじゃないかと思うのですよ。

最初に結論を言っちゃうと、シンプルなボディでハイテク感を堪能するならα6400、最新の技術を昔ながらのカメラ操作感で味わうならX-T30って感じ。

X-T30(に限らずX−T3やX-E3も)の面白さは、古き時代のカメラ臭がする、つまりアナログっぽい操作系やデザインを持ちつつも、中身はめちゃ最先端のデジタルカメラである、というところにあるかと思います。







X-T30がもつアナログっぽい操作系は実は理に叶ってる(かもしれない)

X-T30は往年のフィルム一眼レフのようなデザイン。フィルム時代の一眼レフは今のミラーレス一眼並の厚みだったのですね(今の一眼レフは撮像素子や背面モニタの分、フィルム時代の一眼レフより分厚いのです)。

そのボディは写真で見るよりコンパクトで可愛いと思ってOKです。α6400の方が小さそうだけど、実は高さ(X-T30はファインダー部が上に出っ張っているので、その分高さがある)以外はX-T30の方が小さいのです、意外にも。

富士フイルム X-T30
X-T30は手のひらに収まるちょうどよいサイズ感

上から見てみましょう。

このクラスのカメラには、たいてい「撮影モードダイヤル」があってそれで撮影モードを選び、電子ダイヤルを使って露出補正や絞りやシャッタースピードを調節します……が、X-T30に「撮影モードダイヤル」はありません。

富士フイルム X-T30
一般的なデジカメとはまったく違う上面のダイヤル群。
撮影モードダイヤルがない!

右肩には露出補正とシャッタースピード、レンズには絞り値。シャッターボタンは中央にケーブルレリーズ用のネジ穴がついています。

撮影モードダイヤルにある「PASM」は絞りとシャッタースピードの関係を決める方法を指定するものですから、X-T30の場合、シャッタースピードと絞りをそれぞれAにすればプログラムオート、絞りを手動にすれば絞り優先AEという具合にダイレクトに指定できます。撮影モードを変更するより、すばやく設定を変更できるといって過言ではありません。個人的にこれはわかりやすくて好きです。

さらに、突然フルオートにしたいとき(実はけっこうあります)は、「AUTO」レバーを入れるだけ。そうするとシーン自動認識のフルオートになります(これは上位機種にはない機能です)。

でもそれだけだといろいろと足りないところも出てきます。たとえば、動画はどうするんだ、とか。

そのため、左肩のドライブモードダイヤルが拡張されています。連写やブラケットに加えて、動画やAdv(要するにデジタルフィルターをかけた撮影モード)やパノラマなどが一緒に入っているわけですね。その辺はうまく考えられてます。

さらにそれでも足りないときは(たとえば、シャッタースピードは1段ずつの刻みなのでその間を指定したいときとか、1/4000秒より速いシャッタースピードを指定したいときとか、ISO感度を変更したいときとか)、前後のコマンドダイヤルを使います。

この電子ダイヤルは前後ともプッシュスイッチを持っていますから、意外にいろんなシーンで使えます。

残念なのは、電子ダイヤルの動きが軽すぎて、不用意に回してしまいやすいことくらいでしょうか。

注釈をつけるとこんな感じ。

富士フイルム X-T30
こんな構成になっています。

まあ、要するに、ダイヤルをカチカチ回してさっとセッティングできるようになると楽しいわけです。

上位機種だとさらにISO感度ダイヤルがつくわけですが、X-T30はそれを前コマンドダイヤルで行います。

また、また、背面も特徴的です。

チルト式モニタがあり(タッチパネル対応)、その上にファインダー(EVF)があります。まあ普通です。ファインダーの両側にボタンやダイヤルがあります。

でもアレがありません。十字キー。

富士フイルム X-T30
十字キーがなくてすっきりした背面。

十字キーがなくて困るかというと、2週間ほど使いましたがまったく困りません。むしろ十字キーなんていらなかったんだと思わせてくれます。

代わりにフォーカスレバーがあるからです。撮影時はフォーカスレバーとしてAF枠を動かし、メニュー操作などでは十字キー的に使えます。

十字キーは、各キーに機能を割り当ててファンクションキーとして使うカメラが多くありますが、X-T30の場合は十字キー以外のキーが多くので、たいていの機能はそれらで賄えます。

また、画面をフリックすることで実行する「タッチファンクション」も使えます(が、誤操作が多く、結局オフにしちゃいました)。

とまあこんな感じで、ボディにはボタンやダイヤルが多く、実に「カメラを操作してる感」があるわけです。これはよい。

富士フイルム X-T30
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瞳AFはもちろんあります
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荻窪圭
【デジカメライター 荻窪圭】

老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。
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